大学院

【究める vol.29】大学院生の生活①(経済学研究科 博士前期課程2年 田中 絢子さん)

2020年12月10日

「究める」では、大学院に携わる人々や行事についてご紹介します。
今回からは、現役大学院生に院生生活や研究についてお聞きする連載「大学院生の生活」がスタート。
初回は、経済学研究科 経済学専攻 博士前期課程2年の田中 絢子(たなか あやこ)さんにお話を伺いました。

学部卒業式にて

   田中 絢子 さん


  研究科:経済学研究科


   専攻:経済学専攻


   課程:博士前期課程2年

研究テーマについて

愛知県や岐阜県に立地する航空機産業を対象とした事業所立地メカニズムの解明が研究テーマです。
航空機産業は、日本の基幹産業である自動車産業に次ぐ次世代産業と言われています。新たな時代を担う航空機産業の持つ立地特性を明らかにすることは、将来の日本における産業政策の一助になると考え、研究テーマに選定しました。

2020年度は世界的な新型コロナウイルスの流行に伴い、航空機産業を含む航空業界全体に甚大な経営損失を与えることとなりました。自分の研究テーマはまさに航空機産業であったため、航空機の生産停止や雇用削減のニュースを目にするたび、このまま現在の研究テーマを書き進められるのかと不安な気持ちにもなりました。しかし、自らが選んだテーマでもあるため、移動自粛の中でも電話やメールといった現状可能である手段によってヒアリング調査を実施するなど、常に「今自分のできることは何か」を考えながら、前向きに研究活動を行ってきました。

1週間のスケジュールについて

大学院生として、どのような1週間を過ごしているかについてお聞きしました。田中さんは現在、博士前期課程の2年次に在籍していますが、今回は1年次のスケジュールを教えていただきました。

  午前 午後(昼) 午後(夜)
校内授業★ 学外授業★ 自由
校内授業 TA 研究★
自由 インターン 研究
校内授業 研究 アルバイト
校内授業 インターン 研究
研究 研究 自由
アルバイト アルバイト 自由


<Pick Up!>
★校内授業(月・午前)

大学院の授業は学部のゼミ活動と同じように、自発的に授業へ参加する姿勢が求められます。学生が教科書の1章分の説明をするという授業もあります。相手が理解できるように説明しなければならないため、必然的に自分のなかでの理解度も深まります。履修人数は多くて10人ほどなので、授業中に疑問点が出てきたときには、気軽に質問が出来るというメリットもあります。

★学外授業(月・午後)
中央大学大学院の提携校ならば、他大学院の授業を履修することもできます(単位取得可能)。自分の研究分野に近い授業が中央大学には少なかったことから、提携校の明治大学の授業を履修していました。他大学院の学生との交流機会にもなり、自分の研究においても良い刺激を受けることが出来ました。また、明治大学の図書館を利用し、その日受けた授業の復習もしていました。

★研究(火・午後)
大学院の共同研究室や中央図書館で参考文献を読み漁っていました。私の所属するゼミには、先輩や同級生がいませんでした。しかし、同じ共同研究室に所属する先輩がいたため、研究に関する悩みを相談することができました。
コロナ禍により大学に入構できなかった期間は、大学の郵送サービスにより自宅に文献を郵送してもらうなど、比較的柔軟な対応をしてもらえました。

1日のスケジュールについて

続いては1日のスケジュールについて、具体的に例を挙げていただきました。

~8:00 睡眠
8:00~9:00 朝食
9:00~12:00 校内授業
12:00~14:00 昼食・移動
14:00~18:00 インターン(就職活動)★
18:00~19:00 夕食
19:00~21:00 研究★
21:00~23:00 自由
23:00~ 睡眠


<Pick Up!>
★インターン(就職活動)
大学院の博士前期課程修了後は、民間企業への就職を考えていたため、様々な業界のインターンに週2回ほど参加していました。丸一日かかるインターンもあれば、午前午後のどちらかで開催されるインターンもあったため、履修している授業に支障の出ない範囲で、出来るだけインターンに参加して様々な業界・企業を自分の目で確かめるようにしていました。

★研究
就職活動と研究の両立は正直大変で、心が折れそうになることもありました。しかし、自分がなぜ大学院に進学したのかという原点に時折立ち返ることは、限られた時間の中で後悔のない選択をするための原動力になりました。
就職活動によって研究が疎かにならないように、少しでも時間を確保できる日は、できる限り研究活動へ時間を充てていました。

受験生のみなさんへ

私は民間企業への就職を大学院入学前から決めていました。文系大学院生の就職は、不利になるのではという不安もありましたが、大学院という専門性の高い場での研究活動に興味を持ち、大学院進学を決めました。博士前期課程は2年間という短い期間のため、悩んでいる暇もありません。そのため、大学院に進学する際には、「自分は2年後こうなるぞ」という強い意志を携えて入学する必要があると思います。大学院に進学する理由は人それぞれですが、その進学理由の先に明確な目標があるならば、大学院への進学は必ずあなたの人生の糧になります。

 

※この記事は2020年12月時点の内容です。