大学院

【究める vol.33】研究科委員長に聞く大学院での学びと研究④(阿部 正浩 経済学研究科委員長)

2020年12月21日

阿部 正浩 経済学研究科委員長

 

本記事は、11月17日(火)に行われた経済学研究科のオンライン進学説明会での阿部 正浩 研究科委員長による説明をまとめ、再構成したものです。
大学院とはどのようなところか、学部との違いや授業の進め方、研究の特徴などについて、研究科委員長の立場からお話をいただきました。
受験生の方や大学院という場所に関心をお持ちの方は、ぜひお読みください。

大学院で学ぶ意義についてどのようにお考えですか。

大学院では学部とはレベルの異なる学びがあります。コンピューターや情報通信技術の発達によって研究が画期的に進歩しており、学部で教えられている経済学と最先端で行われている経済学研究とには大きな乖離があります。社会で実装されている研究成果を見ても、学部で学ぶレベルを超えたものが多いようです。経済や社会も大きく変わり、働き方も多様になる中、人々に要求される知識や技能はより高度になっており、大学院での学びが活かされる時代になりつつあります。これからの時代、研究者を目指すのはもちろん、企業や公的組織に就職する場合でも大学院での学びは大きなプラスであり、意義のあることだと思います。

学部と大学院の違いを教えてください。

学部(学士課程)は講義が中心です。一方、研究を中心に行う大学院では、前期課程も後期課程も研究活動が中心となります。大学院でも講義がありますが、それは研究を行うためのリテラシーやスキルを学ぶという側面が強い。また、大学院では授業や演習が少人数で行われており、学部と比べ教員に近い距離で一緒に勉強や研究を行います。大学院生と共同で研究を行う教員もいますし、研究への姿勢や視座を学ぶ機会も数多くあるでしょう。

大学院での授業はどのように進められますか。

大学院の授業の目的は、研究を進めるために必要な力を涵養することです。科学的思考や調査、分析を遂行する力を養うために、経済学理論や統計学を学ぶだけではなく、実際の調査、分析につながるスキルを身に着けるための授業を行います。他方、演習ではディスカッションやプレゼンテーションにも力を入れ、研究成果を伝える力を養っていきます。また、大学院では指導教授の存在が大きく、ゼミや論文執筆時の指導に限らず、一番身近な研究者となります。

大学院進学を目指すにあたり、やっておいた方がよいことはありますか。

学部時代には卒業研究に一生懸命取り組んでほしいと思います。大学院の入学試験では研究計画が重視されますが、卒業研究に取り組むことで大学院進学後の研究テーマを見つけやすくなるはずです。卒業研究にしっかり取り組んで、ぜひ最後までやり切ってください。受験勉強も大事ですが、一番大切なのは卒業研究をやり切ることだと思います。