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2014年05月08日

ディルク・エーラース氏名誉博士学位贈呈式

エーラース氏を囲んで遠山総長職務代行と福原学長

2014年5月8日(木)、ドイツのヴェストフェーリッシェ・ヴィルヘルム大学(通称ミュンスター大学)法学博士であり、ドイツ国法学者協会元理事長のディルク・エーラース氏(Prof. Dr. D. Ehlers)に、中央大学の名誉博士学位が贈呈されました。本学が名誉博士学位を贈呈するのは、今年3月に贈呈式を実施したインドネシア日本友好協会理事長のラフマット・ゴーベル氏に続き、今回で13回目となります。
贈呈式は、中央大学多摩キャンパス1410号室にて、エーラース氏およびその関係者、総長職務代行、学長ほか、学内関係者を含め総勢70名で執り行われました。
式の前の法学部3時限の授業では、「ドイツにおける国家的共同体・宗教的共同体-相互関係と発展-」のテーマでエーラース氏による特別講義が行われ、難しい内容にもかかわらず、聴講していた学生からはドイツ語で氏に対して質問もありました。
16時から実施の贈呈式では、遠山曉総長職務代行による式辞と福原紀彦学長による挨拶の後、エーラース氏に学位記とアカデミックガウンの記念品が贈呈され、エーラース氏からは、「本日名誉博士学位をいただいたこの経験は、私にとって、日本とその法文化についてこれまで以上に学ぶ上で、何よりの契機となりました。皆さまのご芳情に対し、お礼申し上げます。ありがとうございました」と謝辞がありました。
その後、1406号室にて祝賀会が催され、中島康予法学部長の乾杯の挨拶の後、今回の氏の特別講義をコーディネートした松原光宏法学部教授による挨拶と、それに対するエーラース氏の謝辞がありました。
最後に、今回の贈呈式の契機にもなった、ミュンスター大学交流実施事業を担当した、山内惟介法学部教授の閉会の挨拶により、祝賀会は盛会に終わりました。

ディルク・エーラース(Prof. Dr. D. Ehlers)氏の功績とご活躍について

ディルク・エーラース氏

ディルク・エーラース氏は、ドイツおよびヨーロッパで活躍されている、ドイツ公法学界の重鎮であり、国法学・行政法・教会法の3分野で教授資格を取得。ミュンスター大学の正教授および経済公法研究所長・法学部長を歴任し、近年は厳格なルールで知られる伝統的な職業団体「ドイツ国法学者協会」の理事長も務めています。
また、国法学、行政法、地方自治法はもとより、営業法、エネルギー経済法等の公経済法の分野、さらにはこれに関連するEU法等に精通されており、社会活動・実務の世界では、ノルトラインウェストファーレン州・上級行政裁判所裁判官、同州上級裁判所・司法試験管理局長他、多くの公職を歴任し、その活動はドイツにとどまらず、ヨーロッパ、さらには日本を含むアジアに広がっています。また、学術研究に基礎付けられた活動は、国・地域を問わず、社会の発展に寄与していると評されています。
このように、学術研究と実務を架橋する役割を果たされてきたエーラース氏は、比較法研究と日独の学術交流の発展・深化においても枢要な役割を担われており、とりわけ、本学および日本比較法研究所との国際交流を通し、日独・日欧比較法研究および高等教育の進展に寄与しています。
今日、我が国の公法学分野におけるドイツ公法学の影響力が甚大な要因は、ドイツにおいて日本人研究者が快適な環境で学ぶことができた点を無視することができません。その環境整備において、エーラース氏が果たされた役割は、極めて大きいと言えます。
今回のエーラース氏に対する名誉博士学位贈呈は、氏が中央大学とミュンスター大学との確固たる結びつきに貢献されただけではなく、我が国の公法学とドイツの公法学を結びつける架け橋としての役割をも担われ、これまでドイツで公法学を学ぶ多くの研究者や学生に良好な研究環境を与えて来られた功績を顕彰したものです。

遠山曉総長職務代行式辞

遠山曉総長職務代行式辞

本日、ディルク・エーラース先生が本学における第13番目の名誉博士学位を受けられることになりました。学校法人中央大学を代表してお祝い申し上げます。
さて、ディルク・エーラース先生は、ドイツおよびヨーロッパの学界および実務で活躍されている、ドイツ公法学界の重鎮でいらっしゃいます。
国法学・行政法・教会法の三分野で教授資格を取得され、ミュンスター大学の正教授および経済公法研究所長・法学部長を歴任されております。
また、学位と教授資格が入会要件として定められ、報告も生涯で一度限りしか認められていない厳格なルールで知られる伝統的な職業団体である『ドイツ国法学者協会』の理事長を近年務められていらっしゃいます。
1984年に執筆されました教授資格論文は『私法形式における行政』で、国法学、行政法、地方自治法等はもとより、営業法、エネルギー経済法等の公経済法の分野、さらにはこれに関連するEU法等、多岐にわたる著書・論文を公表されております。
なかでも、最も著名な教科書のひとつである、エーリヒゼン・マルテンス『行政法総論』の執筆を若手時代から担当され、現在は編者を務められておられます。公経済法を対象とするテキスト『行政法各論』、さらには『ヨーロッパ基本権・基本的自由』の編著者も担当されております。
他方、社会活動・実務の世界では、ノルトラインウェストファーレン州・上級行政裁判所裁判官、同州上級裁判所・司法試験管理局長他、多くの公職を務められております。また、エーラース氏の活動はドイツにとどまらず、ヨーロッパ、さらには日本を含むアジアに広がっており、公共政策・ガヴァナンス向上に関するドイツ東南アジアセンター理事も務められておられます。学術研究に基礎付けられた活動は、国・地域を問わず、社会の発展に寄与していると認められております。
学術研究と実務を架橋する役割を果たされてきたエーラース先生は、比較法研究と日独の学術交流の発展・深化においても枢要な役割を担われてきました。なかでも、本学および日本比較法研究所との国際交流を通し、日独・日欧比較法研究および高等教育の進展に寄与されておられます。
エーラース氏は、中央大学とミュンスター大学との確固たる結びつきに貢献されただけではなく、我が国の公法学とドイツの公法学を結びつける架け橋としての役割をも担われ、これまでドイツで公法学を学ぶ多くの研究者や学生に良好な研究環境を与えて来られました。
今日、我が国の公法学分野におけるドイツ公法学の影響力は甚大ですが、その要因は、ドイツにおいて日本人研究者が快適な環境で学ぶことができた点を無視することができません。その環境整備において、エーラース氏が果たされた役割は、きわめて大きいと言えます。
中央大学の日本比較法研究所は、日本の比較法学の泰斗、故杉山直治郎博士を初代所長として、1948年12月に発足しました。この種の研究所としては、東洋で最初に設立された機関であります。この研究所は、中央大学によって設置されたものの、当初は、中央大学の枠を越えた全国的な規模の研究機関として組織され、広く海外の同種の諸機関と密接な連携を保ち、国際的な比較法研究の推進の一翼を担うという遠大な構想をもっていました。設立当初の研究所規則の前文には、次のように謳われています。
「日本比較法研究所は、その名の如く、一大学の独占的施設ではない。日本の、東洋の、ひいては世界の、志を同(おなじ)うする研究及び実践に協力し、比較法学の進歩に寄与することを切念するものである」。この目的は、今日的な形で現在まで継承され、比較法学の進歩を通して社会の福祉の増進をはかっており、エーラース氏の貢献がなかったならば、今日のような豊かな成果をあげるには大きな困難を伴ったことでありましょう。
本日、ディルク・エーラース氏のご功績を顕彰し、今後の本学のグローバル化のさらなる進展のため名誉博士の学位を贈呈できることは、中央大学にとって大きな喜びでございます。
本日は、誠におめでとうございます。

福原紀彦学長挨拶

福原紀彦学長挨拶

本日、ディルク・エーラース先生が、本学における第13人目となる名誉博士学位を授与されますこと、中央大学を代表してお祝い申し上げます。
ミュンスター大学法学部長のインゴ・ゼンガー教授にお話を伺ったところ、エーラース先生の学術的なご関心は主に公法分野における理論研究に向けられており、本当に着実に、丁寧に仕事に励むタイプの学者として高い評価を受けておられると聞いております。
教育者としては、講義・演習など通常の活動はもとより、日本の司法試験に相当する「第一次司法国家試験」受験用補習コースにおいて熱心な指導をされていらっしゃいます。
ミュンスター大学は第一次司法国家試験の合格者を極めて多く輩出している大学の一つですが、この受験用補習コースの開設および運営においてエーラース先生は、優れたリーダーシップを発揮していらっしゃいました。
公法分野の責任者であるエーラース先生と私法分野の責任者であるハインリッヒ・デルナー教授のお二人が、この分野での功労者であると伺っております。
また、法学部の運営においても、各種課題の解決に向けて積極的に行動していらっしゃいます。一例を挙げますと、ミュンスター大学法学部の歴史上、特に著名な教授の一人である商法学者ハリー・ヴェスターマンを記念するハリー・ヴェスターマン賞がミュンスター大学法学部に提出された極めて優秀な博士論文を表彰するために設けられていますが、その受賞者は学位授与式で表彰され、賞状と副賞を授与されることになっています。この賞の審査委員は、法学部のみならず経済界・弁護士会からも選出されており、エーラース先生はその委員長として候補作の選定作業全体の運営を担われるだけでなく、最優秀博士論文の審査結果総評を担当されていらっしゃいます。選出対象は、エーラース先生の専門である公法分野だけでなく、民事法も刑事法にも及びます。この事からも、その学問的な関心が幅広いものであることを伺い知ることができます。
以上主に、学術研究・教育面での功績についてご紹介させていただきましたが、エーラース先生はフランス・アメリカ・中国・ロシア・日本(中央大学および新潟大学)等、外国から多くの留学生を受け入れ、留学生がドイツでの学修を十分に行えるよう、家族ぐるみで私たちの仲間を歓待されて来ました。そのご縁もあって、これらの国の諸大学に先生は、客員教授として招かれ、多くの講義・講演を行っていらっしゃいました。その真摯な学問的探求心と教育への情熱に加え、このように志を同じくする世界中の学生や研究者から慕われ敬われるお人柄は、先生と接したことのある方であれば常に実感される大切な一面であります。
本日そのような、素晴らしいエーラース先生に、名誉博士学位を贈呈させていただくことは、中央大学にとっても大きな喜びであります。本学を始め日本とドイツとの学問的な交流において、本日を機会に、今後ますます先生がご活躍されることを、そして両国の法学を中心とした交流がますます盛んになりますことを心より祈念しております。
本日は、誠におめでとうございます。

エーラース氏記念特別講演「ドイツにおける国家的共同体・宗教的共同体-相互関係と発展-」

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