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中央大学FLP松野ゼミ制作のドキュメンタリー2作品が一般劇場公開

2019年10月24日

 中央大学FLPジャーナリズムプログラム松野良一ゼミが制作したドキュメンタリー映画2作品が、東京ドキュメンタリー映画祭2019短編部門にノミネートされ、一般劇場公開されます。
 
 2作品は、「『私は何者であるのか…』-ある台湾人学徒の証言-」(19分)と「拓魂―ある満蒙開拓団員の証言―」(19分)。両作品は、12月3日(火)12:20から東京都新宿区のケイズシネマ(K's cinema)で、短編部門「アジアと戦争」ブロックの中で、上映されます。

2作品の概要

①「『私は何者であるのか…』-ある台湾人学徒の証言-」

 太平洋戦争末期、日本の戦況が悪化し、政府は学徒勤労動員を行いました。その対象は当時、日本の統治下にあった台湾からの留学生も例外ではありませんでした。中央大学に在学していた梁敬宣(りょう けいせん)さんは、台湾人でありながら、日本人として戦争に参加。しかし、終戦後、中国人として「戦勝国」の人間という扱いを受けることになります。戦争を機に、日本と台湾の間で生きることになった梁さんは、「自分はいったい何者なのか…」という問いに一生苦しめられることになります。戦争に翻弄された元台湾人学徒の人生を追いました。
 この取材・撮影がきっかけで、2017年2月に、梁さんに対して、中央大学から「特別卒業証書」が授与されました。(梁さんは、2019年2月21日に逝去されました。心より、ご冥福をお祈りいたします)

<監督> 松本 弥彩暉
 1998年、東京都出身。中央大学総合政策学部3年。 都立狛江高校卒業後、中央大学総合政策学部にてジャーナリズム論を専攻している。現在は、シンガポールで処刑されたBC級戦犯とその遺族について、新たにドキュメンタリーを制作中。この他、2014年に発生した御嶽山噴火災害の取材も継続して行なっている。
 

②「拓魂―ある満蒙開拓団員の証言―」

 東京都多摩市聖蹟桜ヶ丘にある拓魂公苑。毎年4月の第2日曜日に、全国拓魂祭が開かれます。満蒙開拓に関する慰霊祭で1963年から続いています。この慰霊祭に毎年参加しているのが中込敏朗さん。かつて中込さんは家族と共に憧れの地、満州へと渡りました。しかし、ソ連参戦によって、穏やかな生活は一瞬にして逃避生活に変わり、約8万人もの民間人の命が奪われました。 満蒙開拓とは一体何だったのか。ある元開拓団員の証言をもとに描きました。 

<監督> 久保寺隼
 1996年、神奈川県出身。中央大学法学部4年。株式会社共同テレビジョンにて約2年間、インターンとして映像制作に携わる。 国策によって多くの人が満州国に移住したが、ソ連軍が満州に侵攻したことにより多大の犠牲を出した。しかし、そのような悲劇があったという事実は風化の一途を辿っている。今回、一人の元開拓団員の証言を記録することで、後世に記憶を伝える一つのきっかけとなればと思い制作した。

<問い合わせ先>
 FLPジャーナリズムプログラム松野良一ゼミ
 中央大学国際情報学部 松野良一研究室
  MAIL : matsuno◎tamacc.chuo-u.ac.jp (◎を@にかえて送信してください。)