広報・広聴活動

中央大学広岡守穂編 「社会が変わるとはどういうことか?」出版 --社会が変わることをテーマに学生と教授が共に作った一冊 有信堂 1980 円(税込)

2019年10月23日

 「現場から社会について考える」をモットーとする中央大学法学部広岡ゼミは、この度、構築の視点で社会の変容を捉えることをテーマに学生と共に編集を行った書籍『社会が変わるとかどういうことか?』(有信堂)を出版いたしました。 

 学生が学びたい分野を決め、それに応じて教員が学生の協力を得ながら執筆するという進め方で本をつくりました。10人の執筆者が社会的構築をテーマにジェンダーや地域づくり、平和について論じています。学生は、年表を作る、過去の新聞記事や統計データを調べる、実際に現場を訪れインタビューするなどして執筆に協力し、編集作業として、執筆者の原稿を読み、ゼミでの議論や調査を重ねて見えてくる「もっと知りたいこと、書いてほしいこと」の要望を執筆者に反映していただいたり、ワークショップでタイトルを考案しました。
 
 ぜひご紹介、ご取材いただければ幸甚です。ご検討の程、宜しくお願い申し上げます。

広岡ゼミの学生によるコメント

 編集に携わることで、自分たちが何気なく読んでいる本の裏側の苦労を実感することができ、学校とは違う形での「学び」に触れることができました。
 印象深かったことの一つである編集では、執筆者の高度な脳内理解に追いつけるほどの知識がなく、無知な自分を恥じました。本の中にはいったいどれほどの知識が詰まっているのか考えるだけで圧倒されました。そしてそれらを編集者視点で客観的批判的に読むことの難しさを痛感し、いかに自分が普段与えられる情報や意見を鵜呑みにし、批判的に物事を捉えることができていないかを知るきっかけになりました。考察し、自分なりの意見を持ち、述べることこそ誰かと何かを創造する場である社会において重要なことであると感じました。本制作を通して多くの人と関わらせていただくことで、人との関わり、自分を見つめ直す貴重な経験になりました。
 試行錯誤を繰り返し、2年をかけて仕上げた一冊です。ぜひお手にとってご覧ください。

目次・執筆者

『社会が変わるとはどういうことか?』
はじめに (中央大学教授 広岡守穂)
・第一部 ジェンダー

第1章 父親の子育てが当たり前になるまで(中央大学教授 広岡守穂)
第2章 ジェンダー ―「ドメスティック・バイオレンス」(神奈川大学法学研究所客員研究員 山本千晶)
第3章 男女共同参画政策とかながわ女性会議(NPO 法人かながわ女性会議理事長 吉田洋子)

・第二部 まちづくり

第4章 市民マラソンは社会を変えたか(日本青年館「社会教育」編集長 近藤真司)
第5章 日本の内なる国際化 ―その現状と地域における対応(豊岡市市民生活部長 谷岡慎一)
第6章 NPO の実績を結集した寄り添い型の生活困窮者支援 ―複合的な課題を抱える人たちを包摂できる社会へ(一般社団法人インクルージョンネットかながわ理事 川崎あや)
第7章 子どもを守る地域をつくる(宇都宮共和大学教授 和田佐英子)

・第三部 平和

第8章 平和はうまく教えられているか? ―「恵泉の平和学」から「平和の基礎教育」を考える(宇都宮共和大学教授 上村英明)
第9章 フィリピンの戦場で何があったのか? ―戦争認識が形成されるということ(東京工科大学准教授 神子島健)
第10章 平和学からみたレイシズム(川崎市平和館専門調査員 暉峻僚三)

あとがき (中央大学教授 広岡守穂)

法学部教授 広岡守穂(ひろおか もりほ)

1951 年石川県金沢市生まれ。 中央大学法学部教授であり、主な専攻は日本政治思想史だが、現代日本の社会現象に幅広い関心を持ち、男女共同参画、NPO、子育てなど様々な分野で発言している。1990 年『男だって子育て』でベストメン賞受賞。
 主な著書
『「豊かさ」のパラドックス』(講談社現代新書、1986 年) 
『男だって子育て』(岩波新書、1990 年)
 

<本件に関するお問い合わせ>
 中央大学法学部 広岡守穂
  TEL:042-674-3111(法学部事務室)
  Email:morihohiro0801◎gmail.com    ※◎を@にかえて送信してください。
  
<取材に関するお問い合わせ>
 中央大学広報室
  TEL:042-674-2050
  Email:kk@tamajs.chuo-u.ac.jp