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中央大学総長・学長 酒井正三郎が「台湾二二八事件」70周年紀念式典に出席・登壇し哀悼の意を表しました

2017年03月01日

 2017年2月28日午後、台湾台北市の二二八和平公園で蔡英文・総統ほか政府要人が列席して「台湾二二八事件」70周年紀念式典が開催されました。同式典に参加した総長・学長の酒井正三郎は、日本人として初めて登壇し、本学出身者をはじめ日本の大学で学んだ受難者すべてに向けて哀悼の意を表しました。併せて本学附属の中央大学高等学校生徒からのメッセージを紹介し、生徒たちが手作りした千羽鶴を、法学部長の中島康予、本学の卒業生組織・学員日華友好会会長 長田繁とともに献花台に手向けました。同式典には、総長・学長のほか、本学関係者計約10名が参列しました。

 

 台湾二二八事件は、中国国民党統治下にあった1947年2月28日に、台湾の人々が起こした大規模な抗議・民主化行動です。台湾から渡日して中央大学で学んだ後、台湾に戻った本学卒業生は300人と言われ、台湾各分野で活躍していました。これまでの調査で、同事件で犠牲となった本学関係者は10数名にのぼり、日本の大学では最多であることがわかりました(※)。このため、今回、総長・学長が「台湾二二八事件」70周年紀念式典に参加することになりました。

 

 台北二二八紀念館には、犠牲となった本学卒業生で弁護士だった林連宗氏の学生帽が、今も展示されています。

 

 式典前日の27日には、二二八国家紀念館主催の記者会見に総長・学長の酒井、法学部長の中島、総合政策学部長の松野良一が臨みました。

 

ご参考:総長・学長 酒井正三郎スピーチ全文

台湾のみなさん、こんにちは。
私は、日本の中央大学の総長・学長であります、酒井正三郎でございます。
私が今回、この台湾に参りましたことには、理由がございます。
日本の中央大学は、1885年に東京において設立され、130年を超える歴史があります。
戦前、台湾から、多くの若者が日本の中央大学に入学し、学んでおりました。
日本の中央大学で学び、その後台湾に戻り、弁護士、会計士、銀行員として、たくさんの卒業生が活躍しておりました。
戦争が終わり、日本は台湾から引き揚げました。
そして、1947年2月に、二二八事件が起こりました。
この事件に、中央大学の卒業生たちも巻き込まれました。
弁護士だった、台北の李瑞漢(り ずいかん)さん、李瑞峰(り ずいほう)さん、台中の林連宗(りんれんそう)さん、台南の湯徳章(とうとくしょう)さんなど、台湾で活躍されていた方たちが次々と受難されました。
二二八事件紀念基金會の調べでは、日本で学んだ学生で受難した方の数は、100人以上にのぼり、うち10数人が中央大学の卒業生でした。中央大学が、最も多い受難者を出しているわけです。
中央大学のほかには、東京大学、京都大学、早稲田大学、慶応大学、日本大学、福島大学など多数の大学の卒業生が受難しております。
志(こころざし)半ばで、歴史的悲劇に巻き込まれた先輩たちは、さぞ無念でありましたでしょう。生きていれば、もっと、台湾のために、活躍・貢献されたことでしょう。
私は、この70周年という節目に、受難した大学の先輩たちを慰霊したいと心より思い、ここに参った次第でございます。
中央大学の卒業生の皆さん。そして、日本の大学で学んで受難されたすべての方々に対して、心より哀悼の意を表します。
最後に、中央大学の附属高校であります中央大学高校の生徒たちが、千羽鶴とメッセージを寄せてくれておりますので、紹介させていただきます。
「中央大学の先輩の皆さん。様々な分野で活躍されていたにもかかわらず、歴史の渦に巻き込まれ受難されたことは、残念でなりません。後輩の私たちは、先輩たちを見習って学業に励み、平和で民主的な社会を構築するために、頑張りたいと思います。心より、ご冥福をお祈り申し上げます」 中央大学附属中央大学高校 生徒一同

 

 

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