教養番組「知の回廊」

3月放送の教養番組『知の回廊』第103回「由比の桜えび漁にみる6次産業化の未来」について

2015年03月03日

由比漁港の桜えび漁の様子

2015年3月放送の番組は、中央大学専門職大学院戦略経営研究科(ビジネススクール)の露木恵美子教授による「由比の桜えび漁にみる6次産業化の未来」です。
J:COMチャンネル八王子で、月・水・金 22:00~、水・日 6:30~、土 21:00~、日 23:00~の時間帯で好評放送中ですので、まだご覧になっていない方は是非ご試聴ください(YouTube中大チャンネルやiTunes Uでもご覧いただけます)!

番組内容

桜えびは、サクラエビ科に属する小型のエビで、その美しさから『海のルビー』とも呼ばれています。日本では駿河湾や相模湾などに生息していますが、漁獲対象とされているのは、駿河湾の由比・蒲原と大井川のみで、国内で水揚げされる桜えびは、100%、駿河湾産です。水深200メートルから300メートルの深海に生息し、その生態についてはよくわかっておらず、養殖もできません。漁期は年2回で、春は3月中旬から6月初旬、'は10月下旬から12月下旬とし、それ以外の時期は、資源保護のため休漁しています。
さらに、桜えび漁は、資源管理型漁業の一形態である『プール制』(いう制度を敷いています。これは全水揚げ高を、操業が許可されている120艘の船で、一定のルールに基づいて均等に配分することで、過当競争による獲りすぎや事故防止を目的として、約40年前から導入されてきた制度です。現在でも、由比港漁業協同組合が中心となり、漁業者自らが資源の保護と管理を行っています。
由比港漁協青年部では、桜えびの6次産業化をはじめ、さまざまな取り組みを行っています。6次産業化とは、一次生産者が自らの手で農水産品を加工・製造し、付加価値をつけて市場へと送り出す活動全般のことを言います。特に深海から水揚げされると、すぐに死んでしまう桜えびを、生かしたまま流通させることに成功した『活き桜えび』や、漁師ならではの食べ方の提案である『桜えびの沖漬け』。今までサイズが小さかったり、買い手が少なかったりして、市場に流通しなかった魚を、練り製品に加工する『漁師魂(りょうしだま)』などを、不断の努力と研究で、商品化に成功し&きたのです。
今回は、資源管理型漁業のための、プール制という社会制度を背景にもつ、由比港漁協青年部の取り組みを紹介し、由比の桜えび漁から、漁業における6次産業化の未来を見つめます。 

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