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グローバル・パーソンを目指す中大生 vol.037 河瀨 柚花さん

WORLD LACROSSE 女子U20 世界選手権大会で初の銅メダル獲得に貢献

河瀨 柚花さん|Yuka Kawase
商学部2年
女子ラクロス部|U20日本代表
[掲載日:2024年12月18日]

 2024年8月、中国・香港にて、女子20歳以下(U20)のラクロス世界選手権大会が開催されました。中央大学 女子ラクロス部の河瀨 柚花(かわせ ゆうか)選手は、得点を奪う攻撃選手(アタック)として出場し、世界の舞台で戦いました。そして目標だった銅メダルを獲得!
 ラクロスの世界組織「WORLD LACROSSE」主催で、年代別を含む10人制の国際大会で3位以上となったのは日本女子初の快挙だそう。

 普段は週5日、2~4時間の部活での練習に取り組みながら学生生活を送る河瀨さんに、日本代表として戦った経験や感想などをお聞きしました。

怖がって何もしなかったらもったいない!「やってやろう」という気持ちで臨んだU20

準々決勝のイングランド戦で得点し、ジャンプ!
(写真提供:日本ラクロス協会)

Q.世界の舞台で戦った感想を聞かせてください

 とても楽しく、一生忘れられない経験になりました。
 少ない練習の中でも、チームワークが良く仲のいいチームでした。自分の得点もチームメイトの得点も全てチームが獲った得点として、みんな同じ熱量で喜べるところや、今自分ができることをそれぞれが全力でやるというところがよかったです。今でもたまに試合を見返してしまうくらいこのチームが大好きで、みんなでまた試合をしたいなと思います。

Q. どのようにして日本代表に選ばれましたか?

 2023年11月末にトライアウトの参加希望を申し込みました。2024年1月以降、毎週末の練習会でだんだん人数が絞られていき6月に最終決定、22名の日本代表メンバーの1人に選ばれました。7月に代表メンバーで強化合宿、8月には大会直前の練習会に参加しました。少ない練習回数の中で共通認識を持たなければいけません。U20は関西やアメリカから来ているメンバーもいたので、練習会の他オンライン会議も行い、国際大会に向けて共通認識を合わせていきました。
 最初は自信がありませんでしたが、選考期間中にチームメイトの上手いプレーに刺激を受け、プレー面で成長できました。

Q. U20世界選手権には、どのような目標・意気込みで挑みましたか?

 緊張よりもワクワクの気持ちの方が大きかったです。もともと心配性で緊張しやすいタイプですが、怖がって何もしなかったらもったいないから「やってやろう」という気持ちで臨みました。しかし、初戦のアイルランド戦では緊張で力んでしまい、うまくいかなかったし楽しくなかったです。試合後は大泣きしてしまいました。

 クォーターファイナル(準々決勝)に行くには1回しか負けられないという状況で、4強(※)の1つであるイングランド以外のチームに全部勝ち、最後イングランドに負けてたとしてもクォーターファイナルに行けると想定していました。また、アメリカ系の選手が多いアイルランドも結構強いため、初戦のアイルランド戦もしっかり勝ち切ろうと言っていましたが、初戦という緊張もあり、アイルランドに負けてしまい後がない状況になってしまいました。その後、イングランド戦をしっかり勝ち切って、目標としていた銅メダルを獲得しました。
 初戦の負けがあったからこそ、チームが試合をするごとに成長して、どんどんいい試合ができてきたと思います。初戦とは比べものにならないくらい、2度目のイングランド戦や最後のオーストラリア戦はチームとして成長していきました。4強のイングランドをクォーターファイナルの時点で破ったことも歴史を変えた一つですが、さらに目標だった銅メダルも獲得できました。
※前評判ではアメリカ、カナダ、イングランド、オーストラリアが4強に挙げられていた

Q. 試合では多くの得点を決めましたが、一番うれしかったのはどの得点ですか?

 クオーターファイナルのイングランド戦で決めたシュートです。ずっと左手のプレーに苦手意識があり、大学の公式戦でも左手のシュートを決めたことがありませんでした。世界大会という大きな舞台で初めて得点でき、練習の成果を出せて嬉しかったです。

WORLD LACROSSE 女子20歳以下(U20)世界選手権大会

▼予選ラウンド

対 戦 スコア 結 果
日本 vs アイルランド 11 - 12
日本 vs ジャマイカ 21 - 3
日本 vs イングランド 12 - 7
日本 vs 香港 17 - 2

▼決勝トーナメント/準々決勝

日本 vs イングランド 12 - 6

▼決勝トーナメント/準決勝

日本 vs カナダ 2 - 17

▼3位決定戦

日本 vs オーストラリア 14 - 5

(記録は日本ラクロス協会ホームページより抜粋)

「Nice Fight」「Good Luck」を言い合い外国の選手とコミュニケーション

Q. 海外での試合と日本での試合、何か違いを感じましたか?

 試合の時間が夜20時から昼15時に繰り上がったことがありました。理由は天候により試合会場が使えなくなったということでしたが、そういう変更が2~3回あり、1回それを経験して以降は慣れましたが。 食事のタイミングがずれたり、コンディションが整っていないまま練習試合ということもありました。

Q. 香港に滞在した際、楽しかったことや苦労したことは?

 空き時間には、ホテルで「大富豪」などトランプをずっとやっていました。それが楽しかったです!
 食事面では、みんな日本米を食べたくなるので、チームで炊飯器を持っていき日本米を炊いてくれました。おにぎりにして食べたり、ホテルのビュッフェにあるジャパニーズカレーや韓国風チキンをおかずに食べたりしていました。
 香港は日本語を話せる方もいて、言葉で苦労することはありませんでした。外国の選手と一緒だったホテルでは「Nice Fight」や「Good Luck」などを言い合いコミュニケーションをとりました。

Q. ラクロスを始めたきっかけは?

 4つ上の姉が高校でラクロスをやっていて、その応援に行っているうちに自分もラクロスをやりたいと思うようになりました。足の速さを活かし「自分で走ってゴールを打ってみたい」と思い、姉と同じラクロス部のある横浜市立東高校に進学しました。
 小学2年から中学3年まで硬式テニスを習いながら、中学でも姉の影響でバレーボール部に入りました。どちらかというと「姉がやっていて楽しそう」というのが大きかったです。

Q. 今後の目標を教えてください

 女子ラクロス部としてはチームで日本一になること、個人では2026年に日本で開催される女子世界選手権に出場することです。今はまず、大学のリーグ戦優勝という目の前の目標に向かって進んでいます。近いところの目標を突破して、その先に違う目標が見えてくればいいなと思います。
 2026年世界選手権、2028年ロサンゼルスオリンピックは社会人と一緒に代表の座を競い合うことになるので難しいとは思いますが、代表を目指せるなら目指したいです。
 

スピーディーな展開、ダイナミックな動き、100キロ超のシュート
ラクロスの魅力

 北米発祥とされるラクロスは、クロスと呼ぶスティックを使って硬質のゴム製ボール(直径6センチ、重さ150グラム)を奪い合い、ゴールを目指す球技。クロス先端の網の中でボールを保持し、パスやシュートにつなげていく。フィールドは110×60メートルの広さ。1試合は各15分の4クオーター制。サッカーのようなスピーディーな展開や選手のダイナミックな動き、時速100キロを超すシュートの速さなどが魅力。10秒も経たずにゴールが決まることがあるほど展開は目まぐるしい。
 体同士のコンタクトが激しい男子に比べ、女子はボディーチェックの禁止など安全性を高めたルールになっており、目を守るアイガード、手を保護するグローブやマウスピースなどの防具を身に着ける。

 プレーヤーの数は10対10。ポジションは、ゴールを決めるアタック(AT)、攻守に活躍するオールラウンダー的存在のミッドフィールダー(MD)、守備のディフェンス(DF)、ゴールを守るゴーリー(G)に分かれる。MDを除いてポジションごとに移動可能なエリアが設けられ、攻撃・守備エリアに進入できる人数にも制限がある。アイスホッケーのようにゴール裏エリアもプレーが可能。
 また、特有のルールとして「チェイス」がある。シュートのボールがフィールド外に出た場合、相手方のボールでリスタートするバスケットボールやサッカーと異なり、ボールの一番近くにいた選手のチームにボールが与えられる。シュート直後は、ボール獲得を目指して選手たちが全力でダッシュする姿が見られる。

■中央大学 女子ラクロス部からのメッセージ

 中央大学女子ラクロス部は、1989年に創部された伝統あるチームです。
 私たちは、日々の練習や試合を通じて仲間と切磋琢磨しながら、一歩ずつ着実に成長を目指しています。おかげさまで近年では関東学生ラクロスリーグで2年連続Final4へ進出することができました! まだまだ挑戦の途中ではありますが、女子ラクロス部は部員同士の仲が良く、学業との両立を大切にしながら支え合える温かな雰囲気が魅力の一つです。ラクロスを通じて新しい自分と出会い、充実した学生生活を送りたい方にぴったりの場所です。
 共に成長し、夢を追いかけられる仲間をお待ちしています!

学生記者が取材編集する大学広報誌「HAKUMON Chuo」

 2024年11月28日発行の「HAKUMON Chuo No.283」2024秋冬号の巻頭では、河瀨 柚花さんを特集しています。

 10月2日(水)、中央大学ラグビー場にて河瀨さんの取材が行われ、学生記者の上原 希成さん(国際情報学部3年)がインタビューしました。女子ラクロス部の活躍、日本代表を経験した思い、大学生活など、同じ大学生の視点で学生記者が切り込みました。ぜひご覧ください。