国際センターでは、2024年6月27日(木)~7月9日(火)の「留学Weeks」期間中、さまざまな企画を実施しました。
7月9日(火)の「協定校 学生対談」では、ミネソタ州立大学マンケート校への留学を経験した中大生と、マンケート校からの留学生による対談が行われました。留学を迷っている学生の背中を押せるように、またミネソタ州立大学マンケート校の魅力も知ってもらいたいと企画されました。
中大生と留学生、大学の魅力と現地生活の現実を語りました
対談の会場となった多摩キャンパスFOREST GATEWAY CHUO内の教室に、登壇学生と留学希望の学生が集まりました。イベントの様子はオンラインで同時開催の上、後日動画配信され、多くの学生が視聴しました。
登壇した2人の対談の一部をご紹介します。
右:横山さん 文学部4年
2023年8月~2024年5月の1学年間、ミネソタ州立大学マンケート校へ交換留学を経験。
中央大学では哲学を専攻していて、留学中はジェンダープログラムと人種差別プログラムを履修していた。
左:レイさん
2024年4月よりミネソタ州立大学マンケート校から中央大学に交換留学中。
ビジネスと金融・経済学を専攻しており、中央大学でも経済学の授業を受講している。
ミネソタ州で人気のスポーツであるアイスホッケーが大好き。
ミネソタ州立大学マンケート校(以下MSU)はどんな大学ですか?
レイさん:MSUのキャンパス内には、図書館、学生会館、カフェテリア、寮など必要なものはすべて揃っていて、すばらしいキャンパスライフを送ることができます。学生会館には「タコベル」のようなファーストフード店、中華料理店、サンドイッチなど様々なレストランがあり、とてもおいしいです。勉強や宿題をするスペースもあります。学生会館の地下には、学生がゲームなどをする場所があり、ビリヤード、メガジェンガ、メガチェス、ボーリングレーンもあるし、PS4やXboxを借りてゲームもできます。キャンパス内の学生向けのイベントもたくさんあり、セメスターの始めにボールルームでイベントが開かれます。
キャンパス外に出る時は、ダウンタウン行きのバスに乗ったり、友達の車で出かけます。
横山さん:MSUは緑や自然がたくさんあり中央大学に似ていると思います。共通点は多いですが、施設は中央大学よりも大きいです。特に体育館はすごく大きい!図書館は午前6時から午前12時まで開いているため、早朝から夜中まで丸一日利用できます。
横山さんにMSUへの留学についてお聞きします
Q. なぜ留学を決めましたか? なぜMSUを選びましたか?
ジェンダー問題と人種差別問題について学べるクラスがあったのでMSUを選びました。また英語力も向上させたかったのでアメリカに留学を決めました。
Q. どんなコースを選択しましたか?
Health, Wealth, and Power です。
ジェンダーや障害者が抱える課題を、当局がどのように対処しているか、問題は何かをディスカッション形式で話します。このクラスはとっても難しかったです。
Q. 寮での生活はどうでしたか?
生活費は月に2000ドルくらいかかりました。今のレートで30万円くらい。 セメスターごとに家賃を払います。月で割ると保険料なども入れてだいたい10万円くらい払いました。 プラスして生活費がかかります。…結構高いです。
Q. MSUではどんなコミュニティに属していましたか?
留学生のコミュニティに属していて、映画を観て過ごしたり、メキシカン・フェスティバルなどキャンパス内のイベントにも行きました。
Q. 休日はどのように過ごしていましたか?
私は週末のほとんどの時間を勉強に費やしていたので、誰かと遊ぶ時間はあまりありませんでした。
レイさんにMSUでの生活と中央大への留学についてお聞きします
Q. ミネソタ州の気候はどんな感じですか?
日本と同様、ミネソタには四季があり、秋には葉っぱが赤く染まり、11月過ぎから始まる冬には雪が降ります。真冬は-40度くらいまで下がることがあり、とても寒いです。年に数回吹雪が降るほどでしたが、近年は雪が少なくなりました。キャンパスでは雪合戦をする学生がいます。また、学生向けのイベントで「チュービング」(丸いゴムぞりのようなもの)に行ったりしました。
マンケートには小さなスキー場もあり、バスで行くことができます。
↑MSUのビジネス科のクラスメイトたちとビジネスプログラムに参加
Q. MSUではどんなコミュニティに所属していましたか?
MSUではビジネス・ソーシャル・フラタニティに所属しています。フラタニティ(Fraternity)は日本では聞きなれない言葉かもしれません。ビジネス系の学生同士、お互いをより良くするためにどうすればよいかを話し合い、一緒に勉強会をしたりします。同じ専攻の人や宿題をしたい人など、お互いに助け合っています。
また、キャンパス内のビジネスプログラムにも関わっています。IBEプログラムというビジネスプログラムがあり、グループで会社を作って、基本的に商品を販売し、学期末までにすべてのお金を慈善団体に寄付します。
さらにイントラミューラルホッケーチームに所属していて、キャンパスで趣味でホッケーもやっています。
辞めてしまいましたが、コーラスにも入っていました。
↑学生会館にてビジネスカジュアルな服装で
留学生はキャンパス内を知り、新しい人と出会うためにも、ソーシャルクラブに参加するのがいいと思います。
Q. アメリカでの生活はどんな感じですか?
アメリカでは3カ月の夏休みをはじめ、1カ月程の冬休み、10日間の春休みの他、3連休などがあります。休暇はカナダのウィスラーへスキー旅行に出かけたり、実家に戻り地元の友達と遊んだりします。
また、去年はマンケートのレストランでアルバイトをしていました。来日前に3カ月インターンシップとしてファイナンシャルアドバイザーの仕事をしていました。卒業後はここの会社に就職します。
Q. なぜ留学を決めましたか?なぜ中央大学を選びましたか?
長期間にわたって外国で生活できる本当に良い機会だと思ったので留学を決めました。日本を選んだのは、日本の文化、特に歴史、アニメ(NARUTO)、新鮮な食べ物が大好きだからです。日本の文化は世界の中でも古く豊かで、見るべきもの、学ぶべきものがたくさんあります。母国での生活とはまったく違うため、違うことを体験したかったからです。
中央大学を選んだのは、良いビジネスプログラムだったからです。ここで受講している多くの授業、例えば経済学の授業の単位はすべて母国の大学で認められます。私はビジネス経済学や実験経済学を履修しています。ほとんどは経済セミナーですが、他に英語で開講されているグローバルチュートリアル、外国語学、アメリカ演劇なども履修しています。私は来年4年生で卒業しますが、基本的にすべての単位が認められるので好都合です。
また、電車でどこへでも行けるこのエリアは、住むのにも最適な場所だと思います。
Q. 日本での生活はどんな感じですか?
家賃320ドル、食費50ドルとかなり安いです。ラーメンや安いものを食べていますが、アメリカではその3倍くらいかかります。生活費は、旅行代を含め月に1500ドルくらいです。
寮にはたくさんの留学生がいるので、遊びに出かけたり、宿題をしたり、料理をしたりととても楽しいです。私はバスケットボールサークルに所属していて、キャンパスの体育館でバスケットボールをしている以外はみんなとぶらぶらしています。
日本には4カ月しかいないので、よく旅行に出かけます。先日は、北海道の札幌へ、深夜バスで大阪へ、また埼玉へキャンプに行きました。
日本とアメリカとのギャップは感じましたか?
横山さん:アメリカって自由だなって思ってたのですが、意外と州によるんだなと感じました。たぶんニューヨークやカリフォルニアに行ったら違うと思うのですが、ミネソタは自由は感じなくて、個人主義な感じがしました。例えば、食堂で誰かが飲み物をこぼしちゃったとしても、助けてくれたり気にかけてくれる人がいなくて、ちょっと怖くて、思っていたアメリカのイメージとは違いました。そこがギャップでもあり、面白いなとも思いました。「Sorry」と言った時に「大丈夫だよ」と言ってくれたり、知らない人に「その洋服いいね」と言われたり、フレンドリーだなと思うこともありました。
日本はそういった点で言うと、誰かが困った時には絶対助けてくれるなっていう風に感じていて、隠れた秘めた親切心みたいなものがあるのかなと感じました。
レイさん:日本に初めて来た時、アメリカと大きく異なることと大都市の電車の交通システムに圧倒されました。徐々に文化や人々を知るようになり、異なる文化の良さが分かるようになりました。異なる国での異なる生活様式を学び、理解していくことはとても楽しいです。また、アメリカのミネソタ州とテキサス州に違いがあるように、日本では東京と大阪の人々の間に文化の違いがあることを知りました。地域によって文化が違うことを学ぶのは面白かったです。
今後の進路や計画はありますか?
横山さん:就職活動では、商社やメーカーを探していました。留学中にオンラインで二次選考まで終え、帰国後に最終選考を経て、5月に商社に内定をいただきました!
レイさん:卒業後は、金融分野のインターン先企業でファイナンシャルアドバイザーとして働くことになっています。もしそうでなければ、ファイナンシャルアドバイザーかアナリストの職に就ければいいと思っていました。金融分野で働きたいです。そしてもちろん、将来はガールフレンドと一緒に住んでプロポーズして結婚したいです。
留学を迷っている学生へメッセージをお願いします
横山さん:アメリカに行く前はアメリカが自由の国だと思っていた部分があって、実際留学して、自分の考えとのギャップを学べたので現地に行ってよかったなと思います。辛いこともたくさんあるけど、楽しいことも充実してたくさんあるので、もし迷ってたら是非行ってみるのもいいかなと思います。
レイさん: 日本の学生で留学をしたいと思っている人なら、素晴らしい経験になると思います。少なくとも私の経験では、日本では歓迎され、素晴らしい経験ばかりでした。アメリカに行くなら、同じ経験ができるといいなと思います。特にマンケートでは、人々も寮生活も素晴らしいので絶対におすすめします。
世界の別の場所に目を向かせてくれるものでもあります。そこで生活して、違う文化、違う国、違うもの、毎日違うことを経験する機会にもなります。自分の人生でその経験は間違いなく目を見張るものであり、一生忘れられないものだと思います。世界を見れば見るほど、私たちはみんな同じ人類であり、役割はそれほど違わないということが理解できると思います。世界を見れば見るほど、心が開かれ、さまざまな文化やさまざまな生き方を理解できるようになります。アメリカでなくても、ヨーロッパでも、自分で見るべき素晴らしい文化があると思います。
また、大学卒業後に就職する時、冒険して少し変わったことをしたというのは、いい印象を与えると思います。交換留学をする人は日本では珍しいことだと思うので、就職する時に履歴書に書くと良いと思います。
ぜひ留学の機会をつかむことをおすすめします。