
大学院理工学研究科都市環境学専攻博士課程前期課程2年 笹岡 里衣
(埼玉県立川越女子高校)
6th International Conference on Earthquake Geotechnical Engineering(第6回世界地震地盤工学会議)
2015年11月1日-4日
ニュージーランド空軍博物館(クライストチャーチ・ニュージーランド)
2015年11月にニュージーランドのクライストチャーチで開催された国際会議で液状化現象に関する発表を行いました。指導教授の國生剛治名誉教授にこの話を伺ったのは、2014年9月、何と概要締め切りの前日でした。私は考えるよりも先に「行かせてください」と答えたことを覚えています。クライストチャーチは私のターニングポイントとも言える地です。2011年2月にクライストチャーチはマグニチュード7の地震に襲われ、広範囲で建物の損壊や液状化被害が発生しています。2012年8月、まだ地震の爪跡が残るクライストチャーチに、私は一カ月間滞在しました。当時、興味だけで現地を訪れてしまった私は、何も出来ず無力さを感じていました。しかし、現地の人々は土木専攻の私に向けて「次は土木技術者として来てよ」と言ってくれたのです。これがきっかけで地震工学に興味を抱き、地震工学が御専門の國生先生の下で学ぶことを決心しました。以来、〝世界に通じる研究〟を目標に取り組んでまいりました。
概要を提出してからはデータ整理、論文執筆、発表用資料の作成と、約一年の準備期間もあっと言う間でした。この中でも、論文執筆に最も時間を要しました。辞書やほかの論文を見ながら、六頁の論文を執筆するのに半月ほど掛かってしまいました。それでも、國生先生に添削をお願いすると、下地が見えないほど修正され戻ってきました。今は研究の理解を深める機会だったと思いますが、その時は結果に対する考察の浅さ、語学力の乏しさで、参加表明はしたものの不安でなりませんでした。しかし、度重なる修正を経てようやく完成した論文が受理されると、実感と共に喜びと楽しみに変わっていきました。

セッションの間のティーブレイクで
会期中は貴重な経験の連続でした。キャリアや所属にとらわれずさまざまな場所で意見交換が繰り広げられる風景は、国内の学会とは大きく異なると感じました。私も何人かの研究者と直接話をする機会に恵まれ、とても刺激を受けました。検討課題も見付かり、今
後更に研究を発展させていくための有意義な会議となりました。
末筆となりますが、このような貴重な経験が出来たのも、日頃から多くの御指導を賜っている國生剛治名誉教授、石原研而研究開発機構教授のおかげです。先生方には感謝の言葉もありません。また、中央大学からも多くの支援をいただきました。この場を借りて、皆様に心より御礼申し上げます。