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国際学会への参加を振り返って

2016年03月22日

国際学会への参加を振り返って
 
大学院理工学研究科応用科学専攻博士課程前期課程1年 小高 智子
(東京都立富士高校)
 
 
ISPPCC(21th International Symposium on the Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds)(第21回配位化合物の光化学・光物理国際会議)
2015年7月5日-9日
クラクフ歌劇場(クラクフ・ポーランド)


私は、ポーランドのクラクフで行われた国際学会に参加してきました。国際学会での発表は、大学院での私の目標の一つで、先生から参加の提案をいただいた時はうれしくて仕方がありませんでした。クラクフという町は、中世の町並みをそのまま現在に残す美しい都市で、町を歩いているだけでさまざまなすてきな景色に出会えました。町の人は親切な人ばかりで、バスのチケットの買い方を教えてもらったり、道を教えてもらったりと何度も助けてもらいました。頼りの英語が通じず、身ぶり手ぶりの会話になることもありましたが、そんな経験も海外ならでは。クラクフ滞在も、後半になって慣れてくると、町中でアジア人である私が英語やポーランド語で道などを聞かれることもあり、多様な人種が入り乱れたヨーロッパという土地の人の国際感覚に驚きを感じました。

ヴィエリチカ岩塩鉱での受賞風景

  学会の会場は、クラクフの小さなオペラハウスで、ホールの舞台を使って行われた口頭発表は迫力のあるプレゼンテーションばかりで、中には、発表中にピアノ演奏(演奏の大半は発表に関係がなかった)を始めた教授も。発表スケジュールが押していても決して時間が削られることのないコーヒーブレイクや、皆ビールを片手に持ちながらのポスター発表など、今まで参加した学会とは違った和やかな雰囲気がとても新鮮でした。また、論文でよく目にする、海外で活躍されている教授の講演を生で聞けたり、実際にお話し出来たりと、国際学会ならではの貴重な経験が出来ました。
私はポスター形式で発表を行いました。英語での受け答えがうまく出来なかったこともありましたが、何か言わなければ伝わらないと思い、とにかく知っている単語や、ジェスチャーで言いたいことを表現するよう努力しました。発表前には不安でいっぱいだった90分の発表は瞬く間に過ぎていき、気付いた時には終了の時刻に。私が想像していた以上の多くの方に興味を持っていただけたことを、うれしく思うと同時に、研究活動への意欲が高まりました。また、ここでの発表がきっかけとなり、共同研究をスタートした教授との出会いもありました。
学会の三日目には、参加者ほぼ全員での世界遺産、ヴィエリチカ岩塩鉱への観光ツアーがあり、その岩塩鉱内にあるレストランで懇親会も行われました。そこでポスター賞の受賞者が発表され、受賞者の中に私の名前が。あの時の驚きと感動は一生忘れられないと思います。
今回、国際学会に参加し特に印象に残ったのは、英語を母国語としないどの国の学生も当たり前のように英語を話している姿でした。英語が話せることは特別なことなのではなく、この世界では当たり前のことなのだということを強く実感し、国際的に活躍するのに必要なツールである英語習得への刺激を受けました。
最後に、旅費の一部を援助していただいた中央大学、研究について日々御指導いただいています指導教員の芳賀正明教授、小澤寛晃助教にこの場をお借りして感謝申し上げます。