ダイバーシティセンター

公認心理師 大賀一樹先生による相談対応研修(基礎編・実践編)を受講しました

2022年09月02日

ダイバーシティセンターに関わる教職員が、相談対応の知識を深め、より適切な支援ができるよう、公認心理師の大賀一樹先生による研修を2回(基礎編・実践編)に分けて受講しました。

【講師プロフィール】

大賀一樹
公認心理師、臨床心理士。
・2012年より、厚労省補助金事業「よりそいホットライン」における、「性別や同性愛」に関する公的な相談窓口の現場で6年従事。
・NPO法人「共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク」共同代表理事
・東京都公立学校スクールカウンセラー
・日本女子大学ジェンダー専門カウンセラー
・東京経済大学人権コーディネーター

第1回基礎編

7月28日(木)、基礎編となる初回の研修をオンラインで実施しました。

ダイバーシティセンターに関わる教職員24名がリアルタイムで参加し、当日参加できなかった教職員には録画配信を行いました。

 

初回は、相談対応に関連する知識を中心に基本的な考え方などについて広く学習しました。 

具体的には、ダイバーシティセンターの支援領域と関連して、相談者のメンタルヘルスなど内面だけに注目するのではなく、「差別的社会構造」を意識し、相談者が置かれている環境にも目を向けることの大切さを丁寧に説明くださいました。

さらに、差別の交差性(インターセクショナリティ)や複合的な悩みへの対応など相談者が抱える複雑な背景に関する知識の重要性、外部機関との連携やチームで対応をするためのノウハウなどについて教わり、盛りだくさんの研修会でした。

 

次回の研修(実践編)に繋がるよう、講師への質問をアンケートで募集したところ、たくさんの質問が寄せられました。

届いた質問は、次の研修に振り返りとして活用しました。

第2回実践編

9月1日(木)、実践編となる第2回の研修を実施しました。

今回は、前回の振り返り(質問返し)をした上で、架空の事例検討を含むグループワークを中心に行いました。

グループワーク中心ということで、今回は少人数(10名)の研修になりました。

 

質問返しでは、対応した事例を次に活かすためのシステムづくりや、カミングアウトや合理的配慮に関する考え方などについて解説をいただき、前回の内容をより深めることができたと思います。

 

次にグループワークでは、2つの架空の事例についてワークシートを使いながら、実際にどのように対応するかそれぞれの経験に基づいた意見交換をしました。

ダイバーシティセンターには所属や立場が異なる教職員が数多く関係していることもあり、各々の状況に則した多様な意見が共有されました。

 

参加者からは、「基礎編と実践編の両方あるのがよかった」、「具体的な事例について意見交換することで抽象的で難しく思える内容が腑に落ちた」、「自分の立場を客観視しながら関わること、他の機関への連携も重要なことを再認識した」などのコメントが寄せられ、多くの気づきがあった研修になったと思います。

相談対応のあり方を改めて考えるいい機会になっていれば幸いです。

 

ダイバーシティセンターでは、今後も様々な研修を実施することで、センター運営に関わる教職員が適切な知識と考え方を身につけて業務を進められるよう努めてまいります。

 

*研修中は換気に留意し、マスク着用の徹底、ソーシャルディスタンスをとって行いました