ハンドボール部

ハンドボール部・全日本学生ハンドボール選手権大会1回戦 対関西大

2017年11月05日

11月3日 石川・いしかわ総合スポーツセンター

「俺たちを超えてゆけ」 初戦敗退も4年生「感謝の1年」

 

 試合終了を告げる無情なブザーが鳴り響く。選手たちは静かに天を仰いだ。涙は出なかった。インカレ初戦、西の雄、関西大と対決した中大。「いつものプレー」をさせてもらえないまま、60分が終わった。「もっとやりたかった」と玉榮悠主将(文4)。初戦敗退、この試合をもって、4年生は引退を迎える。

 

▲試合後、肩を落とす選手たち

 

 初戦のプレッシャーか、これまでの実績からの慢心か。前半、中大は6点ビハインドで終えた。「シュートミスから逆速攻で失点」(中野尚・法4)という、リーグ戦でも見られた「負ける形」(実方監督)。エースの北詰明未(商3)は開始早々からマンツーマン。入らぬシュートとエース封じで、チームに動揺が広がった。選手交代、タイムアウトとベンチも選手もあらゆる手を打ったが、流れを変えられず。ハーフタイムには、重い雰囲気が流れた。

 

▲エースとして警戒された北詰

 

 勝負の後半。選手は全力を尽くした。シュートミスが無くならない中、守備でしのぎ、1点ずつ徐々に点差を詰める。守護神、山﨑智之(総3)が相手選手との接触で負傷交代などアクシデントもあったが、交代出場した大西暁斗(法2)も執念のシュートストップ。後半は完全に「中大のワンサイドゲーム」(実方監督)となった。残り3分、2点ビハインド。試合が止まったタイミングで司令塔中野が攻撃陣を集める。「3分しかない。強気で攻めろ」。28分30秒、東立拡(経4)の得点で同点に。守り抜いて逆転したいところだったが、無情にも相手のシュートは中大ゴールに吸い込まれた。残り48秒、決死の猛攻も実らず。天を仰いだ中大セブンは、うつむき気味にコートを後にした。

 

▲「自分たちを超えていってほしい」とコメントを残した中野

 

 「誰が悪いとかじゃない」(中野)。後悔や反省を一通り終え、選手は気丈に前を向く。最後の1秒まで、選手は勝利を信じ戦った。「後輩、同期には感謝しかない」と玉榮主将。「スター選手のいる学年じゃない」(高橋圭亮・商4)からこそ、下級生の力を借りてここまで戦ってきた。春季リーグ戦で大学初ゴールを決めた一般生の森泉拓也(法4)は、同じ一般生の後輩に向け、「チームにいい影響を与える存在であってほしい。入ってきてくれて嬉しかった」と言葉を残す。悔しい結果となったが、駆け抜けた4年間には後悔はない。「良いハンドボール人生でした」(東)。優しさがゆえに伝えられなかった言葉も多かったと玉榮主将は言うが、最後に4年生全員が口をそろえた「感謝」は、後輩へしっかりと届いている。

 

▲1年間主将を務めあげた玉榮主将

 

◆試合結果

中大23(10-16、13-8)24関西大○

※コメントは、後ほど4年生コメント集として更新いたします

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部