アメリカンフットボール部

Cを背負う者番外編・アメリカンフットボール部

2016年10月17日

市森康平(法4)

大学ナンバーワンキッカー目指して

 苦しむチームを幾度となく市森康平(法4=桐光学園)の右足が救ってきた。アメフトにおいて試合の勝敗を左右する重要なキッカーを下級生の頃からスタメンで出場。「どんな状況でも、常に平常心でプレーすることを心掛けている」。と重圧のかかるポジションでもこの強い気持ちが市森の信条だ。

▲フィ―ルドゴールを決める市森

 異色の経歴を持つ。中学時代は学校のサッカー部に所属しながら、クラブチームではラグビーもプレー。ラグビーの名門校からの誘いもあった。しかし、高校進学で選んだ道はサッカー元日本代表で10番を背負った中村俊輔(現横浜Fマリノス)など、多くのスター選手を輩出した名門桐光学園高で国立のピッチに立つことだった。高校3年次には冬の全国選手権で2試合連続得点。準決勝で惜しくも敗れたが、憧れの国立の舞台に立つなど輝かしい成績を残した。そんなサッカーで全国を知る男が新たに進んだ道はアメフトの世界だった。「日本一の景色が見たい」。その理由から入部を決めた。  

▲ハーフタイム中の市森(右)

 サッカーで培ったキックはアメフトでも威力を発揮している。抜群のキック力に加え、正確なコントロール。市森のキックには必ず観客から拍手が沸き起こる。また、監督からの信頼も厚い。中々得点が奪えずにいるときに、「確実にキックで得点を稼げることは何よりも大きな力」だという。あとは、どれだけ確率を上げていくか。市森自身も「成功率は常に100%を目指さないといけない」。この言葉がすべてを物語っている。

 

▲この右足がチームを救っていく

 市森にはぶれない目標がある。「大学ナンバーワンキッカーになる」。最終学年になり、副将として迎えているリーグ戦。未だ勝ち星がない。(第3節現在)だが、どんな時でもこの男は救ってきた。初勝利を飾った日大戦でも安定したキックで9得点。苦しいチーム状態も命運握る市森の右足から放たれる綺麗な放物線が上昇気流に乗せていくだろう。

今年度7月号から本紙紙面で始まった連載「Cを背負う者」。Web版でも番外編として、中大の名を背負っている選手たちを紹介していきます。

写真・記事:「中大スポーツ」新聞部