大学院

【究める vol.172】本間 萌々さん(文学研究科 博士前期課程2年)が教養番組『知の回廊』に出演しました

2026年06月25日

「究める」では、大学院に携わる人々や行事についてご紹介します。


第172回となる今回は、中央大学の教養番組『知の回廊』第170回 「心の性差とシチズンサイエンス」に出演した本間 萌々(ほんま もも)さん(文学研究科 博士前期課程2年)に、ご自身の研究や番組の紹介、研究と社会のつながりについてお話を伺いました。

中央大学では、株式会社JCOMと共同で、教養番組『知の回廊』を制作し、大学の知的財産を社会に還元しています。本間さんが協力・出演した放送は、2026年6月放送の文学部の髙瀨 堅吉(たかせ けんきち)教授が監修を務めた「心の性差とシチズンサイエンス」です。

番組に関する詳細は、こちらからご覧ください。

ご自身の研究内容について教えてください

私は「孤独感」をテーマとして研究活動を行っています。孤独感とは、対人関係における「理想」と「現実」ギャップから生じる主観的な感情であり、客観的なつながりの欠如を意味する「孤立」とは区別される概念です。これまで私たちは、日本社会における孤独感の経年変化を調査し、孤独感は過去40年間にわたり上昇傾向にあることを明らかにしました。この結果は、孤独感解消に向けたさらなる科学的研究や政策的介入の必要性を裏付けるエビデンスとなります。現在は、孤独感解消に向けた介入方法の開発につながる研究に取り組んでいます。

本番組では、どのようなことをお話しされていますか

番組では、「野菜と果物を食べることで孤独感は解消されるのか」をテーマとした研究をご紹介させていただきました。孤独感上昇の背景には、地縁・血縁の希薄化といった社会環境の変化が想定されます。しかし、こうした社会構造そのものを短期間で変えることは容易ではありません。そこで、私たちは、個人が日常生活で実施可能なセルフケアによって孤独感の解消が可能なのか検証するため、生活習慣の一つである食生活に着目しました。食生活とメンタルヘルスとの関連は数多く報告されていますが、孤独感との関連については十分な科学的知見が蓄積されていません。そこで私たちは、野菜・果物の摂取と孤独感との関係を明らかにすることを目的として研究を開始しました。番組では、研究の実施方法や結果の概要をお話しさせていただきました。

ご自身の研究と社会とのつながりを教えてください

孤独感は、個人の心理的問題にとどまらず、社会で解決するべき公衆衛生上の重要課題として捉えられています。孤独であることは、精神的・身体的健康にさまざまな悪影響を及ぼすことが報告されており、さらには早期死亡率との関連も明らかになっています。そのため、孤独感の予防・解消に向けた有効な介入法の開発は、現代社会における喫緊の課題の一つと言えます。私たちは、こうした社会課題の解決に貢献することを目指し、孤独感への介入方法の開発に向けた研究を進めています。科学的知見を着実に積み重ねることで、「誰もが孤独を抱えない社会の実現」に貢献したいと考えています。