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2026年 日・EUフレンドシップウィーク企画展「食で読み解くEUー27か国の多様性と持続可能な食卓の現在地」が開催されました

「食で読み解くEUー27か国の多様性と持続可能な食卓の現在地」

2026年5月28日(木)から6月16日(火)まで、多摩キャンパス中央大学図書館2階展示スペースにおいて、EU情報センター(国際機関資料室)主催による企画展示「食で読み解くEU―27か国の多様性と持続可能な食卓の現在地」を開催しました。

今年はEU加盟国の「食の多様性」と「食に対する取り組み」に着目し、食を通じた外交の歴史や持続可能性を目指した食料政策、農産物や食料の名称を保護する制度などについて展示がされました。

※EU-Japan Friendship Week 2026
本展示は、5月9日のヨーロッパ・デー(EU創設記念日)を記念して開催される「日・EUフレンドシップウィーク2026『つながろう、ヨーロッパと』」の一環として実施されたものです。同週間は、駐日欧州連合代表部と全国のパートナー機関の協力のもと、日本各地で開催されており、国内18大学に設置されるEU情報センターの一つである本学国際機関資料室も参加しています。

日・EUフレンドシップウィーク企画展
「食で読み解くEUー27か国の多様性と持続可能な食卓の現在地」
  ■日 程:2026年5月28日~2026年6月16日
  ■場 所:多摩キャンパス 中央図書館2F 展示スペース
  ■主 催:中央大学図書館国際機関資料室
  ■後 援:駐日欧州連合代表部

多様性(Diversity)

EU加盟国27か国のレシピカード

図書館の入り口を通ると、まず目に入るのが、EU加盟国27か国の料理を紹介するラウンドテーブルです。各国の代表がおすすめの料理を持ち寄るようにレシピカードがEU理事会議長国のスケジュール順に並べられており、来場者がEUの多様な食文化を視覚的に理解できる演出となっていました。

さらに進むと「美食は最高の外交官」というワードとともに、外交の場において、食がいかに重要な役割を果たしていたかという「ガストロノミー・ディプロマシー(食外交)の歴史について紹介されています。

日本における食外交の例として、2013年の和食のユネスコ無形文化遺産登録が挙げられます。和食は国際的な人気を背景に、日本文化への理解を促すとともに、訪日の動機の一つともなっており、ソフトパワーとしての役割を担っています。

持続可能性(Sustainability)

EU域内では、なぜ環境に配慮した食品が広く流通しているのかという点も、本展示の重要な視点の一つです。

EUでは、人々の生活の質の向上と環境保護を両立させる政策として、「欧州グリーン・ディール(2019年)」が掲げられています。この政策では、2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロ(カーボンニュートラル)とし、経済成長と環境保護の両立を目指しています。さらに欧州委員会(2024年~2029年)の基本方針では、産業競争力やエネルギー安全保障の観点を踏まえ、「クリーン産業ディール」と呼ばれる新たな政策の方向性も示されています。

この流れの中で注目されるのが、「Farm to Fork(農場から食卓へ)」戦略の見直しです。同戦略は、農薬使用の削減や有機農業の拡大などを柱としていましたが、農業分野への影響などを背景に、近年その内容の調整が進められ、「Vision for  Agriculture and food(農業と食料のビジョン)」(2025年公表)に焦点が移行しました。展示では、こうした政策の見直しの背景や経緯が分かりやすく解説されています。

EUの食料政策は、私たちの身近な「食」のあり方にも深く関わっています。
具体的なテーマとして「食品ロス」の現状とその課題・対策が展示で分かりやすく紹介されていました。(展示写真の掲載)

さらに進むと、イタリアやフランス、ギリシャなどの国々のチーズやバター、生ハム、オリーブ、バルサミコ酢といった製品の現物が展示されていました。これらの製品をよく見ると、GIマーク(PDO、PGI)やEUオーガニック認証ラベルを見つけることができます。パッケージに記載されたこれらのマークは、単なるデザインではなく、その製品の品質や歴史など、さまざまな情報を示しています。また、この展示で印象的だったのは、日本でもこのGI(地理的表示)制度が導入されているという点です。

今回の企画では、EU加盟国の代表的な料理と日本の食材のコラボレーションが紹介され、「どの料理を食べてみたい?」と来場者による投票が行われていました。皆さんはどれに投票されたでしょうか。

上位3位をご紹介しましょう。
第1位 ポルトガル産生ハムと夕張メロンのパンケーキ
第2位 ギリシャ産フェタチーズ&イタリア産エキストラ・ヴァージン・オリーブオイルとたたきまぐろのカルパッチョ
第3位 味噌とベルギーチョコレートでコーティングしたドイツ風プレッツェル

駐日ハンガリー大使館が推薦するハンガリーの伝統料理

昨年の日・EUフレンドシップウィークの企画にご協力いただいた駐日ハンガリー大使館作成の資料を用い、「グヤーシュ・スープ」や、「はちみつとトカイワインを使ったフォアグラのソテー」などの伝統料理が紹介されていました。

また、同国大使館参事官(文化部/リスト・ハンガリー文化センター所長)より、今回の展示に向け、特別にハンガリーを代表するケーキの一つであるクレーメシュについての解説が寄せられました。

来場者の感想

EU情報センター(国際機関資料室)がまとめた今回の展示に関するアンケートによると、『食』という身近なテーマを通じてEU諸国の文化を紹介する本展示は、来場者にとって親しみやすく、理解しやすいものであったとの感想が多く聞かれました。

なかでも、ヨーロッパの多様な食文化への発見に関する声が聞かれ、フランスやイタリアといった従来のイメージにとどまらず、東欧を含むさまざまな地域の料理を知ることができた点について、「知らなかった国の文化に触れられて興味深かった」「ヨーロッパのイメージが広がった」といった感想が寄せられました。EU各国の紹介を通して、多様性への気づきを得た来場者が多かったことがうかがわれます。

展示手法に関しても、料理の写真や、チーズ・お酢・生ハムなどの実物展示、図解といった工夫により「視覚的に分かりやすい」「どのような料理かイメージしやすい」といった声が多く見られました。また、投票やクイズといった参加型の企画についても、「楽しみながら学べた」と好評で、来場者の関心を引きつけていました。

加えて、単なる料理紹介にとどまらず、食と外交の関係やGI制度、フードロスといった社会的テーマに触れていた点についても、「新たな学びがあった」「食から国際関係まで理解が広がった」といった声もありました。

関連書籍の展示や閲覧スペースについても、「知的好奇心を刺激された」「興味を持った分野をさらに深く学べる」といった感想が見られ、図書館という空間での開催が来場者の学びの広がりにつながったようです。

国際機関資料室では、展示の一部を引き続き同室内で公開しています。関心のある方は、ぜひお立ち寄りください。

中央大学 国際機関資料室

国際機関資料室1994年、ニューヨークの国連本部付属ダグ・ハマーショルド図書館によって、中央大学に国連寄託図書館が設置されることが決まりました。これを受け、1979年から経済研究所に設置されていたEC資料センター(現EU情報センター)の機能を統合する形で、1995年4月、中央図書館に国際機関資料室が開設されました。

国際機関資料室は、国連やEUの豊富な所蔵資料の公開や展示活動をはじめ、デジタル化に対応したオンライン上の公式資料の検索サポートも行っています。本学学生・研究者はもちろん、広く市民の方々にも国際機関の情報・資料を提供する役割を担っています。2つの役割を兼ね備えた図書館は、全国で8館、首都圏でも本学を含めて3つを数えるのみです。貴重な資料を学修・研究にぜひ役立ててください。