文学部

英語文学文化専攻准教授 木村明日香の単著Performing Widowhood on the Early Modern English Stageが刊行されました

2023年03月09日

英語文学文化専攻教授 木村明日香の単著 Performing Widowhood on the Early Modern English Stage が刊行されました。16世紀後半から17世紀前半にかけてのイギリス・ルネサンスは「イギリス演劇の黄金期」として知られ、シェイクスピアなど多くの劇作家を輩出しましたが、中でも人気を集めたのが寡婦(夫を亡くした女性)のキャラクターです。当時の家父長制社会において、女性は夫や父親に服従することが美徳とされましたが、寡婦はこうした男性支配から解放された自由な女性でした。寡婦の自由は男性権力にとっての脅威とみなされる一方、劇作家たちにとっては想像力を掻き立てる格好の題材となります。

本書では寡婦を、男女というジェンダー、生と死、悲劇と喜劇、貞節と情欲といったさまざまな二項対立のはざまにある境界的な存在として位置づけ、その舞台表象を当時の衣装やアクセサリー、ジェスチャー、俳優の身体、劇場構造や観客層などに注目して論じています。

なお3月はWomen’s History Monthです。これに合わせてDe Gruyter社のHPから第一章Widow’s Costumes and Accessories on the Early Modern Stageを無料で閲覧できます(4月10日迄)。女性史を扱った他の著書も紹介されていますので、ご関心のある方はクリックしてみてください。

木村 明日香 著書紹介ページ