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留学生便り

鈴木里彩
フランス語文学文化専攻/美術史美術館コース3年
栃木県立宇都宮女子高校卒業
パリ大学(ディドロ校)留学中

留学を決めた理由

昔から海外に興味があり、周りにも留学経験を持つ友人が多かったので、自分も留学してみたいと漠然と思っていました。それが確信となった理由は色々あって少し恥ずかしくて教えられないものもあるのですが、そのどれにも共通していることは、不安も楽しみも含めて新しい環境に飛び込んでみよう!という気持ちです。私は今まで何をするにも周囲の環境や出会った人々に大変恵まれてきました。それはとても有難いことですが、一人でもしっかりやっていけるように、安心できる場所から離れて誰も知らないところで頑張ってみようと、今思えばあまり後先考えていなかったのですが、そういう気持ちがかなり大きかったです。

学んでいること

文学・芸術・映画学科で、前期は美学の基礎について学ぶ授業と、19世紀から現代までの芸術作品を分析する授業を履修しています。阿部ゼミの見学班でファッションや現代アートについて議論するうちに20世紀の美術や現代アートに興味を抱き、また、何が美や芸術となるのだろうという疑問も持つようになったので、それらに関連する内容の授業を選びました。加えて、留学生用のフランス語の文法と会話の授業も履修しています。

大変なこと

留学は困難との闘いであり、3ヶ月の間でさえいくつ困難を経験したかもはや忘れてしまうくらいです。特に大変なのは大学の授業です。教授の話すフランス語はノンストップだし情報量も多いしそれなのに板書してくれないし課題多いし‥‥と想像以上の激務ですが、内容は自分が興味のあることなので面白いですし、クラスの子にノートを見せてもらっているので頑張れています。今一番困っていることは、これを書いている数日後にはバスや地下鉄などの公共交通機関がすべてストライキで止まってしまうことです。さすが革命の国フランスだと異文化を肌で感じていますが、東京の電車が何ヶ月も動かなかったらもはや笑えてきますよね。

楽しかったこと

放課後や休日に友達と出かけたり、たまたま入ったお店が素敵だったり、現地の学生証を持っていけば美術館に無料で何回でも入れたりなど、楽しいことはたくさんあります!それからバカンスには行ったことのない国やフランスの地方へ行きました。バカンスでなくとも気軽に国外旅行できるのは、ヨーロッパならではの贅沢だと思います。そのおかげでいろいろな場所の魅力を知ることができ、世界に好きな場所が増えました。留学をしなければ出会えなかったかもしれない人たちや、知らなかったかもしれない魅力に出会えるのが留学の醍醐味だと感じています。

身についたこと

小さなことではありますが、何年か前に旅行で来た時にはお店に入ったり地下鉄に乗るのにも億劫な気持ちがあったのに、今では気になる扉を開けることが増え、お店の人に対して必要最低限の挨拶しかできなかったのが、プラスアルファの会話を楽しめるようになったことが、自分の中での良い変化かなと思っています。友達でも知らない人でも、意思疎通できたり笑い合えた時はとても嬉しいです。それからこれは能力ではありませんが、フランスの自由な空気の中で暮らしていると自分ものびのびと生活している気がします。知らない場所に行ってみたり、正しくない言葉でもいいから伝えてみようとする気持ちはそのおかげなのかもしれません。  大変なことは多いですが、日々小さくても楽しいことはあるし、そんな日がなくてもあとでその分楽しいことや嬉しいことが起こっている気がします。

夜のルーヴル美術館です。夜間開館は昼間よりもはるかに人が少なくて見やすいですし、外観だけでなく館内も明るい時とは違う雰囲気があってわくわくします。

伊藤椋
フランス語文学文化専攻/語学文学文化コース3年
神奈川県立鶴嶺高等学校卒業
トゥールーズ大学ジャン・ジョレス校留学中

長期留学の約半分を経験して

私は2019年の9月から1年間フランスのトゥールーズにあるトゥールーズ ジャン・ジョレス大学に交換留学生として留学しています。まず今回の長期留学を強く希望したきっかけとなった理由の一つが昨年度に行ったフランス短期留学です。私にとって初めての海外であり、毎日の新しい発見、異文化と触れることが非常に新鮮で魅力的でした。しかし、言語の壁にぶつかることも多く自分の語学力の未熟さ、至らなさを痛感しショックも受けました。それから、今後の進路を考える上でも長期留学は自分の探している答えを見つけるいい機会になりうると思い留学を決心しました。

学業面

私は主に他の国の留学生と受ける文法や会話の授業に加え、フランス文学、比較文学といったフランス人が受ける授業を取りました。去年の経験から語学の授業は比較的問題なく順応でき、色々な国の学生と関わるのは非常に楽しく、また他の学生の発言の積極性や日本と大きく異なる側面を垣間見る時は度々驚かされます。しかし、文学の授業に関しては全くの別世界に放り込まれたような印象を抱きました。というのも、私以外はほぼ全員フランス人でもちろん先生も学生もペラペラ話し、板書も読みづらく話も理解できないというまさに四面楚歌の状況でした。授業中に行ったことはいくつかの小説を扱いそれらを比較、考察してテストの際に小論文や口頭で自分の意見を述べるという形でした。幸い授業外で日本語学科のフランス人の友人に助言を頂いたりすることで日が経つにつれ少しずつ授業内容を理解できてきていると感じました。とはいえ、依然として私の知らない言葉、難しい言葉が飛び交う現状は変わりません。しかし、自分の語学力の上達を実感することでモチベーションを保ち、挫折せずに取り組めていると思いました。

生活面

やはり、一度フランスに行ったという経験は大きく日本との文化や習慣の違いはあまり問題にはなりませんでした。しかし、今回は一人暮らしということで必然的に家事、洗濯、自炊など様々なことを強いられます。特に始めの頃、色々な事務手続きなどに追われていた時期はどうしても疎かになってしまい、毎日が疲労困憊で大変でした。休日はフランス人の友人と遊び、11月や年末のバカンスの期間にパリやベルギーに旅行し有意義に時間を過ごしました。
最後に、留学し始めてから数ヶ月が経ちましたが時間が経つのは本当にあっという間で、限られた期間の中で何ができるのか考えながら残りの期間も過ごしていきたいです。