英語文学文化専攻
授業紹介
アメリカの文化(1)(2)
中尾 秀博 教授
「ディズニーは大好きだけど、なんかトランプは嫌い」というあなた!
この授業をヒントにして、好き嫌いを超えた知性を獲得しましょう!
授業のテーマ
アメリカの文化(主にポップカルチャー)を通してアメリカ(人)を知る、アメリカ(人)について考える。そして日本(人)のことを顧みる。盲目的偏愛も脊髄反射的拒否反応も、どちらも知的なふるまいではありません。アメリカ文化の理解を通して知性的な大学生になりましょう。世界に冠たる「自由と平等の民主主義国家」というイメージは虚像かもしれません。「先進国」日本というイメージも…
授業の進め方
毎回、アメリカ文化の具体的な事例や現象を取りあげて、私論的/試論的な話をします。たとえば「スーパーマン」。新聞連載マンガ、ラジオドラマ、舞台劇、テレビドラマ、 アニメーション、そして映画……映像資料などをチェックしながら、「スーパーマン」の歴史的・文化的背景を探り、「バットマン」や「スパイダーマン」など他のスーパーヒーローものと比較。最終的には「アメリカ的」な発想や理想について考える(もはやスーパーマンのコスプレは笑いモノ?)。あるいは「アメリカン・ポップス」。ヒットチャートと社会との関連を、時代の流れをおさらいしながら考える。個々の楽曲・アーティストの特徴と時代をリンクさせると、政治情勢・経済状況・人権問題などのエコーが響いてくる(かもしれない)。ヒット曲誕生のバックコーラスが聴こえてくる(かもしれない)。
受験生へのメッセージ
ふだん時間つぶしに消費するだけのポップカルチャーも、ちょっと立ち止まって、じっくり見つめてみると、なかなかオモシロイ発見があるものです。見過ごしがちな現象の奥底をのぞいて、ドキドキすることがあったら、その仕組みや仕掛けについて考えてみる。これも研究なのです。
イギリス詩(1)(2)
兼武 道子 教授
簡潔な表現の向こうに広い世界が見える
授業のテーマ
イギリスの詩を時代順に読んでいます。前期はルネサンスから18世紀まで、後期はロマン派から20世紀後半までを扱います。広い分野ですが、授業で読むことのできる詩の数は限られているので、皆さんが卒業して社会に出て行くまでに教養としてぜひとも読んでおいてもらいたいと思う作品を精選して取り上げています。
授業の進め方
詩を訳し、語注をつけて精読するのが基本です。詩の理解のために必要な、宗教、文化、歴史的背景も併せて説明します。関連する絵画作品や、言及される土地の風景などの映像もできるだけ取り入れるようにしています。さらに、言葉の表面上の意味から一歩進んで、詩が読む人の心に何を残し、どのような効果をあげているかも味わうことを目指しています。
受験生へのメッセージ
大学入学のために英語をがんばって勉強なさってきたと思います。今度は、英語を使って物を考え、感じ、表現する人たちのことを知ってみませんか?楽しいですよ。詩を読む行為とは、言葉を介して、その作品を書いた人の精神を垣間見ることです。母語も時代も文化的背景も違う人たちの言葉が私達の心に響いた時の面白さは、かけがえのないものです。
英語学概説(1)(2)
松井 智子 教授
もし私たちの世界に言葉がなかったらどうなるか、想像してみてください。言葉は、私たちの思考、知性、創造性、文化、社会、教育、人間関係、心の健康など、多岐にわたる人間性を支えるものです。
授業のテーマ
私たちがどのように言語を習得するのか、またどのようにして言語を使ってコミュニケーションができるようになるのか、などのテーマについて学んでいきます。このような学びを通して、言語を入り口として人間の本質について考えることができるようになります。
言語を科学的に研究する現代言語学の枠組を用いて、英語と日本語を例としながら、人間の言語能力はどのようなものか、検討していきます。また私たちが生後、最初に習得する言語(第一言語あるいは母語)と、二番目(第二言語)、三番目(第三言語)に習得する言語とでは、習得や使用のプロセスが異なります。どのように異なるのか、またなぜ異なるのかなどの問題を考えていきます。この授業は、講義形式で進めますが、受講生からの質問も歓迎します。
受験生へのメッセージ
これまで英語の勉強に取り組んできて、大学でさらにレベルアップしたいという方は多いと思います。英語文学文化専攻に来る学生さんからは、中学校や高校の英語の先生がとても良い先生だったという声がたくさん聞かれます。この専攻で英語学を学んで、英語の先生になった卒業生もたくさんいます。ぜひ皆さんも英語学を勉強して、言葉の専門家となってください。