フランス語文学文化専攻
ゼミ紹介
ゼミナールの授業内容と卒業論文の主な指導分野
安達 孝信(あだち・たかのぶ) 語学文学文化専門演習
授業内容
本ゼミでは、文学理論を学び、それを用いて文学作品を読解する技術を身につけていきます。2026年度は物語論、精神分析批評、テーマ批評、ジェンダー批評、生成論といった各種の文学理論を、土田知則・青柳悦子・伊藤直哉『現代文学理論 テクスト・読み・世界』から学びながら、それを用いて19世紀の小説、特にエミール・ゾラ『居酒屋』(1877)を読解・分析していきます。本作はゾラが自然主義を打ち出し、爆発的な成功を収めた記念碑的作品ですが、一読しただけではパリの労働者階級の貧困とアルコール中毒を描いたあまり冴えない物語と感じられるかもしれません。なぜ卑近なテーマを扱ったこの作品が、19世紀を代表する傑作のひとつとなったのでしょうか。本ゼミを通して、その「小説の詩学」を学んでいきます。小説作品について普遍的に通用する読解の手法を会得することで、みなさんが卒業論文で自由に研究するための土台を作っていきたいと思います。
授業の進め方としてはまず文学理論の項目ごとに担当者を割り振り、それらを解説できるように準備してもらいます。その上で、ゾラ『居酒屋』の精読を行なっていきます。あらかじめ日本語訳を通読した上で授業に臨んでください。文学理論を用いて分析しやすそうな箇所を選択し、一年間かけて『居酒屋』フランス語の原文を読書会形式で読み切ります。訳読の担当者は、訳文を作成するだけでなく、文法事項についても参加者に説明できるように準備してください。また読解の過程で気になったこと、分からなかったことについて、さまざまな版の注に当たるなどして十分に調べあげることが求められます。担当者以外は、訳文についての質問、別の解釈の提示、さらには文学理論などを用いた分析など、毎回何らかの発言をすることが求められます。
主な指導分野
私の専門は19世紀自然主義文学、特にエミール・ゾラとユイスマンスです。小説だけでなく、自然主義作家たちによる印象派美術批評なども研究範囲です。また現代文学についても関心があり、これまでミシェル・ウエルベックやアブデラ・タイアについての研究も行ってきました。フランス語で書かれた小説を対象に研究したいという学生を歓迎します。
阿部 成樹(あべ・しげき) 美術史美術館専門演習
授業内容
この授業ではおもにフランス美術史を取り上げて、議論と発表、見学を通じてさまざまなテーマについて考え、学びます。
進め方としては、教員が提示する全体テーマ(2026年度は、「美術と旅」)からいくつかのサブテーマを引き出し、研究班を作ってそれを掘り下げていきます。テーマは、私たちが生きる社会と関連のある、身近な関心を持てるテーマを設定します。
各班の研究は、ディスカッションを通じて考察を深め、方向性を決めながら、文献や作品にあたって進めていきます。前期末には、そこまでの成果をゼミで報告して、後期の見通しを発表します。
後期は、テーマに関連する美術館見学を行います。美術館という場と実際の作品に触れることで、さらに目を開かれていきます。
並行して4年次には卒業研究を行います。専門文献を読み、ときには他大学や美術館を訪ね、卒論を執筆します。ゼミで構想発表、中間発表を行い、教員やゼミ生からコメントをもらって自分では気づかなかった視点を取り入れていきます。卒論のテーマは、広く美術史の各時代、地域から教員と相談しながら選びます。
上記の全てについて、もちろん担当教員がアシストします。
美術史の奥深さと美術館のアクチュアルな課題についての専門的な知識をつけるとともに、自らテーマを決める積極性と企画力、議論を通じてそれを進めるコミュニケーション能力、面白さを伝えるためのプレゼンテーション能力の獲得も目指しているゼミです。
主な指導分野
フランス近代を中心とする西洋美術史です。また日本近代美術は西洋美術と深い関わりがあるので、そうした観点から指導することもできます。建築、写真、デザインなどをテーマとする卒論指導も行います。
詳しくは、ゼミ紹介のページをご覧ください。
泉 美知子(いずみ・みちこ) 美術史美術館専門演習
授業内容
ゼミでは、フランスを中心とした西洋美術の歴史、美術館や文化遺産の歴史と今日のあり方を学びます。
ゼミの活動は、①展覧会の見学をもとにしたグループ・ワークと発表、②卒論のための個人発表が中心です。
前期は2~3回の展覧会見学を行います。見学先は教員ではなく、ゼミ生が案を出し合って決めます。展覧会を見学する際には必ず事前学習を行い、企画意図や出品作品、必要な専門知識を把握します。そして見学後は、教員の指示に従って、グループ・ワークと発表を行います。発表準備では図録を参照しながら、担当する作品の考察を深めます。このように事前学習、見学、事後学習の三段階を踏むことで、作品の観察と、その言語化をじっくり学んで身につけるというのが、このゼミの特徴です。
上記の活動と並行して、3年生から卒業論文の指導を始めます。教員との面談で、学生の興味の範囲を聞いたうえで、参考文献を紹介します。そして、授業での個人発表を通して、テーマの方向性や、論文構成などを指導します。
その他のゼミ活動として、4~5月の懇親会、夏合宿あるいは夏旅行があります。前期はグループ・ワークが中心となるので、懇親会は3~4年生の親睦を深めることが目的です。夏の企画は、教員のスケジュールや学生の意向によって決まります。夏旅行は1泊2日で地方の美術館を訪問します。夏合宿では、参加者全員が発表し、ひとりひとりの研究テーマをみんなで共有しつつ、ディスカッションを通して、卒業論文のレベルアップを目指します。
詳しい活動については、ゼミブログをご覧ください。
主な指導分野
忘れ去られ価値がないものと思われていた作品が、どういう風に再発見され、どういう文脈で再評価され、美術館や文化財保護という制度のもとでどのように保存されてきたのかについて興味があります。具体的な例で言うと、2019年にパリのノートル=ダム大聖堂が火災に見舞われましたが、フランスが19世紀以降この大聖堂を大切に見守ってきた歴史が、研究対象です。
指導分野については、➀フランスを中心とした西洋美術(作家研究、作品研究)、➁歴史的建造物、都市と景観、➂19世紀フランスの美術館(パトロン、コレクション)、展覧会です。
学谷 亮(がくたに・りょう) 語学文学文化専門演習
授業内容
このゼミでは、詩を中心とするフランス近現代文学と日仏交流史を主たる研究テーマとします。2024年度は、「象徴主義」に分類される詩人の韻文作品を中心に取り上げます。フランス文学のなかでも、詩は何となくとっつきにくく感じている人が多いかもしれません。しかし、フランス語をしっかり学んだ皆さんにこそ、詩に親しんでもらいたいと思っています。小説や戯曲と違い、詩はストーリー性が希薄ですが、それだけに単語一つ一つにきわめて大きな負荷がかかります。それに加えて、音節数や脚韻といった音声上の工夫も凝らされています。そのため、フランス詩はフランス語で読んでこそ真の理解に達するのであり、日本語訳で読むのとは体験としての質が決定的に異なるのです。
前期は、皆さんが詩を原文で分析・解釈できるようになるための手ほどきを行います。韻律の規則や辞書の使い方、注釈書や参考文献の調べ方など、習得すべき知識・技術は多くありますが、ワークショップ形式によってできるだけ楽しみながら身につけてもらえるようにしたいと思います。もちろん、これらは詩以外のジャンルについて研究する上でも役立つでしょう。後期は、皆さんによる発表が中心となります。ボードレール、ランボー、マラルメなどいくつかの詩人を選び、韻文詩の分析と解釈を披露していただきます。
なお私は、皆さんの人格と自主性を最大限に尊重して指導にあたるというのが信条です。そのため、このゼミでは一人一人が責任をもって、主体的に活動することが求められます。授業内の課題にせよ、卒論・卒研の執筆にせよ、「教員にすべてお膳立てしてもらいたい」と考える方にはこのゼミは不向きですので、注意してください。自らの頭で思考する意欲をもち、「教員や他のゼミ生と一緒になって新しいことを勉強してみよう」という考えのできる方を心から歓迎します。
主な指導分野
最も得意とするのはフランス近代詩ですが、19世紀後半から20世紀前半にかけてのフランス文学・思想・文化(美術関連を除く)に関するテーマであれば、概ね指導可能です。また、日仏交流の歴史や、フランス文学が日本文学に与えた影響といった、比較文学・比較文化に関するテーマも受け入れます。
詳しくは、語学文学文化コースオリジナルWebサイトの「先生たち」や「卒論・卒業課題」のページをごらんください。
田口 卓臣(たぐち・たくみ) 語学文学文化専門演習
授業内容
私のゼミは「完全グループワーク制」です。扱う対象は、文学、映画、マンガ、音楽、文化・社会現象などさまざまです。ただし、教員が「正解」を押し付けることはありません。「体験というプロセス」の中で獲得したものだけが、本物の知識になる、という考え方に基づいて、各グループで出した答えを最大限、尊重しています。
ゼミでは毎回、共同作業を通したアウトプットをおこなっています。異なる立場の人と一緒に、同じ素材と向き合い、一緒に話し合い、成果物を作り、人前で発表する、という訓練をおこなっています。短い報告文から、長めのレポート、グループ全体での共同発表、レジュメやパワーポイントの作り方など、自分たちの力で発見していくプロセスを重視しています。
ゼミでは毎年、1つのテーマを設定し、さまざまな対象やテーマを扱っています。これまで設定したテーマは、「幸福」「「私」とは何か?」「心と身体」「家族とは何か?」でした。2025年度以降は、しばらく「食文化」に注目しようと考えています。
ゼミでは「1グループ=4~5名」という単位に分かれ、ディスカッションを中心に進めます。毎回、みなさんの自主的な予習が不可欠となります。自分たちでLINEグループを作り、資料を調べ、役割分担やスケジュール管理を自主的に共同で行っていくのです。発表のリハーサルなど、授業時間外での活動も必要となりますが、それによって、ゼミ生同士が仲良くなります。
また毎年、ゼミ出身のOB・OGをお招きし、どういう仕事をしているか、どんな考え方に基づいて進路を決めてきたのか、それが田口ゼミとどんな関係を持っているかについて、お話を伺うイベントをおこなっています。このような活動を通じて、卒業後も続くゼミの先輩・後輩のネットワークができており、ゼミ生のモチベーションにつながっています。OB・OGとのつながりについては、以下のリンクでご確認ください。
田口ゼミ:2025年度OBトーク、この間のゼミの流れ
田口ゼミ:OBトーク、最終回までの授業の流れ (chuo-bun-futsubun-gobun.blogspot.com)
主な指導分野
田口ゼミの卒業論文リストについては、以下をご覧ください。
田口ゼミ:卒論タイトル一覧 (chuo-bun-futsubun-gobun.blogspot.com)
また、語学文学文化コースオリジナルWebサイトの「先生たち」や「卒論・卒業課題」のページも参考にしてください。
Michaël FERRIER (ミカエル・フェリエ) 語学文学文化専門演習
授業内容
テーマ:Langue, littérature et politique chez les écrivains d’expression française
1) 授業概要・内容 : il s’agit d’étudier dans ce cours des écrivains d’expression française d’Europe, d’Afrique, des Caraïbes et de l’Océan indien. Pour chacune de ces zones géographiques, nous lirons des extraits de textes (écrivains du XXe siècle et contemporains), en portant notre attention sur leur extraordinaire fécondité linguistique, leurs ressources poétiques et politiques, et les enjeux dont ils sont porteurs – pour l’écriture et pour la pensée – en ce début de XXIe siècle.
2) 作家 : Amadou HAMPATE BA (Mali), Aimé CESAIRE (Martinique), Edouard GLISSANT et Patrick CHAMOISEAU (Martinique), Kateb YACINE (Algérie),
Abdelkebir KHATIBI (Maroc), Agota KRISTOF (Hongrie), Emil CIORAN (Roumanie), Antonine MAILLET (Canada), Axel GAUVIN (La Réunion)… Le cours fera aussi référence, dans une perspective comparatiste, à des écrivains et à des penseurs japonais (KATÔ Shûichi, 加藤 周一, TAWADA Yôko 多和田 葉子, Mizumura Minae 水村美苗et autres écrivains des « littératures transfrontalières » 越境文学), et proposera des liens vers d’autres arts, en particulier l’art contemporain et le cinéma.
詳しくは、語学文学文化コースオリジナルWebサイトの「先生たち」や「卒論・卒業課題」のページをごらんください。
前之園 望(まえのその・のぞむ) 語学文学文化専門演習
授業内容
私のゼミでは20世紀前半に世界規模で展開された芸術運動であるシュルレアリスム運動を主な研究対象とします。シュルレアリスム運動は文学・美術それぞれの領域を交差するように発展しましたが、私のゼミでは主に文学的側面からのアプローチを行います。シュルレアリスムとは絶対的な「自由」を求める運動です。知らぬ間に私たちの生活を支配し、いつしか当たり前となった「制度的なもの」の姿を暴き、それにゆさぶりをかけ、そこから「自由」になろうと、シュルレアリスト達は徹底的にもがき続けました。皆さんには、このゼミを通して、「制度的なもの」に対して敏感に反応できる、しなやかな感受性を身に着けてもらえたら、と願っています。
2024年度からは、アンドレ・ブルトンの散文作品『狂気の愛』(1937)の熟読を行っています。「痙攣的な美」「客観的偶然」「客観的ユーモア」といったシュルレアリスム独自の世界観を、作品の読解を通じて掘り下げます。教室ではグループディスカッションと発表が中心になります。謎の多い作品ですので、履修生同士でお互いにアウトプットし合い、毎回頭の整理をする時間を設けます。
その一方で、学術論文の探し方・読みかた・書き方、パワーポイントによる資料(動画)作成方法の基本も紹介します。履修生には、その知識を使って、任意のフランス文学作品の研究論文を紹介する「論文紹介動画」、フランス文学作品の楽しみ方を紹介する「フランス文学作品紹介動画」を作成してもらいます。また、夏休みに日本国内でできるフランス文化(につながるような)体験をしてもらい、後期に「フランス文化体験報告」をしてもらいます。
主な指導分野
私の専門はアンドレ・ブルトンの詩学です。19 世紀以降のフランス詩、20 世紀前半にフランスで展開された前衛運動諸派の文芸作品について指導が可能ですが、その他のテーマについても相談に応じます。卒業論文を執筆する学生を歓迎します。
詳しくは、語学文学文化コースオリジナルWebサイトの「先生たち」や「卒論・卒業課題」のページをごらんください。





