フランス語文学文化専攻
卒業論文
卒業論文と卒業課題研究
「卒業論文」「卒業課題研究」は、4年間の大学生活の総決算として、また自らが選んだテーマについての本格的な研究という意味で、人生の中でもきわめて有意義な体験の一つだと思います。これらはいずれも、指導教員との一対一の指導のもとに進められることになります。専任教員はそれぞれ3,4年生各10~15名の学生を受け持ちます。
卒業するには、「卒業論文」「卒業課題研究」いずれかを選んで履修しなければなりません。3年次で全員が履修する専門演習(1)は、4年次の専門演習(2)に引き継がれ、最終的には各自の「卒業論文」「卒業課題研究」へとつながっていく大事な科目です。原則的には、3、4年次で同じ教員の専門演習(ゼミ)に所属しますが、3年から4年になる時に、しかるべき理由があれば所属の変更は可能です。
卒論のテーマは、3年次後半から考え始めることになるでしょう。4年次で「卒業論文」または「卒業課題研究」の執筆・作成を行いますが、多くの人にとっては就職活動とうまく両立させる必要があります。そのこと自体が物事を計画的に進める力をつけることにつながります。
語学文学文化コースでは、フランス語、フランス文学、フランス文化について、広く自由にテーマを設定できます。フランス語と日本語の比較、フランス語圏の作家の作品研究や作家研究、さらにはフランスの結婚観、育児観の研究から、スポーツ、音楽、化粧品に関する研究まで、多種多様な論文が提出されます。論文は日本語とフランス語のどちらで執筆することも可能です。「卒業論文」に取り組むか、「卒業課題研究」に取り組むかは、学生が主体的に決定します。
美術史美術館コースでは卒業論文の履修を原則とし、テーマは美術史または美術館から指導教員とともに選びます。なお広い意味の美術史には絵画や彫刻以外に、デザイン(工芸品や家具、ポスター、舞台美術など)、ファッション、建築、都市計画などさまざまな分野が含まれます。
卒業論文のテーマ(例)
阿部ゼミ (美術史美術館コース)
- セザンヌの受容 ─批判的視点の諸相─
- コルセットを中心にみる女性の 服飾造形について ─美意識の変遷に着目して─
- 戦時下の小早川秋聲 ─日本画の可能性─
- 藤田嗣治の描く猫 ─移り変わる猫の役割─
- ルドンの描く自然 ─ドムシー男爵城館の食堂壁画から─
- ルノワールと 18 世紀 ─理想を追い求めた画家─
- 古典主義と近代性のはざまで ─コローの風景画について─
- マイヨールの造形とデッサン ─同時代彫刻家との比較を中心に─
- ギュスターヴ・モロー《オルフェウス》 ─図像の変遷にみる幻想世界─
- 西洋美術におけるエロティシズム ─ジョルジュ・バタイユの視点から─
- ギュスターヴ・カイユボット ─その表現様式と主題選択について─
- 建築空間における「光」の希求 ─ペレ、ライト、レーモンドの作品から─
- フェルメール《窓辺で手紙を読む女》における 主題性について
- 《ヴァージナルの前に座る女》における「取り 持ち女」の表象 ─作風の変化とその意義─
- 美術と身体の関係性 ─障害との向き合い方から考える─
- ポップアートの芸術性
- アルヴァ・アアルトと近代建築 ─空間と窓に着目して─
- 王立絵画彫刻アカデミーと芸術家の自由
- ジャン=レオン・ジェローム 《ピュグマリオンとガラテア》 ─裸体表象と仮面について─
- ポール・シニャックの海景画 ─現実と非現実のあわい─
- ジェームズ・マクニール・ホイッスラーから見るジャポニスムの受容─スタイルの確立とジャポニスムの関係性─
- アルフォンス・ミュシャ ─《スラヴ叙事詩》における舞台的表現とナショナリズム─
- 視線と好奇心 ─ベルト・モリゾと印象派の交流を中心に─
- アンリ・ルソーとピカソ ─プリミティヴィスムの視点から─
- ブーダンとモネの海景画 ─その制作背景を踏まえて─
- ゴッホと夜空 ─色彩を巡って─
- 美術と産業化 ─点描を用いたスーラの「かたち」の思考─
- ターナーの世界観 ─フランスにおけるピトレスクと比較して─
泉ゼミ (美術史美術館コース)
- ココ・シャネルのモノクロームとデザイン ─リトルブラックドレスの考察を通して─
- エドワード・ホッパーが描いたニューヨーク ─〈映画的〉表現と〈アメリカ的〉主題─
- ユベール・ロベールの廃墟と人物 ─18 世紀後半の感性と時間の表現─
- カミーユ・コローの風景画 ─構図と色彩の革新性─
- シャルダンにおける静物画の革新 ─《エイ》から読み解く技法と空間表現─
- シャヴァンヌが 20 世紀初頭に残した造形表現 ─ピカソの「青の時代」に与えた影響から─
小野ゼミ (語学文学文化コース)
- 少子化対策の課題と行方ーフランスの事例を踏まえて
- 既存住宅市場の活性化と空き家活用
- フランス演劇における娼婦が示すものー娼婦が登場することの意義の考察
- なぜフランス料理にワインが欠かせないのか ―フランスの歴史から辿るワインと食文化の繋がり―
- 『赤と黒』における ジュリアン・ソレルの悲劇的な運命
- サッカー日本代表W杯優勝へ ―フランスサッカーから学ぶ日本サッカーの明るい未来―
- フランスの移民の現状
- フランスと比較した上での日本の 食料自給率低迷における考察
- 記憶の承認がもたらすもの―フランスとアルジェリアの記憶の研究から―
- 金銭と貴族社会についてバルザックはどう考えているか
- 『サンソン回想録』における言語ニ ュアンス及び翻訳の違い
- ブルターニュ地方の信仰と民話
田口ゼミ (語学文学文化コース)
- 独仏ペット先進国から学ぶ、 殺処分ゼロを目指す日本の未来
- フランス語圏アフリカ文学の社会的役割 ―「抗い」の文学としての機能
- 『悲しみよこんにちは』におけるセシルの葛藤と愛の存在
- ジュール・ミシュレの歴史叙述とそのスタイル ―『フランス革命史』における「フランス」の人格化と革命空間へのいざない―
- フランスにおける日本サブカルチャーの受容とメディアミックス作品の海外進出に見られる課題
- アルベール・カミュにおける不条理と抗い
- モースの『贈与論』からみた「与える」行為に伴う義務とそのいびつさ
- フランスの結婚制度の変遷には、何が影響を与えていたのか
- フランスと日本における造園技師の育成モデルの比較と考察
- ガストン・バシュラールの思想体系 ─その方法論における相補的な関係─
- ファッション観はどのように生まれ育つのかー日仏比較を通じて
- マルキ・ド・サドにおける「我慢しないこと」と「幸せ」の関係性
- 教育は芸術のために何ができるのか ―日仏における芸術と教育の関係性―
- 『星の王子さま』と著者サン=テグジュペリの人生
- 宝塚歌劇団が演劇作品に与える影響
フェリエゼミ (語学文学文化コース)
- La relation entre les écrivains chrétiens japonais et la littérature et la culture françaises : l’exemple de Shûsaku Endô.
- Quelles sont les caractéristiques de la musique française du point de vue d’Erik Satie ?
- L’état de l’agroenvironnement au Japon et la transformation agroécologique de la France.
- Les différences entre la France et le Japon « Choses que j’ai trouvées à Paris ».
- La consommation culturelle du Japon en France - Popularité des mangas et des animés japonais
- Une comparaison entre la vie étudiante française et la vie étudiante japonaise.
- Comparaison entre les formes de couple en France et au Japon.
- La pièce montée en France et au Japon : pourquoi ne peut-on pas voir de pièce montée au Japon ?
前之園ゼミ (語学文学文化コース)
- なんか論 ―シュルレアリスムで捉える自分
- 香りは自伝的記憶をたどる ―「香り」の可能性
- フランスのヒップホップアーティストたちが描く社会の断面 ―フランス語ラップの影響と広がり
- フランスと日本のスポーツ振興政策 ―スポーツ大国と呼ばれる理由
- スペクタクルの魅力 ―未熟な演者に機能はあるか
- ジダンの成功の要因 ―ボールの魔法使いの物語
- フランス文学とバレエ ―『眠れる森の美女』
- 思考の器としての言語 ―フランス語と日本語の特性を通して
- メイクに対する意識における日仏比較研究
- ペロー童話から読み解く生きる知恵 ―現代社会にも役立つ教訓
- 日本国内における起業率向上への検討 ―手間・教育・不安―
- ミシェル・ド・セルトー『ルーダンの憑依』 ―魔女裁判の演劇性と宗教の道具化
- フランス人らしさは、フランス流育児から生まれる ―フランス流の育児による社会的自立と現代女性の社会進出による制度の構築、および、日本との比較
- ダフト・パンクからみるハウスミュージックの魅力 ―人は何故クラブで踊り続けるのか―