学部・大学院・専門職大学院

在学生便り

ドイツ語文学文化専攻の日々
文学部学外活動応援奨学金による活動
4年間を振り返って

コロナ禍の中で出会った学問の世界/宇田川恵

私は2020年度に入学したので、1年生の初めからコロナ禍の中にあり、オンライン授業が当たり前の学生生活を送ってきました。サークルなど学外活動に参加し始めるのも遅くなってしまったため交友関係も中々広がらず、留学にも行きそびれ、不足を感じることの多い2年間でしたが、それはそれで1つの学生生活の在り方だとも思えるのは、ドイツ語文学文化専攻で質の高い学問に触れることが出来ているからなのではないかと思います。

質が高いと言うと抽象的ですが、具体的に言うと、私は独文専攻で学び始めたことで学問の世界が如何に広いのか、そして如何に深いのかを感じることが出来たということです。大学に入るまでの勉強においては必ず正解があり、それを超えるものは無かったため、私は何処か窮屈さを感じていたような気がします。しかし大学で出会った学問の世界においては、知識はどこまでも広がり、知識についての考えはどこまでも深く、自分がどんなに掘り下げたとしても既にその分野についてはずっと深く掘られています。具体的には、独文専攻の授業を受けて、各分野のマニアックとも思えるほどの深さと視点の多様性に驚かされましたし、細分化された視点の1つをとっても、古代の文明から現代の若者のカルチャーにまで話が及んでいく広がりの度合いも衝撃的でした。そのため、大学に入って、如何に自分が未熟で小さいかを知りました。しかし大学は知らないことを知っていく場所なのであるから、それは当たり前に経験する事であり、独文専攻はこの「何も知らない私」を受け止めてくれる場所であると感じています。

ドイツ語の授業でドイツ人の先生に質問すると、先生はよく„Das ist eine gute Frage.“「良い質問ですね」と仰ってくださいます。それはドイツ語では慣例化された表現なのかもしれません。しかし日本人の先生方も含め独文専攻では、„Das ist eine gute Frage.“の姿勢で、学生の問いを受け入れてくださるように感じています。学生である私のレポートは広い学問の世界においてはとても拙いものであり、毎回物足りなさを感じますが、それ以上にどうすれば良いのかも分からず提出に至ります。ですがこの独文専攻の雰囲気のためか、あまり恥ずかしいとは感じず、こうして今の自分が出せる力を出して成長していけば良いのではないかと思っています。このように、独文専攻の導きにより学問の世界の入り口に立つことが出来たからこそ、私はコロナ禍を理由にこの学生生活を否定したくないのかもしれません。

ドイツ語文学文化専攻2年 宇田川恵(2021)

恵まれた学習環境/濵口莉花

独文というと、ドイツ語の学習を思い浮かべる方が多いと思います。進学に当たっては不安を覚える方もいらっしゃるかもしれません。私もそのうちの一人でしたが、授業を通じて克服することができました。日本語母語話者とドイツ語母語話者の先生方の授業があり、「読む・聞く・書く・話す」の四つの技能が満遍なく備わります。文法事項など小さな点でも親切に質問に答えてくださり、わからないことや苦手なことを一つ一つ減らしていくことができました。

少人数で、学生・教員間の距離が近いことがドイツ語文学文化専攻の大きな特長であり、濃密な授業を受けることができます。課題は決して簡単ではありませんが、レポートやプレゼン作成の際には、学生一人ひとりに時間をかけて丁寧に向き合い、指導してくださります。文学・言語学・歴史学などがあり、それぞれの分野によってアプローチが異なるということも難しさの一つです。しかし、プロのご指導を受けながら、学生が吸収し、成果を発揮できるよう試行錯誤することは、大学で学ぶことの醍醐味です。そして確かに自身の力となって活きてくると実感しています。

学生同士もまた深いかかわりを持っています。独文の学生が大半を占める第二ドイツ語学会の部会員は特に仲がよく、あたたかで素敵な方ばかりです。夏合宿、クリスマスパーティーといった大きな行事だけでなく、日ごろから多くの時間を共に過ごします。先輩方には、入学時から大変お世話になっています。教材や本を薦めてくださったり、難しい論文を一緒に読んでいただいたり、大学院のコロキウムの見学へ誘ってくださったりすることもありました。新たな経験によって勉強に対する関心が一層高まりました。

独文での学生生活の折り返し地点に立った今、この素晴らしい環境に感謝し、さらに学びを深めたいと強く望んでいます。これからは私自身も、同期や後輩の仲間と今まで得た経験を共有することで、少しでも役に立てれば嬉しいです。独文で養った力、出会うことのできた素敵な仲間は、生涯においてきっと大切な宝物となるに違いありません。

ドイツ語文学文化専攻2年 濵口莉花(2019)

人生の分岐点/千葉華音留

ある出会いが私の人生を大きく変えたと確信している。誰の人生にも大きな分岐点があるだろう。私にとっての分岐点はドイツ語に出会ったことだ。ドイツ語に出会ったことで、私の人生は思わぬ方向に導かれたのである。元々はドイツの歴史に興味があり、またヨーロッパへの強い憧れもあったことから中央大学のドイツ語文学文化専攻を選択した。ここで私は初めてドイツ語を学んだ。言語自体の素晴らしさに気づいたのもドイツ語に出会ったのが一番の理由ではないだろうか。これまでかれこれ4年間ドイツ語を学んできたのだが、私をここまで動かしたのは、新たな言語で話すことが出来たという感動によるものである。まるで自分の狭かった世界に大きな亀裂が入ったような感覚だ。この感覚は今でも忘れられない。

私は大学2年の頃にある40代の女性と出会った。その女性のお陰で今の自分があるのだと言っても過言ではないだろう。彼女はアメリカに住んでいるドイツ人である。SNSをきっかけに知り合い、そこから毎日のように電話でやり取りをした。彼女は日本語や日本の文化を勉強したいということから私とやり取りをし始めたのである。ここから私は実践的にドイツ語を使うことが出来たのであった。これがきっかけで私のドイツ語に対する感動は更に膨れ上がった。

また2年時にもう一つ運命的な出会いがあった。この出会いにより私のドイツ長期滞在が可能になったのである。ある時、私がドイツに憧れるのと同じように日本への憧れを持つ若者と知り合った。彼は日本へ旅行に来ていたのである。彼とは初めて会ったときからお互いに打ち解けあった。私のドイツへの憧れに強く共感してくれた彼は、彼が実家にいない間に彼の家族の元で生活してみないかという提案をしてくれたのだ。彼はちょうど日本でWorking Holiday Visaを用いて長期滞在をするとのことであった。その結果、私は幸運なことに大学3年時にWorking Holiday Visaを用いてドイツ長期滞在をすることが出来た。

人との出会いは本当に大切である。また人と人とを繋げる言語には強大な力がある。その言語を学ぶことで自分の世界がより大きく広がるのである。私はその世界をもっと広げるために今年の夏から1年間留学をすることを決めた。これも一つの運命なのだろうか。冒頭でも述べたように、我々の人生には分岐点がある。それが良くも悪くも運命なのである。私の人生はこれからどうなるかは勿論まだわからない。ただ一つわかることは、自分の人生にはまだ分岐点があるということと、何が起こってもそれが運命なのだということだ。今できることを大切に生きたい。

ドイツ語文学文化専攻3年 千葉華音留(2017)

小さくて大きい独文の魅力 ―独文合宿2014を企画して―/八木健人

私が身を置く、ドイツ語文学文化専攻は例年、独文合宿と呼ばれる専攻行事が夏に催されます。大学を離れ、学術を基盤としながらもその枠だけにとらわれることのない自由な発想で、アイディアに富んだ様々なテーマのゼミが設けられ、各々が興味のあるゼミへと参加します。2014年度においては、ベートーベンの第九を実際に歌い、その歌詞の解釈に踏み込むゼミ、ドイツの社会問題へと切り込むゼミ、ドイツ語で言葉遊びをし、寸劇を行うゼミなど、ゼミは学生の意見を元に様々なテーマで行われました。このように、独文合宿は楽しみながらドイツへの理解を深める絶好の機会となっています。

専攻行事となる独文合宿は1年生から4年生まで学年を問わず様々な学生が集まり、他専攻の学生も集まる企画です。合宿のプログラムの中には学生企画のパーティーやクイズ大会等も存在し、普段関わることのできない先輩、後輩等、学年の垣根を越えた交流をはかれる機会が多数存在します。さらに、学生はもちろんのこと先生方が熱心に参加して下さるというのも独文合宿の魅力の一つです。学生同士、そして先生方とも同じ宿舎の中で同じ熱量をもって、談笑も交えながら密に接することのできる空間、この距離感における「小ささ」こそ独文合宿、ひいては独文の魅力であると私は感じます。

さらに、その合宿の中で密に繋がれる独文の「小ささ」の中に足を踏み入れると、「大きさ」という部分の魅力に気づくこととなります。参加者全員の距離が近い独文合宿は、参加者全員が合宿の中で顔見知りとなり、ディベートにおいてはより内容の濃いものに、親交においてはより深いものになるのです。そこでは、お互いに近しい距離になれたからこそ可能となる―友人や先輩、後輩そして先生方の新たな一面、知識の深さ、そして意見の多様性、アイディアの豊富さなど―、計り知れない発見があります。この発見と刺激の収穫における「大きさ」は、皆が密に接することのできる独文合宿ならではの魅力であり、最大の魅力であるとも言えます。

「小さくて大きい」 一見矛盾しているかのように見える言葉ではありますが、人と人との距離は近く、密に小さく、知識と発見においては広く深く、無限のように大きい。そんな独文の魅力を端的に表した言葉であると思います。私にとってこの特別で魅力的な環境での経験は、限られた大学生活の中での大切な財産の一つです。

ドイツ語文学文化専攻3年 八木健人(2014)

先輩と後輩を繋ぐ「独文」の力 ―独文クリスマスパーティー―/田部井聖佳

私がドイツ語文学文化専攻(通称:独文)で経験したことは、「ドイツ語文学文化専攻」という名称には収まりません。独文の真の面白さは、まさしく私が経験してきた多くの出来事にあります。

独文では、1年を通して学科内で様々なイベントが行われます。そのほとんどが学生発信です。先輩がイベントを企画して、後輩がそこに加わり、皆でイベントを作り上げていく。独文には、普段関わることのない先輩と後輩の関わりを増やすための機会が溢れています。

私は3年次から多くの独文企画を任され、研究室にも協力して頂きながら全学年を巻き込んだイベントの主催、サポートを行ってきました。その中の一つ、「独文クリスマスパーティー」について紹介します。

独文では毎年12月に学生企画のクリスマスパーティーが行われます。私は2012年度と2013年度の2年間、責任者としてパーティーの企画を行いました。2013年度は先生方の許可を頂いて1年生と2年生の各クラスに自ら赴いて告知を行い、スタッフを募集しました。イベントを作り上げる楽しみを後輩にも感じてもらいながら、普段は「他人」である先輩後輩の垣根を取り払おうと考えたためです。

そこで集まった後輩11名を合わせた12名のスタッフで、当日の出し物や手作り料理、部屋の装飾を全て考えながら、より多くの独文生に集まってもらうために「独文生全員繋がっちゃおう!」くらいの意気込みで全学年の授業やゼミに告知まわりもしました。緊張しながら教室の前に立ち告知する後輩の姿は今でも目に浮かんできます。パーティー当日は各学年から多くの学生、そして先生方に参加して頂いて、初めて先輩と顔を合わせる後輩たちも楽しんでいました。

ドイツ語を勉強する楽しみ、留学するという目標…。独文生はそれぞれが多くの目標を持っていると思います。でもそれだけでなく、独文には先輩から後輩へ、後輩から先輩へのつながり、そして先生方との深いかかわりから生まれる暖かみがあります。その中で上下を繋げる橋渡しになることができたのはとても貴重な経験ですし、独文でしかできなかった経験だと思います。

ドイツ語文学文化専攻4年 田部井聖佳(2013)

自主ゼミ「ドイツと日本の移民政策」を企画して/髙橋諒子

11月にドイツ語文学文化専攻の学生企画として自主ゼミとパーティーを開催したときに、私は3つの自主ゼミのなかのひとつ「ドイツと日本の移民政策」の企画に携わりました。同じ3年生の学生と2人で専門分野ではありませんでしたが、日本とドイツの情報を集め、なるべくわかりやすいようにレジュメにまとめました。現在進行形の問題だったので、最新の情報を集めることが大変でした。

当日は、私たち2人を含め1年生3人、3年生3人、4年生1人、計7人でドイツと日本の移民政策というテーマで自由に意見を出し合いました。移民政策というほどしっかりとしたものが無い日本に比べドイツの方が様々な政策を打ち出しているので、両国の現在をざっと確認した後ドイツの政策を日本に取り入れることに関して話を進めていきました。話は大きく分けて3つです。

1つ目は「移民のイメージと偏見」です。細かい内容に入る前にそもそも移民と聞くとどんなイメージを持つかということから始めました。私たちの中では「移民=マイナスイメージ」という偏見がありました。歴史的・政治的に作られたイメージから一歩踏み出して、移民との「共生」を考えていきたいと思います。

2つ目は「社会統合コースと日本」です。移民にドイツを知ってもらうためのコースである社会統合コースを日本でも導入したいという話です。いきなり国が進めるのは難しいので、まずは地域ごとにそれぞれの地域にあったコースを作るのが現実的だという意見が出ました。

3つ目は「言語」です。ドイツ語の検定には職業に合わせて様々なテストがあるのに対し、日本語の検定は1つだけ。日本語が難しく介護の資格が取れず困っている外国人がいるという話を踏まえ、日本語検定も職業ごと目的ごとに分けるのが良いのではないだろうかという見解に至りました。

ドイツのことだけではなく、日本のことも含めて話し合ったおかげで、どこか遠い場所の話ではなく自分たちにも関わる話であるという意識を持ちながら話を進めることができ、とてもためになったと思います。また学年が違う人たちの集まりでしたが、1年生もしっかり議論に参加してくれて、4年生のフォローもあり充実したゼミになりました。

ドイツ語文学文化専攻3年 髙橋諒子(2013)

気づきの繋がりを辿って体得した「行動する知性」/川崎民恵

分野を超えて様々な観点から、自分の関心事について学びを深めることができるのは、ドイツ語文学文化専攻の特徴です。幅広く多様なテーマに触れていく中、私は1年次に受講した現代ドイツへの知見を深める講義を通して、ドイツの「環境」というテーマに特に興味を惹かれました。2年次以降は、「現代ドイツ事情」では環境先進国としてのドイツ、「ドイツ社会誌」では緑の党の台頭とその意義、「ドイツ文化講義」では環境問題に対する意識や考えを学ぶ機会があり、またコミュニケーションの授業では環境先進都市フライブルクの、観光都市や大学都市としての側面にドイツ語でアプローチすることで、理解を深めていきました。学年が上がるにつれ、「環境」というテーマについての私の関心はますます高まっていき、もっと専門的に学びを深めたいと思うようになりました。しかし卒業研究は、以前から興味のあった歴史教育か舞台演劇について扱うことを考え、既に準備を進めていました。そこで、「環境」については、奨学金を利用して独自に調査することを検討しました。

私が受給した「文学部学外活動応援奨学金」とは、学生が自分で設定したテーマで自由に活動・研究・調査することを目的としたもので、ドイツ語文学文化専攻の先輩方が今まで何人も活用しています。私はエントリーから事前準備、報告書に至るまで、専攻の先生方に大変お世話になりながら進めていきました。調査では「環境教育」「環境に配慮した街づくり」に焦点を当て、ドイツ・フライブルク市と、姉妹都市・愛媛県松山市にて資料収集、体験調査、専門家の方々や関連施設職員の方々へのインタビューを行うことで、日独の環境保全意識の違いを分析・考察しました。実際に現地へ足を運ぶことにより、「環境」というテーマについて研究する具体的な方向性を幾らか定めることができました。さらに、予定していたよりも大変多くの知見を得ることができたため、興味・関心の幅が広がりました。そして何より、一から自分で立てた計画を、意義あるものにしなくてはと自らを奮い立たせ得た経験は、自信にも繋がりました。

大学では一見、関係がないように思われる講義やテーマが、思わぬところで繋がりを持つことも多く、その気づきを見つけることが講義を受ける楽しみにもなります。ドイツ語文学文化専攻では幅広く多様な分野に触れることができるため、自分の興味の対象を増やしていく機会が多く、そして何よりそれを実行に移すことができる環境があります。ドイツ語文学文化専攻での様々な刺激と気づきの日々により、中央大学のユニバーシティー・メッセージである「行動する知性」を体得できた、充実した4年間となりました。

ドイツ語文学文化専攻4年 川崎民恵(2017)

教室を飛び出しフィールドワーク ―学外活動応援奨学金を受給して―/薬袋未夏

文学部には「学外活動応援奨学金」という奨学金があり、テーマや日程、場所などを全て自分で設定して研究活動ができる制度があります。自分がやってみたいと思ったことを実現させていくことが目的なので、専攻分野でもっと深く研究してみたいと思ったことでも、専攻分野とは直接関わらないテーマでも受給が可能です。

私は卒業論文ではナチ時代のドイツ社会の人びとの動きについて扱うと決めていたのですが、同時代の日本の戦時下の生活や人間模様に関心があり、これからを生きる私たちが何を考え、どう行動していくべきかを考えていくために戦争体験者の生の声をお聴きしたいと思いました。そのため、四年生の夏休みに「学外活動応援奨学金」を利用した研究活動を計画しました。今回の活動では特に長崎の被爆者の方にインタビューを行うことにしました。

事前準備ではインタビュー対象者と質問事項を決めるため、原爆に関する資料収集から始めました。その過程で私の知らない「あの日」が見えてきました。二重差別に苦しむ外国人被爆者や、「被爆者」ということを隠して生きてきた人たち。今の世の中からは想像もできないほどの苛酷な日々。今、私たちが平和に暮らしていけるのは、絶望的な状況の中でも、前を向いて生きようとしてくれた先人たちがいてくれたおかげであり、彼らの苦労や怒りや悲しみから平和が生まれてきたのだということが再認識できました。 インタビューでは、「長崎はどのように原爆を受け止め、立ち向かってきたと思いますか。その中で長崎の特色だと思うことは何ですか」、「原爆がもたらしたものについて伝わり切れていないと思うことはありますか」などについてお聞きしました。実際にインタビューをしてみて改めて感じたことは、被爆体験は被爆者の数だけあるということ、そして被爆体験の受け止め方は彼らの社会的帰属に影響を受けているということでした。そして特に印象に残った言葉は「想像力を持ってほしい」という言葉でした。想像力を働かせることで歴史と自分との距離が縮まり、その歴史の問題点や教訓を考えるようになると思います。「もし自分があの時長崎にいたら…」そのような姿勢で原爆問題を考える。その視点をもつことの重要性を考えるようになりました。

私の卒論のテーマは「ナチ時代における抵抗運動」ですが、人が歴史というものをどのように受け止めていくのかという問題は共通であり、卒論では抵抗運動がナチ体制崩壊後のドイツでどのように認識され、その認識がどのように変容してきたかを中心に取り組むことにしました。その意味で、長崎で得たものは卒論を考える際にも役立ちました。

このように奨学金の活動を通して、自分が興味を持っていることについて、それにかかわっている人や抱えている問題がいろいろと見えてくる機会が得られ、高校生までのものごとを覚える学習から、大学生で必要とされる、自ら進んで学んでいくという学問の世界を味わうことができました。

ドイツ語文学文化専攻4年 薬袋未夏(2014)

ドイツ留学/漆原萌

私の大学生活における大きな出来事はドイツへの留学である。私が初めてドイツに渡ったのは大学1年生の春休みであった。とある授業で先生からミュンスターに1ヶ月留学するプログラムがあると紹介された。ミュンスターという街は聞いたこともなく、ドイツ語もできなかったが、ドイツに行きたいという一心ですぐに申し込みをしたことをよく覚えている。同じ学年の友達5人と共にミュンスターで過ごした時間は今まで経験したことがないくらい充実していた。午前中は語学学校の授業を受けて、午後はミュンスターを探索した。ミュンスターは治安が良く、程よい大きさの街であるため大変過ごしやすかった。私のオススメはAaseeと呼ばれる湖である。街の真ん中に位置していて、週末になると川辺でダンスを踊ったりビールを飲んだりと、人々が集まって自由に過ごしているのが非常に印象的であった。滞在中はドイツ人の家族とエクアドル人の留学生が住む家にホームステイした。当時の私のドイツ語能力は大変低く、ドイツ人の家族とドイツ語で会話することは不可能であったため、拙い英語でなんとかコミュニケーションを取っていた。大学でドイツ語を学んでいるにもかかわらず、ドイツ語でコミュニケーションを取れないことがすごく悔しく、ホストマザーにまたドイツに戻ってくるから家に泊めてくれと交渉して帰国した。

そして帰国してから4ヶ月後、大学2年生の8月から約半年間ミュンスターに語学留学した。留学は楽しいものであると勝手に思っていたが、実際は辛いことの方が多い。ドイツ語で自分の満足がいくコミュニケーションを取ることは簡単ではなかった。そんな中でもミュンスター大学のサークルに参加してみたり、アルバイト(ワーキングホリデービザであったため就労が可能であった)をしてみたりした。ミュンスター大学のサークルでは日本語を学びたいドイツ人とドイツ語を学びたい日本人が集まってゲームなどをした。アルバイトではドイツ語が拙すぎてクビを切られるなど、苦い経験もした。そんな経験も含めてやはりドイツの虜になってしまった私は、大学4年生でまたドイツに留学することを決意した。

大学3年生の頃からドイツの色々な大学にメールを送り、なんとかブレーメン大学から留学内諾を貰った。しかしコロナの流行により、留学予定日の2日前に日本からヨーロッパへの渡航が禁止されてしまった。半年遅れでドイツになんとか入国することができたものの、大学の授業は全てオンラインで行われ、スーパーや薬局以外の店は営業していなかった。そのような状況でも友達を作ることができ、毎週末ドイツ人の友達と家で料理をしたり、天気の良い日に散歩をしたりした。

短期留学は友達と一緒に留学し、毎日が新鮮ですごく楽しく、1ヶ月が一瞬で過ぎた。しかし長期留学は、日々の生活をずっとドイツ語で過ごさねばならないうえに、日本の友達や食事が恋しくなってしまい、毎日が楽しかったとは言えない。それでもドイツで経験した全てのことは、今の自分に大きく影響している。

高校から大学へ進学した時に、自分が想像もしていなかったような人々と出会い衝撃を受けた。ドイツへの留学はその何倍もの衝撃が日々絶え間なく続くような感覚であった。たった半年ではあったが、自分の考え方が大きく変わった。自分が頑張りたいと思えるものに出会えたこと、頑張りたいことを頑張れる環境は非常に貴重だと思う。今後も自分のやりたいことに全力で向き合っていきたい。

ドイツ語文学文化専攻5年 漆原萌(2021)

一生成長させていける知識/齊木怜仁

私は、「もし外国語を話すことができたらかっこいい!」という強くも漠然とした気持ちからドイツ語文学文化専攻に入学しました。大学入学まで英語以外の外国語に触れた機会がなかったため、1年次は新しい言語に戸惑ったり、コミュニケーションがうまくいかないことも多くありました。2年次からはドイツ語以外にもより専門的な学習をおこない、少しずつ知識を付けるなかで一番興味を持った演劇学を専攻し、高橋慎也教授のもとでたくさんの学びを得ました。中でも、卒業論文で扱ったフランツ・カフカ原作『審判』のアンドレアス・クリーゲンブルク演出については特別、熱を入れて学んだことが印象に残っています。3、4年次は新型コロナウイルスの影響もあり、オンラインでの授業となりましたが、ゼミ演習を中心として多角的にドイツに関して学ぶことができました。

大学生活の中で何度も思ったことが一つあります。それは、興味のある学問を好きなだけ学ぶことができる環境が整っていることのありがたさです。独文専攻には十分に学ぶことができる施設はもちろんのこと、学生の興味や疑問に全力で答えてくださる教員やともに考えることができる友人など、自分の個性を伸ばしながら学習ができる環境が整っています。もし、高校生に戻ってもう一度、大学を選択することができるとしても、私は中央大学の独文専攻を選択する、と自信を持って言えます。

卒業後は国家公務員として省庁に勤務をすることになっています。海外の方と関わる業務が多くあるので大学での学びは十分に活かしていけると考えています。学んだことを「知っているだけ」で終わらせることなく、実社会で用いていくことができる、これは本当にうれしいことだと思っています。社会に出るという意味ではもう一度、1年生からのスタートとなりますが、大学での学びを社会での経験と絡めながら、さらに成長させていけるようにこれからも精進していきます。

ドイツ語文学文化専攻4年 齊木怜仁(2021)

二度の留学/藤井はづき

五年間の大学生活の中で最も成長できたのはドイツへの二度の留学である。

私は大学三年次に交換留学で初めてベルリンを訪れた。それまでは大学で言語、文化、歴史など多方面からドイツについて学んできたが、直接触れるドイツ語やドイツの文化は自ら行動する楽しさを教えてくれた。特に日本語学科の学生とタンデムを通じてお互いの母語を学び合う機会が多かったことから、「日本語とドイツ語の比較」や「言語学習」に対する興味を抱いた。その為、コロナで留学が中断された後、卒業論文では「日本語とドイツ語の敬意表現の差異」を専門的に研究した。具体的にはアニメの日本語とドイツ語の字幕を言語学の視点から考察し、日本語の敬語がドイツ語ではどのように表現されているかを分析した。また、個人的な活動として日本で働くために来日した外国人に対する日本語学習のボランティアに参加した。そこでは、試行錯誤しつつ、実際に日本語が全く分からない生徒に対して「やさしい日本語」を用いながら教えることを学んだ。このように日本にいながら留学で培った行動力や追求心を活かして活動することができた。

しかし、現地でドイツ語学習や生活をしたいという想いを忘れることができず再度留学に挑んだ。前回の留学では、日本語を勉強している外国人や日本人の留学生と過ごすなど、常に日本語が付きまとう環境にいたことを反省していた。その為、二回目の留学では自らドイツ語だけの環境に身を置くことを意識し、行動した。特にドイツ語のクラスでは積極的に発言することや、休憩時間なども他の生徒とドイツ語で会話することで互いにモチベーションを高めた。また、大学で出会った友人や、タンデムを通じて知り合った友人などとクリスマスや新年などのイベントを共に過ごすことでドイツ特有の文化を学ぶことができた。このように前回の留学と比べ、実際のドイツ生活を味わうことができ、多角的な視点で物事を観察できるようになった。

以上のように、二度の留学は自身の思考や行動にプラスの影響をもたらした。独文で様々な機会を得るチャンスがあったことに感謝している。

ドイツ語文学文化専攻5年 藤井はづき(2021)

4年間の選択と学び/冨田まこ

大学での4年間を振り返ると、初めの2年は語学とそのステップアップに、後の2年は自分の特に学びたいことを選択して深く追求する生活でした。ドイツ語文学文化専攻では多様な学問に触れることができ、それぞれ専門のゼミが存在します。各分野では研究の仕方からレポートの書き方まで大きく違い、ゼミ選択前の2年次に各分野の授業を履修することで向き不向きを知ることができたのは良かったと思います。実際私はドイツの歴史が好きでこの専攻に入りましたが、レポートの書き方などが歴史学とは合わず、より自分に合った演劇学のゼミを選択しました。

私は新しいことを知るのが好きで、大学生活では多くの授業が目新しく大変学びになりましたが、特に物事を多角的な視点で分析することが楽しく、多くの授業で学んだことをゼミ活動や卒業研究に生かすことができました。例えば3年次に履修した倫理や宗教に関する授業では日本における魂の扱いや神とされるものについて学び、それによって演劇学ゼミで扱われた演劇における振付と霊的存在の関連性について日本とドイツの違いを考察することができました。

学習以外の点で得られた学びもあります。ネイティブの先生方は授業で学生が無反応であることを厭うとおっしゃっていたので、楽しく授業が進むためには発言を恐れないことが一番の近道でした。内容が理解できないときはその旨をお伝えすることで、より円滑な授業が望めました。またゼミでのディスカッションや卒業研究指導の教授との面談においても、全力でぶつかれば先輩や友人、教授からアドバイスを多く受けることができました。結果的にそれは卒業研究の精度を大きく向上させるに至りました。ここで得られた積極性はアルバイトなどの日常生活でも役立ちました。

ドイツ語文学文化専攻ではドイツと日本の関係について学ぶ授業があり、両国を比較しながら理解することが可能です。またドイツ語の文法について理解すれば他の欧州言語についても手掛かりになるでしょう。多くのことを積極的に学び、関連付けて習得することで集大成となる卒業論文や卒業研究を納得のいく形に仕上げることや、自分自身を成長させることもできると思います。私は多くを学び、様々なアドバイスをもらうことによって卒業研究を良い形で残せました。皆さんも大学生活をぜひ謳歌してください。

ドイツ語文学文化専攻4年 冨田まこ(2020)

充実した4年間/梶原理史

私は他の多くの学生と同じく、大学に入学するまでドイツ語に触れたことのなかった学生でした。しかしせっかくドイツ語、ドイツ文化を学ぶ機会が増えるのだから、長期の交換留学に挑戦しようと考え、そこに向け学習を始めました。

1・2年次は、留学の目標を達成するためにドイツ語で行われるゼミ形式の授業に積極的に参加しました。また、ドイツ語学習のモチベーションを保つために大学で実施されるドイツ語検定試験(Goethe-Zertifikat)にも取り組みました。一方で大学のジャズビッグバンドでの活動を行うなど、独文以外での学生生活にも力を注ぎました。

3年次の後期からは、念願だったベルリン自由大学というところに長期留学をしました。自分は文学を専攻しているので、特に人文学の分野に力を入れているこの大学を選びました。新型コロナウイルスの影響で、留学を半年で中断して帰国せざるを得ない状況になったのはとても残念でしたが、実際に現地で今まで学習してきたドイツ語を活かせたこと、日本とは異なった環境で生活できたことはとても良い経験となりました。

一口に独文専攻といっても、中大の独文で学べる事は多岐に渡ります。私は結果的には、文学に関心を持ち、卒業論文でもヘルタ・ミュラーの『澱み』における自己と共同体の関係について執筆しましたが、ドイツ文学のみならず、ドイツの歴史や演劇・オペラ、絵画、ドイツ語そのものについても広く学ぶことができ、それぞれで学んだことが自分の研究分野で活きてくることがたくさんあったと思います。また、ゼミ演習などでは多くの学生と意見を交わしながら作品について論じる機会があり、自分にはない新たな視点を得ることが出来ました。

私は卒業後、さらに学びを深めるために中央大学大学院に進学する予定ですが、これまでの充実した大学4年間の学生生活を超えるように励んでいきたいと思います。

ドイツ語文学文化専攻4年 梶原理史(2020)

行動力次第/増田凪紗

新しい言語を学びたいという思いから、私はドイツ語文学文化専攻を進学先に選びました。地元である栃木県・旧石橋町がドイツの地方都市と姉妹都市協定を結んでいたということも、この専攻を選ぶ後押しとなりました。

入学後は、ゼロからドイツ語の学習が始まりました。学びたかったこととはいえ、新しい言語を習得するのは簡単なことではありません。そこで私は少しでもドイツ語を向上させるため、4年間で多くのことにチャレンジしました。ここでは、2つの試みについて書きたいと思います。

試みの1つ目、それはGoethe-Institutによるドイツ語検定試験(Goethe-Zertifikat)を受けることです。私はこの検定試験に1年次と3年次の冬に挑戦し、無事に合格する事ができました。お陰様で、この2つの結果について表彰もしていただきました。試験を受けるのは任意ですが、勉強における中間目標を設定できたという点では受験して正解だったと感じています。

3年次には、ドイツ・テュービンゲンへの短期留学プログラムにも参加しました。これも私にとっては大きなチャレンジの1つでした。留学先は当然ながらほとんど日本語を使えない環境のため、辛く感じることも多々ありました。しかしその分学習への意欲も湧き、留学ならではの経験ができたと満足しています。

こうした活動には、いつも中央大学、ないし独文専攻によるサポートがありました。検定試験に際しては、独文主催の勉強会にも参加させてもらいましたし、短期留学は大学のプログラムを活用させてもらいました。

このように、私たちは支えてくれる体制に恵まれています。あとは自分がチャレンジするかどうか。自分の行動力次第で、4年間の充実度が変わってくるのです。

中央大学のユニバーシティ・メッセージ「行動する知性」に則り、後悔のない大学生活を送っていただければと思います。

ドイツ語文学文化専攻4年 増田凪紗(2019)

言語学と向き合った5年間/澄川遥香

私は大学生活で、留学やドイツ語の資格習得に加え、言語学ゼミでの研究にも力を入れました。言語学の授業で、映画「グッバイ、レーニン!」のセリフから、当時の東ドイツで話されていたドイツ語が、東ドイツの社会情勢を色濃く反映していたことを知り、言語と社会の繋がりに興味を持ったことがきっかけです。

3年次にテュービンゲン大学に留学した際には、ドイツ学科の言語学に関する授業だけではなく、日本学科で行われている言語学の授業にも参加しました。特に、私の発表担当だった論文は、日本の漫画に使われているアイコンを、意味を持つ最小の言語的単位である「形態素」に例えて、少年漫画・少女漫画ごとに現れる傾向を比較したものです。言語以外のものを言語学に当てはめて分析するという、興味深い内容でした。また現地での生活を通して、ドイツ南部で話されている方言「シュヴァーベン語」(Schwäbisch)や隣国のスイスで話されている「スイスドイツ語」(Schweizerdeutsch)に初めて触れ、ドイツ語の言語変種に興味を持ち始めました。

卒業論文では、「標準ドイツ語」(Hochdeutsch)と「スイスドイツ語」(Schweizerdeutsch)の両方を用いている映画 „Heidi“ に興味を持ち、言語変種をテーマに執筆することを決めました。しかし、卒業論文を書くときには、面白いことに、論文を最終的に書き終えるまで、どのような内容に仕上がるのか、本人にもあまり予測がつきません。例えば、言語学分野の場合、作品の分析を進めていくうちに、思いがけないテーマにおいても新しい発見があることから、最終的には、最初に思っていたものと、全く違うものになることもあるのです。

私はセリフを分析していくうちに、作品中に見られる「様々な叱り方」に興味を持ち始めました。ロッテンマイヤーがハイジを叱る際には、軍隊のような命令口調を用いたり、ハイジを犯罪者のように見立てながら極めて厳しく叱るのに対して、雇い主の娘であるクララには叱る場合にも丁寧さを欠かさないという、大きな違いに気付いたからです。そして最終的に、「ドイツ語において、発話の厳しさを調節する、様々な手法を明らかにすること」を研究目的に執筆しました。指導教授である林明子先生が、毎回オフィスアワーで私に徹底的に向き合ってくださり、先生と活発な議論ができたからこそ、細かく分析をすることができました。

最後に、独文の後輩に私が伝えたいことは、「実際にドイツに足を運んでほしい」ということです。「習いたてのドイツ語」で見えてくるドイツは、とても新鮮です。ドイツ語ができるからこそ、他の専攻の学生とは違う世界が見えるはずです。旅行で行くのもよいですが、中央大学では長期留学以外にも、短期留学のプログラムや文学部学外活動応援奨学金など、様々な方法でドイツに行くことができます。是非、その機会を利用して自分の世界を広げてみてください。

ドイツ語文学文化専攻5年 澄川遥香(2018)

4年間で得た自信/菊川美雪

私は、文学だけではなく歴史や言語学など、さまざまな学問を通してドイツ語圏の国々ついて学べることに魅力を感じ、ドイツ語文学文化専攻に入学しました。

実際に授業を受けると、異なる授業の中で同じ作品を取り上げることもあります。学問の分野や視点によって作品の解釈が変わるのは非常に勉強になりました。3年次からは高橋慎也先生のゼミに所属し、主に舞台芸術についての解釈と議論を行っていました。仲間とのディスカッションを通し、情報をインプットとアウトプットする技術が鍛えられました。卒業研究では『魔法少女まどか☆マギカ』というアニメーション作品について取り扱いました。ゲーテの『ファウスト』の一節が引用されて以降、関連性がインターネット上で話題になっていた作品です。研究では引用の妥当性や演出意図に着目し、分析しました。オタク気質なスタッフとファンに支えられている作品なだけに、情報量の多さに圧倒されましたが、ドイツ語圏についてしっかり学んできたからこその立ち位置から、執筆ができたと手応えを感じています。

スポーツについてもしっかりと学習したかった私は、FLP(ファカルティリンケージ・プログラム)内のスポーツ・健康科学プログラムにも所属しました。所属ゼミでは主にスポーツ心理学とスポーツ振興について取り扱っており、私は選手のモチベーションを上げるためのビデオの制作等を担っていました。昨年の箱根駅伝予選会から、陸上競技部長距離ブロックの選手たちに提供するビデオの編集を担当したことは、私の大きな自慢と自信になりました。

この4年間、素敵な学友と先生に恵まれ、好きなものを突き詰める楽しさを味わいながら勉学に励むことができました。私は4月からスポーツトレーナーを目指し進学しますが、大学での経験がなければ決断できないことでした。大学で改めて感じた勉強する楽しさを忘れず、常に上を目指せる人間であれるよう努力したいと思います。

ドイツ語文学文化専攻4年 菊川美雪(2017)

学びの挑戦/小土井楓乃

振り返ってみると、大学での4年間で想像もしていなかった体験がたくさんできたのだなと改めて思います。入学した当時、ドイツ語は全く学んでいなかったので不安に思っていました。ドイツについての知識もあまりなかったので、これから自分がどんなふうに勉強や研究をしていくのか全くわかりませんでした。

ドイツ語文学文化専攻では、とにかくたくさんの、多様な学び方があります。私はドイツについて幅広く学ぶために2つの挑戦をしました。

1つは留学です。私は3年の夏、ドイツのテュービンゲンへの短期留学に参加しました。自分の学力にあったクラスに振り分けられ、そこで様々な国のクラスメイトとドイツ語を勉強しました。午前中は授業、午後はチューターの指導のもと歌や遊びを通してドイツ語を学ぶチュートリアルが行われました。そこで学んだことをその日のうちに街で活かせたのはとても貴重な経験でした。また、夕方や夜にも自由参加のレッスンがあり、好きな時に好きなものを選ぶことができました。その内容はたくさんあり、ドイツ語の討論や文章作成といったものもあれば、ドイツの歌を歌ったりブレッツェル(ドイツのパン)を作るといったものもありました。クラスメイトと川のそばのレストランでドイツのビールや伝統料理を楽しんだことは今でも鮮明に記憶に残っています。

もう1つは、大学院の授業を受けることです。学部生でも、教授の許可があれば大学院の授業を受けることができます。私は言語学のゼミに入っており、もっと深く学びたいと思い挑戦することにしました。また、大学院生のコロキウムにも参加しました。内容は難しくても、問題の解決方法など大変参考になりましたし、発表の方法や質問に対する答え方などゼミでも使えるワザをたくさん得ました。自分の研究テーマについて先生や先輩方に意見を聞くこともできました。

この4年間、とても充実した時間を過ごしました。出会ったすべての人に感謝しています。もし、ドイツに興味がある、ドイツのことを学んでみたいという方がいらっしゃれば、自分にあった学び方がここにはあると思います。ぜひドイツ語文学文化専攻で自分の世界を広げていただきたいと思います。

ドイツ語文学文化専攻4年 小土井楓乃(2017)

自分の課題ファイルを見返して/石川綾音

私はこの専攻に身を置き、興味の趣くままに学ぶことができてとても幸せでした。

独文専攻の魅力の一つに、幅広い分野を学べるという点が挙げられると思います。ドイツ語圏の事柄という大枠の中で、文学、歴史学、現代社会学論、言語学などを学ぶことができます。私は元々小説が好きでドイツ語読解や文学の授業を比較的多く選択してきましたが、歴史や文化にも興味があり、さまざまな授業を受けました。たとえば歴史学そのものについて考えたことは大切な経験でした。また同じ分野の中でも取り扱う内容は多様です。私が4年間に提出した課題を保存したファイルには統一性のないテーマの論文が詰まっています。しかし不思議なことに、それぞれで得た知識や考察したことが予期せずほかのテーマにもつながっていく、ということがしばしばありました。知れば知るほど、たとえそれらが一見関連性のない内容に思えたとしても、物事がよく見えるようになるのだと感じます。三年生までの経験はすべて卒業論文にも活きたと思います。

卒業論文はエーリヒ・ケストナーの児童文学作品四つ(『エーミールと探偵たち』、『点子ちゃんとアントン』、『飛ぶ教室』、『ふたりのロッテ』)と長編小説(『ファービアン』)を研究対象とし、『ケストナー作品における登場人物の家庭外での相互理解関係』という題目で執筆しました。分析のために作品を読む時も、自らの考えを文字に起こす時も、文章や言葉を丁寧に扱うことを心がけました。これは私が二年生になって本格的にドイツ語を日本語に訳し始めた頃から常に気をつけてきたことです。ものを書くことは密かな夢だったので、卒業論文という形を残せたことを嬉しく思います。

独文ではよき友に恵まれました。授業の前後にその内容について、またはまったく別のことについてお喋りしたことは忘れないでしょう。そして素敵な先生方に出会うこともできました。お世話になった先生方の語り口は忘れないでしょう。大切な方々からいただいたものを、私自身もいずれ周りへ返すことができるように生きていきたいと思います。

ドイツ語文学文化専攻4年 石川綾音(2016)

挑戦するということ/本田智子

新しい言語を学びたいという一心で私は地元の九州を離れ、中央大学のドイツ語文学文化専攻にやってきました。入ってみると、毎日ドイツ語と触れ合わない日は無いほど、語学や文学などドイツに関するさまざまな授業が履修に組み込まれていました。最初はなかなかドイツ語に馴染むことができず、授業についていくのに必死で不安を抱えていましたが、次第に慣れ始め、また先生やクラスの友人に何度も助けてもらいました。私は体育連盟のソフトボール女子部に入部しており、他学部や他専攻の人たちとの新しい出会いもありました。午前中と休日はひたすら部活に集中し、午後は授業や勉強に時間を当て、双方を両立させる忙しい毎日を過ごしました。

自分から動いて調べたり、分析をしたりすることに興味を持ち、3年からは言語学のゼミに入りました。卒業論文ではエーリッヒ・ケストナーの『飛ぶ教室』を題材に、テクスト生産者の意図に着目して分析しました。ケストナーの作品は、前書きが非常に特徴的で、本書においては前書きが2つも置かれています。さらに、各章が始まる前ごとに必ず2~3行の文章が「前置き」として書かれていました。「前置き」には、その章に関する語や出来事が、文章としてのまとまりなく並べられています。指示詞、副詞、固有名詞に注目した分析の結果、バラバラであるところに、読者の関心を引き、本編を読ませるというケストナーの意図があると考えました。また、登場人物の固有名詞を「前置き」であげることで、登場人物のうちの特に出番の多い、5人の少年たちの個性や悩み、成長の様子などを、読者に本文で印象づけていることも明らかになりました。

分析においては、ドイツ語の原本からより多くの情報を得るために、日本語の意訳に頼らず、一から自分で訳して分析することに挑戦しました。担当の林明子先生に何度も相談し、ゼミの皆からも多くのアドバイスをもらい、たくさんの人の力を借りて執筆することができました。

卒業後は、国家公務員として東京入国管理局に勤める予定です。大学で開かれる説明会をきっかけに公務員の仕事に興味を持ったのですが、まさか私が外国語を扱う仕事に従事することになるとは入学前には思ってもいませんでした。この4年間は先生方や、友人からたくさんのことを教わり、支えられ、充実した大学生活となりました。新しいことに挑戦するときは、うまくいかず何度も失敗することばかりですが、恐れずに、今後も大学で学んだことを活かして、自分の仕事に責任を持ち、積極的に取り組んでいきたいと思います。

ドイツ語文学文化専攻4年 本田智子(2015)

独文での4年間/溝口萌

「ドイツの歴史や文化を学べる」環境に魅力を感じ本専攻(独文)に入学しました。独文では一からドイツ語を学んだ上で、文化、歴史、社会、文学など様々なテーマについて各専門家から学ぶことができます。特にネイティブによるコミュニケーションの授業は多彩で、ただ話せるようになるだけではなく、ドイツやヨーロッパを知りながら自分の研究をドイツ語で探求できるレベルまで引き上げてくれます。英語ではなくドイツ語でしかアプローチできない物事を知ることができる喜びは、独文での授業を通して学んだものです。

語学力の向上を目的に、2年次の春休みにはヴュルツブルク大学に1ヶ月の短期留学をしました。レベル分けされたクラスでB1に所属した私は、自発的に発言し授業を主体的に作り上げていくハイレベルな世界各国の仲間達に追いつくことに必死でした。留学を通してドイツ語で会話する力、周りに臆さずに発言する力が身に付きました。またシナゴーグや収容所、荘厳な建造物など、ドイツの歴史に実際に触れる機会を持てたことは研究を進めていくうえでも非常に重要でした。

3年次からは現代史が専門の川喜田先生のゼミに所属し、ドイツの歴史と社会について多面的に学び、学年を越えたディスカッションなどを通して切磋琢磨しながら研究を進めてきました。卒業論文では、以前から興味を持っていたホロコーストに焦点を当て、「ラインハルト作戦から考察するホロコーストの近代性」について執筆しました。ナチ体制下の強制収容所と言うと、通常であればアウシュヴィッツについて取り上げるところです。しかし私は、欧米圏の最新の研究を手がかりに、今まであまり注目を浴びてこなかったポーランドユダヤ人を標的としたラインハルト作戦(トレブリンカ収容所ほか)を取り上げ、さらに安楽死作戦とのつながりを考えることで独自の視点から研究することができました。

そして、身につけたドイツ語を活かせる仕事をしたいと考え、スイスに本社を置く会社に就職しました。ビジネスの基本は英語ですが、これから英語だけでなく+αで言語が話せることが自分の将来を広げるファクターになると考えています。独文の誇りとなる社会人を目指してこれから活躍していきたいと思います。

ドイツ語文学文化専攻4年 溝口萌(2014)

独文生としての誇り/八田 誠二郎

僕は、1年生の時から様々な行事に積極的に参加してきました。「独文合宿」、「ドイツウィーク」、「独文クリスマスパーティー」など。それらの行事を通して、教員、先輩、後輩、また他学部でドイツ語を学んでいる学生との人脈が広がりました。しかし、そういう行事を自分が中心となって企画したことはなく、またドイツ語を上手に話せるわけでもなかったので、僕には大学生活でこれといって誇れるものがありませんでした。そういう思いから、長期留学をして自分のドイツ語力に自信をつけ、卒業論文をドイツ語で執筆しようと決意しました。

僕は、2013年の秋学期から2014年の夏学期までドイツのベルリン自由大学に1年間交換留学していました。欧米諸国から来る留学生、アジア人留学生、もちろん日本人留学生と出会い、そして彼らと共に生活することで、自分の視野が大いに広がりました。外国語を学ぶことは自分の世界観を広げることに繋がると感じました。異文化に触れ合うことは、自分と異なる文化圏の人々や彼らの考え方を受け入れるためにはとても大切なことだと思いました。

留学からの帰国後は、留学前に所属していたデトレフス教授のゼミに再び所属したため、ドイツ語を話す場を恒常的にもつことができ、ドイツ語力を維持することができました。ゼミと並行して、デトレフス教授の指導の下で卒業論文の執筆に従事しました。卒業論文 “Vergleich und Analyse der Kriegsbilder von Otto Dix”(オットー・ディクスの戦争画に関する比較分析)では、大都会、売春婦、ブルジョアジーや傷痍軍人などをモチーフとした戦争画と反戦争画を取り上げました。特に傷痍軍人の戦後の社会的地位は、僕が留学中にベルリンで目にした社会的弱者の姿とも重なるようで、今日にも通じる問題としてとても興味深く感じました。卒業論文の執筆にあたっては、長期留学を通して身につけたドイツ語力が功を奏し、ドイツ語で書かれた資料の翻訳や解釈の際に困ることはあまりなく、そこで留学の成果を実感しました。学生生活で、長期留学と卒業論文のドイツ語執筆という目標を達成することができたので、それを誇りに、これからは中央大学の独文の卒業生として胸を張って人生を歩んで行きたいと思います。

ドイツ語文学文化専攻4年 八田誠二郎(2014)

私が4年間で得たもの/篠原沙羅

私はもともとドイツ語を勉強したいと考えていましたが、正直、文学については日本のものもあまり読んだことがありませんでした。そのため不安もありましたが、実際に大学生活が始まるとドイツ語やドイツ文学だけではなく、ドイツ語圏の社会や歴史、言語学といった様々な分野を学ぶことができ、文学についても先生方は学生が興味をもてるような授業を進めてくださいます。

また、私たちの専攻では学生が直接ドイツに行って学べるような機会を設けています。例えば夏のテュービンゲン大学でのサマーコースや春に行なわれるドイツの大学での語学講座、またはDAAD(ドイツ学術交流会)が募っているドイツでの語学研修など、先生方を始め、研究室の室員さんや大学院生の方々が様々なサポートをしてくださいます。私は2年生の春にヴュルツブルク大学での語学講座に参加、3年生の時には前述のDAAD春期語学講座の奨学金への推薦をして頂き、合格。3月にはフライブルク大学の語学研修に参加しました。この2回の語学講座のおかげで、ドイツ語力はぐんと伸び、今ではネイティブの方との会話もできるようになりました。さらにこのドイツでの経験により、自分がやってみたいと思ったことには積極的に挑戦するということができるようになりました。例えば、文学部で募っている学外活動応援奨学金に応募し、通過。ドイツでの調査をすることができました。調査は全て自分でオーガナイズするので大変な面もありましたが、先生方が助けてくださり、成功させることができました。また、私はもっとドイツ語圏のことやドイツ語、特に言語学という分野で研究したいと思い、大学院を受験し合格、進学することにしました。卒業論文もドイツ語で書くことができ、人より特別なことを成し遂げたという達成感も得ることができました。

大学4年間で外国語を習得することはできるのか、と思う方もいるかもしれませんが、現にできたのが私です。また様々な研究分野に触れることができるのもこの独文専攻の強みです。ドイツの言語、文化、社会について学びたいと考えている方がいらっしゃるようでしたら、ぜひ、皆さんの世界を私たちの専攻で広げていただければと思います。

ドイツ語文学文化専攻4年 篠原沙羅(2013)

実り多き4年間を振り返って/田熊彩名

本専攻での4年間は、「ドイツ語と競技ダンスの文舞両道」という目標に沿って、新しい知識や経験を得る機会に恵まれた学生生活であったと思います。

入学当初、ドイツ語はおろかドイツ文化の世界にも初めて足を踏み入れようとしていた私ですが、文法の基礎やコミュニケーションの授業を通してドイツ語の魅力に引き込まれました。日々の授業理解に徹することで着実に実力を鍛え上げられ、1年次の秋にはドイツ語技能検定2級も取得しました。ますますドイツ語に没頭する一方で、美術や演劇、哲学などの授業を受け、豊かなドイツ文化の奥深さを学ぶなど、とても充実した毎日でした。専攻以外では人種差別についての授業(総合政策学部)や、ジェンダー論の授業(共通科目)を履修し、自分の価値観や考え方が変化したことがあります。また、フランス語とスペイン語の履修をきっかけに、「語学を学ぶ」ことが専攻の学びと根底で繋がり、ドイツ語の理解がさらに深まるようになりました。格致日新の感覚がとても新鮮でした。文学部給付奨学金の給付を受けたことによって、学業の成果を形に表すこともできました。

言語学のゼミに所属してからは、発表・質疑応答・ディスカッション・先生のコメントで構成された90分の授業で実学を養ったと思います。準備にも時間を要しましたが、その分実りも多かったです。担当の林明子先生には卒業論文の指導も受け、ポライトネス・ストラテジーをテーマに書き上げることができました。言語事実から精密な分析をし結論を導き出す力が、ゼミ演習や卒業論文の執筆過程を通して磨き上げられたと思います。

学生生活の集大成と呼ぶにふさわしく、4年次12月の第58回全日本学生競技ダンス選手権大会で6位入賞も果たし、「文舞両道」を貫けたことも一つの自信になりました。

素晴らしい先生や一生の友と呼べる人々との出会いに恵まれ、新しい発見と知識に感動しながら教養と経験を身につけた4年間は、一生忘れられません。今後も現状維持は退歩と考え、「行動する知性」を十分に発揮し、中央大学の卒業生として地に足の着いた社会人になりたいと思います。

ドイツ語文学文化専攻4年 田熊彩名(2013)