東洋史学専攻
よくいただくご質問
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東洋史と西洋史の区別がよくわかりません。東洋史学専攻では、何を学べるのですか?
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東洋史学は、「西洋史学・日本史学が扱わない歴史」を扱う学問だということになっています。日本でいう西洋史とは、古代オリエントからギリシア・ローマを経てヨーロッパに至る文明の流れのことです。それをふまえて簡潔にいうと、「イスラーム以前の中東・北アフリカの歴史」とロシア史は西洋史、日本列島の歴史は日本史で、それらを除くアジア・アフリカの歴史はすべて東洋史だと考えておけば、だいたい間違いはありません。
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歴史学を学ぶことが、いったい何の役に立つのでしょうか?
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「いま」ここにあるこの問題は、「なぜ」生まれてきたのか。「いま」ここにあるこの事象は、「なぜ」このようなかたちでここにあるのか。――「いま」が「なぜ」このようになったかを考えるのは、歴史学の役割です。
「いま」を生みだした「なぜ」を説明することは、案外難しいものです。過去のことは目に見えないため、扱いが容易でないからです。わかりやすさだけを重視して安易な説明に飛びつくと、偏見や思いつきで物事を判断することになり、かえって「いま」の抱える諸問題を悪化させかねません。そこで生きるのが、過去の事象を専門的に扱うために生みだされた、歴史学の方法や技術です。現状分析を必要としない分野はほとんどありませんから、現状に至る経緯や原因を説明づける歴史学の手法もまた、日常的に必要なのです。
歴史学は、行動の指針を示すものではありません。が、複数ある指針のうちからよりよいものを選びだすうえでは、現状の背景を理解していなければなりません。その手助けをするものこそ歴史学だ、といえるのではないでしょうか。 -
自分の学びたい分野と、専任教員の研究分野が一致しません。充分な指導を受けられますか?
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学部入学の時点では、心配はいりません。中大東洋史の専任教員は、専門分野に関する理解だけでなく、広い領域・時代をカバーできるだけの視野と実績をもっています。すぐれた講師も大勢お招きしていますので、学部レベルであれば、自分の学びたい分野と完全に同じ専門の教員がいなくても、必ず、満足いく形で勉強できるはずです。
学部卒業後、研究者を目指して大学院に進学する場合は、指導教員の専門との関係が重要になってきますので、まずは専任教員にご相談ください。必要に応じて、適当と思われる国内外の他大学院を紹介することもできます。 -
アジア・アフリカの諸言語を学べるということですが、どのような言語を、どの程度学べますか?
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専攻の科目として開講されているのは、アラビア語・インドネシア語・サンスクリットです。いずれも入門から高度な内容までカバーしています。これらの言語を学ぶことができる大学は、日本ではかなり少数です。ほかに、文学部の科目として、中国語・朝鮮語(初級・上級)もあります。
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高校で世界史探究(または世界史B)を履修する機会がありませんでした。大学の授業についていけるでしょうか?
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1年次必修の講義科目「東洋史概説」は、ユーラシア東方史・中央ユーラシア史・海域世界史・イスラーム地域史の4つに分かれています。ここで東洋史学の扱う範囲の歴史を概観する機会がありますので、これらの授業の内容を参考に、世界史探究(または世界史B)の教科書や一般向けの概説書を読んでみてください。
本格的な専門の授業がはじまるのは2年次からです。1年次のうちにこうした基礎固めをしておけば、学修困難になることはありません。 -
中大東洋史への入学が決まりました。事前にどんな準備が必要でしょうか?
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強くお願いしたいのは、入学前か1年次のうちに、世界史探究・日本史探究の教科書を通読することです。
アジア・アフリカの歴史はそれ単独で考えられるものではありませんし、東洋史学の考えかたや方法論の枠組みは、ヨーロッパや日本の学術史(と、その背景となるヨーロッパ史・日本史)に関する全般的知識がないと、理解することができません。高校で世界史探究を履修していても日本史には関心があまりなかったとか、ヨーロッパ史は苦手だったとかいう人は、しっかり復習しておいてください。 -
資格取得を目的とした大学院進学を考えています。受け入れてもらえるでしょうか?
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もちろん歓迎します。博士前期課程において、教職免許状の専修免許状・学芸員などの資格取得希望者と研究者志望者との比率は、およそ半々です。授業で学ばなければならない内容に違いはありませんから、机を並べて勉強することに支障はありません。むしろ、異なる道を目指す学生どうしが交流を深めることで世界が広がり、よい効果を生んでいるようです。
とくに教職志望の場合、学校教員として働きながら大学院で学んでいる先輩や、中等教員の養成にかかわってきたスタッフもいますので、東洋史学以外の方面でもサポートを受けることができるでしょう。