国文学専攻

メッセージ

国文学専攻を志す人に、国文学専攻の魅力の一端をお伝えします。

オシャレな言葉、自由な学問

国文学専攻 鈴木俊幸 教授

漫才コンビ“レギュラー”の「あるある探検隊」は実に興味深いものです。江戸時代の雑俳の骨法を見事に現代に蘇らせています。「質問したのに怒られる」「テンションあげどき間違える」。普段意識しないでいるような振舞いや状況の、言われてみればなるほど「あるある」というきわどいところを定型の句形式で鋭く言い取っているのです。しかも、川柳のような5・7・5の型よりも4音、さらに7・7の短句よりも1音少ない4・4・5という句型、これはもっとも短い詩形式なのかもしれませんが、この13音で世態・人情をうがつのはかなり難度の高い技です。
昔の日本人も言葉を磨いて生活を豊かにしていました。気の利いた言語表現は社会に必須のもの、洒落という言葉遊びは場の調和を図るオシャレな技術でした。また、磨かれた言葉は世界を切り取る道具ともなります。「あるある探検隊」を笑えるのは、これまでに熟成されてきた言語感覚や世界認識の角度が現代のわれわれのなかにも確実に生きているからです。国文学は、時代の心につながる学問であるとともに、今の日本を考える学問でもあります。レギュラー研究も大いにあるある、国文学の対象は日本における表現行為すべてなのです。国文学 is freedom……

授業紹介:藤原浩史教授「国語学概論」

「ことば」のしくみを学び、人間を科学する「ことば」に関わる学問への入り口です。

国文学専攻 藤原浩史 教授

授業のテーマ

日本語は我々の母語ですが、そのしくみについて普段は無自覚です。この授業は、日本語を科学的な対象としてとらえ直す“ことばをモノとして見る”ことを目的とします。言語が情報を伝達するための道具であり、形式と意味の対応をもつ記号であり、体系を形成して機能していることを学びます。日本語の音韻・文字・文法・語彙の各システムのありようを理解して、言語にかかわる現象を説明するための、基礎的な力を形成することが具体的な目標となります。

授業の進め方

主として現代日本語の現象を、実例に基づいて理論的に説明してゆく講義形式です。併せて、言語学の基礎も概説します。自分のなかにあるにもかかわらず、気づかないでいる日本語の規則を“再”発見するものです。ことばに関する具体的な問題や、授業に関する疑問などには、単元ごとに質疑応答形式を導入します。授業の目的が、ことばを説明する技術の習得ですから、試験は単に知識を問うものではなく、音声の分析・文法の説明といった実践的な問題です。

受験生の方へのメッセージ

古典語は現代語と全然違います。ことばは時代とともに変化します。日本には地方ごとに方言があり、ことばのルールが違います。日本語といっても多様です。実は、なにか一つの正しい日本語というものは、どこにも実在したことはありません。いつの時代にも日本語は乱れていますが、いつの時代にも通じ合っています。ことばは、人間のつくり出したおそらく最高の道具でしょう。この柔軟かつ効率的で、いい加減なしくみは、君が気づけばとても魅力的です。

研究紹介:専攻教員の研究の一端をご紹介します。(Chuo Online掲載記事 他)

吉野朋美教授

鈴木俊幸教授

宇佐美毅教授

山下真史教授

藤原浩史教授

渡部芳紀名誉教授

岩下武彦名誉教授

池田和臣名誉教授