文学部
北村薫『うた合わせ――北村薫の百人一首』に文学部教授大田美和の短歌5首が引用されました。
2016年04月27日
『小説新潮』連載の「うた合わせ」が単行本になって出版され、文学部大田美和の短歌が引用されました。掲出歌は以下の5首です。
買った本を獲物のように見せに来る私の愛した男はみんな 歌集『水の乳房』
あなたの理論は素晴らしいけど愛すべき登場人物はどこへ行ったの 歌集『葡萄の香り、噴水の匂い』
本当に愛していたら歌なんて作れないよという説もある 歌集『きらい』
ほんとうに変な夫婦だ食卓に朝から並ぶ文学の皿 歌集『水の乳房』
スエヒロで婿と舅が酌み交わすうまさけ美和を扱いかねて 歌集『水の乳房』
ミステリー作家、直木賞作家の北村薫さんの文学の読みの力に圧倒される本です。上記の歌を始めとした歌たちがどのように料理されているか、「理想の読者」が教えてくれる文学テクストの限りない広さと深さを味わい、文学テクストとコンテクストの関係について考えてみませんか?
『うた合わせ――北村薫の百人一首』
出版社:新潮社