学びのパスポートプログラム

多文化共生のための学びの一環として、広瀬浩二郎先生から「身体感覚」についてお話をいただきました

2023年06月09日

2023年6月8日の学びの基礎演習(1)Aでは、「多文化共生を考える」ための授業として、ゲスト講師の国立民俗学博物館の広瀬浩二郎先生先生に「身体感覚」をテーマにご講義をしていただきました。

広瀬先生は、13歳の時に全盲となり、本日のお話は視覚障害をもつ立場から、弱視だった小学校生活の経験や白杖をもつことに対する心理、盲学校での生活、特に、体育の授業にどのように取り組んできたのかなどに関して、お話しくださいました。視覚が使えなくても身体感覚でできることが多くあること、その身体感覚を鍛えるためにはインクルーシブ教育だけでは難しい面もあることなどもお教えいただきました。

大学時代にサークルで出会った居合道についてのお話では、身体の部分と全体、守破離、ノイズといった話題に関連して、視覚障害のため時間がかかることはあるが、それが強みになる面もあるというお考えもうかがい、さらに、受講生同士でのノンバーバルコミュニケーションの簡単な実践も行いました。

ご講義のはじめに、現在某民放局で放映されている「ラストマン―全盲の捜査官―」の主人公について「(全盲でもなんでもできる)あんなかっこいい人はいない」と語られていましたが、誘導してもらうために数知れない人々の肘に触れてきたがその時の触覚で相手の緊張度も伝わるという広瀬先生に、多くの学生は皆実捜査官にもまけないカッコよさを感じたのではないかと思われます。