西洋史学専攻
西洋史学専攻大学院修了生の著作を紹介します。
2023年07月20日
本学大学院文学研究科西洋史学専攻の修了生が相次いで著作を発表しました。本人からのコメントもあわせて紹介いたします。在学生のみなさんの参考や一助になれば幸いです。また、ぜひ書店にてお手にお取りください。
・児玉千尋『文豪たちの関東大震災』皓星社、2023年
「関東大震災から100年目ということで、関東大震災に関する小説や随筆、短歌、詩、戯曲、体験記などを集めた本を出版しました。首都圏をおそった大地震に、多くの文豪も被災し、文学作品が数多く残されています。
芥川龍之介とその妻の目から見た発生当時の状況。室生犀星、川端康成の目に映じた芥川。京都から被災地・東京へ向かう志賀直哉。泉鏡花の避難模様。竹久夢二、宮武外骨によるルポ。尾崎士郎が書いたモデル小説と、同棲していた宇野千代が見た実態など、バラエティに富んだラインナップとなっています。
私自身に関していうと、西洋史学専攻博士前期課程古代オリエント史で修了後、大学図書館で司書として働いています。図書館の展示のために調べたものを大学リポジトリに挙げていたところ、出版社の目にとまり、まさかの出版となりました。よろしかったら読んでみてください。」(大学図書館司書)
・三浦麻美「聖女の奇書――ハッケボルンのメヒティルト『特別な恩寵の書』と西洋中世の神学」『ユリイカ:特集 奇書の世界』2023年7月号、青土社
「『ユリイカ』に「聖女の奇書―ハッケボルンのメヒティルト『特別な恩寵の書』と西洋中世の神学―」を寄稿しました。女性による幻視録というマイナーなテクストがなぜ、どのようにして奇書と見なされるようになったのか、私たちはこの事実とどのように向き合うべきかを考えています。この特集「奇書の世界」は「奇しく珍かな書物」とそれを読む人間に焦点をあて、様々な作品を取り上げています。本が好きな人はぜひ、読んでみてください。」(中央大学文学部兼任教員)