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2020年08月24日

文学部教授 大田美和の新刊、思考集『世界の果てまでも』の書評が「図書新聞」に掲載されました。

文学部教授 大田美和の新刊、思考集『世界の果てまでも』(北冬舎)の書評が「図書新聞」2020年8月29日号に掲載されました。執筆者は、詩人・細胞生物学者の田中庸介氏です。田中氏は、『大田美和の本』(北冬舎、2014年)についても、作家の全体像に迫る評論を執筆しました。(田中庸介「素足で走る短歌のわたし」、「詩客短歌時評」https://blog.goo.ne.jp/sikyakutammka/e/b0a397e7886e0d8a6ac975c912dd2e07 )

 

書評のタイトルは、「いのちの荒波を乗り越えるように――家族と短歌と大学と社会のそれぞれに全力でかかわっている女性の「生き方」を語った本」となっています。このタイトルは、大田美和の第三歌集『飛ぶ練習』所収の短歌、「励まされ陣痛の波を越えるごとく死を乗り越える呼吸法もあれ」から取られているようです。掲載された紙面の構成は、「〈詩作〉から〈思索〉へ――詩歌の言葉から生の現在地を捉える三冊」という特集の一冊となっています。

 

田中氏は、本書は「心の「分断」にあらがうやわらかで硬派な言論の力を自ら体現するようにつづられた書物」であり、 「われわれの昨今のコロナ生活が図らずも露呈したように、物書きとしてだけではなく、あるいは研究者としてだけでもなく、はたまた「エッセイスト」としてだけでもなく、トータルな人格として進まなければ、いのちの荒波を乗り越えていくことはできない。」と述べて、「図書新聞」6月13日号文芸時評や「週刊読書人」6月23日号書評(いずれも「文学部ニュース」に掲載)と同様に、本書をコロナの時代を突破する底力を持つ書物として位置付けています。

 

また、本書における、研究者としてのトレーニングの成果である感情を抑えた当事者としての自分の出し方は、「ひらく、つながる、うまれる」というサイクルへと「分断」を解消するための参考になるだろうとも述べられています。

 

最後に、本書は、文学部教授・作家のミカエル・フェリエが東日本大震災以後について語った言葉「各人が自分のやり方で、忍耐強く、あたりの風景から少しずれた構文を、自分の構文を書き込んでいくこと」(本書収録のエッセイで『フクシマ・ノート』から引用された言葉)の良き実践例であると結ばれています。

 

ぜひお読み下さい。「図書新聞」は書店で購入できます。中央大学図書館でも定期購読されています。「図書新聞」のウェブサイトの記事の閲覧には会員登録が必要です。http://www.toshoshimbun.com/books_newspaper/ デジタル版もあります。http://www.shimbun-online.com/latest/toshoshimbunbookreview.html

 

大田美和の思考集『世界の果てまでも』は、最寄りの書店では取次八木書店扱いで注文できます。インターネット書店でも購入できます。中央大学図書館から貸出可能です。

 

以上