学生サポート

発言や行動が急に極端になってきた学生がいたら・・・

ふだんは控えめな学生が「自分は特別な存在だから何でもできる」などと言い出して周りが驚いています。最近は深夜でも友達の家に電話をかけたり、金遣いも荒くなったりしているようでやることが極端です。どのように対応すればいいでしょうか?

躁状態が考えられます。誇大的になり、気分は昂揚し、活力に満ち溢れ、あまり眠らなくても平気になって、頭の回転が早くなって、次々と考えが浮かんできます。とともに、衝動的になり、怒りっぽくなり、周囲との摩擦も増え、トラブルが多発するようになるのが躁状態です。お金を使い過ぎたり、夜中に歌を歌ってみたり、道行く他人に無性にイライラして食ってかかってみたり、そのレベルはいろいろです。軽いものならば人の言うことも聞くし、修正もできますが、重くなればなるほど唯我独尊状態になり、周囲を振り回してしまいます。「自我が肥大する」という状態で、夜勤明けなどの「ナチュラルハイ」状態や、お酒を飲み過ぎた時のような気分が、これに少し近いかもしれません。本人はまったく困っていないことが多いので、相手の気持ちへの「アンテナ合わせ」はなかなか困難です。気分の波が平常の振幅を超えて、イルカや飛び魚のように大きく天に向かってジャンプしてしまっているので、気分の質の変化だけでなく、量の変化とも言えます。
高く飛んだイルカや飛び魚は、その後深く沈み込むものですから、激しい「躁」の後には、しばしば、重い「うつ」が来ます。これも困ったことです。「躁」で気が大きくなった時にしでかしたことを、後の「うつ」時に後悔して自殺に追い込まれることも時にあるわけで、「躁」の時に早く収めてあげることが肝要です。早期発見早期治療が大切な理由です。エネルギーの家計簿をつけるように、「躁」で使い過ぎたエネルギーを、今度は消費を少なくして大切に貯めていくことが大事になってきます。
「調子が高いよ、おかしいよ」というよりも、「いつものあなたとは違うよ。よほど辛いことがあったのですね」と寄り添うことも大切です。
困っていない人に、治療を受けるように説得することは至難の業です。本人が「この人のいうことなら聞く耳を持つ」というような人を探してあげましょう。