学生サポート

周囲になじめず、孤立しているように見える学生がいたら・・・

教室でいつも隅に一人で座り、周囲の学生と溶け込んでいない学生がいます。この学生は、食堂でも授業棟のフロアでも一人でいることが多いようです。もし声をかけるとすると、どのように声かけをするのが良いでしょうか?

話がしにくく、一人でいる学生の中には、「以前にいじめなど嫌なことがあり人間関係を苦手に感じている」「一人でいる方が楽で、友人がいなくても良いと思っている」「できれば話したいが、自分から声をかけられない」などの事情を抱えていることが考えられます。
 人の行動には、(1)安心できる行動、(2)パニックになってできない行動、(3)信頼できる人となら挑戦しても良い行動、の3つがあると言われています。話すことについても、①平気で話しかけることができる、②話しかけてもらえば何とか話せる、③声をかけてもらってもパニックになり話しにくい、が考えられます。
上記の3つのどれに当てはまるか、学生に挙手してもらうと、①自分から話しかけることができる1~2割、②話しかけてもらえば話せる7~8割。③話かけてもらっても話しにくい1割、というように、人それぞれ違いがあります。
 孤独の中で思索し、工夫し、課題を打開することも時に必要とは思いますが、そのためにはかなりのエネルギーや意志が必要で、全ての人にそれを求めるのは酷でしょう。積極的に話しかけられない人はダメと否定的に見るのではなく、安心できる範囲が違うのだと捉え、今の状態もOKなのだと認めるところから始めましょう。次に、良い意味でのおせっかいや親切な関わりは、学生の側も求めていると考え、声かけの機会を探し、工夫をするようにしてください。
 例えば授業では、個別にワークをしている時に、机間を周りつつ、様子を見て「どう?」「難しい?」と声をかけたり、書いている内容にコメントしたりすることもできるかもしれません。学生にペアを組ませた際に奇数で余った場合は、先生自身がペアの相手になることもありでしょう。グループワークの手法を用いて、交流を促進し、新しい人間関係を作ることも試みて良いと思います。
 先生個人と少し話ができるようになって、仲間がほしい、コミュニケーションができるようになりたい、一人でさびしいなど、学生の本音が表明されてきたら、学生相談室主催の各種イベントや個別相談の利用を勧めてみてください。