学生サポート

痩せていて顔色が良くない学生がいたら・・・

クラスに非常に痩せていて顔色も良くない学生がいます。最近ますます痩せてきて生気がありません。何かアドバイスをした方が良いと思うのですが。

まずは体を心配しましょう。相手の訴えは、どんな時でも少なくとも一回、最後まで話を聴き、丁寧に受けとめることが大事です。体の訴えであっても、大切なのは、受容と共感です。最初の出会いが、その後の二人の関係を左右しますから、こちらの心のゆとりのある時に始めることです。時間のない時は、最初に時間があまりないことを伝えておくぐらいの“心遣い”が大切です。“最初に会ったとき、あの人はじっくり話を聴いてくれた”という感じは、後々にも相手の心に残り、思い出してくれたりする力になりますから、30分は時間を確保して向かい合います。だからと言って、必ずしも、30分間話を聴かないとだめということではなく、15分で良いときもあります。こちらに時間のゆとりがあるということが大切なのであり、15分話せば相手も話を十分聴いてもらったという気持ちになれます。
というわけで、食べていても痩せて顔色が悪く生気がない場合は、まずは体の病気を疑います。食欲がないとか食べていないために痩せて生気がない場合は、精神科の病気かもしれません。睡眠がとれない、食欲がない、やる気が出ない、頭が働かない、気分が落ち込む、イライラするなどとなったら、うつ病を疑いましょう。一日の中で午前と午後で気分や意欲に変化がある場合や、十分に動けない自分を周囲に迷惑をかけていると責めているような場合は、迷わず学生相談室の精神科医や学外の精神科に受診させましょう。最近は、ストレスが体に出てくる身体化という症状(吐き気、頭痛、めまいなど)が多種多様な形で現れてくるケースがとても多いです。この身体化も、うつ病の初期症状の場合がありますから、気を付けて聴きましょう。
「毒が入っているから食べられない」とか「食べないようにと言ってくる声が聞こえる」など幻覚妄想の存在が疑われる場合は、統合失調症が考えられます。「アンテナ合わせ」をしながら、ゆっくりと聴いてみましょう。
いずれにしても、年齢や経験などに関係なく、相手にたくさん教えていただくという気持ち、謙虚な姿勢で話を聴いてみることが大切です。