学生サポート

授業中に過呼吸(過換気症候群)を起こした学生がいたら・・・

授業中に息苦しさを訴える学生がいます。これまでに何度か過呼吸を起こしたことがあります。こうした学生にはどのような声をかけたらいいでしょうか? 周りの学生にも伝えておくべきことはありますか?

過呼吸(過換気症候群)とは、自分が意図することなく発作的に呼吸が早くなり、それをやめることができないために血液が過度にアルカリ性に傾いて、全身に様々な症状を示すものです。息苦しさ以外にも、胸痛、嘔気、手足のしびれなどを訴えることがあり、思春期から20歳代の女性に多いと言われています。激しい運動や疲労、発熱などの身体的要因、または不安、恐怖、怒りなどの心理的要因があると言われていますが、授業中に症状を示すのであれば、後者の要因が大きいかもしれません。
学生が症状を訴えてきたら、まずは「大丈夫だよ」「安心して」など、安心できるような声かけをしてください。発作は、意識的に呼吸を遅くすることで改善します。まずはゆっくり呼吸するように指示をしてください。呼吸しやすい姿勢をとれるようにして、一回吸ったら10秒くらいかけて少しずつ息を吐くようにします。吸う:吐くが1:2の割合になるイメージです。先生が数を数えたりして寄り添うと良いかもしれません。長くても20~30分もすれば落ち着くことが多いです。紙袋を口に当てて呼吸するペーパーバック法は、現在ではあまり推奨されていません。
周りが騒いだり焦ったりすると、本人の不安感が増して悪影響を及ぼします。周囲の学生には、「こういうことは不安が募ったりすると誰にでも起き得ることなので、落ち着くまで見守ってあげましょう」などと注意する方が良いでしょう。
学生が対処法を理解することで、発作時の不安を軽減させることができますし、不安が高い場合は、抗不安薬の服用が勧められます。学生相談室の医師や保健センター、学外の医療機関に相談するよう勧めてください。また、発作が頻発するケースでは、学内外でのストレスが関わっていることがしばしばあります。本人が話せるようであれば、学業や生活で何か困っていることはないかなど、支持的な態度で聴いてみてください。授業中に発作が起きそうになった時のために、本人と「苦しくなったら、呼吸を落ち着かせるためにいつでも教室を出て良い」と約束しておくことも効果的です。