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ライティング・ラボ

ライティング・ラボでは、アカデミック・ライティング指導の訓練を受けた大学院生チューターが、書き手と一緒に文章を検討しています。
論理的で分かりやすく、読み手に言いたいことが伝わる文章となるようサポートしたり、レポート・論文の基本的なルールについてアドバイスをします。書くことの支援を通して、書き手の考える力に働きかけ、伝える力を鍛えます。
自立した書き手となれるように支援することがライティング・ラボのミッションです。

沿革

中央大学ライティング・ラボは、レポート、論文など学術的な文章の作成を支援する機関として、2011年度4月から多摩キャンパスに設置されました。
開室当初は、大学院留学生のみを対象とし、日本語文章の作成支援が中心でした。しかしながら、日本人学生についても、母国語である日本語の文章作成において「自立した書き手」になるということが、大学における学修を行なう上で肝要であると考え、徐々に利用学生の対象を拡大してきました。2013年度からは多摩キャンパスの全ての学生を対象として、アカデミック・ライティングの観点を用いた文章作成支援を行なっています。

理念

授業の課題レポートや論文などの作成をサポートすることで、学生が自立した書き手となれるよう支援します。セッションは大学院生チューターと学生の1対1で行い、一方的な添削はしません。チューターと学生が、対話しながら一緒に文章を検討することで、学生の考える力・伝える力を鍛えます。

メッセージ

担当研究科委員長より

担当研究科委員長(文学研究科委員長)  新原 道信

ライティング・ラボは、学部や大学院で学ぶ学生のひとたちが、優れた学術論文や研究報告・レポートを作成するための技法を学ぶ場として開設されました。
学術的に考え、書く(=アカデミック・ライティング)には、①自分にしかない固有の問いを切り出せているか、②この問いを解き明かすために依拠すべき理論を真摯に学び、わがものとしているか、③各種資料にあたり調査・探求をしているか、④自分の調査・探求にふさわしい理論・方法を採用し研究しているか、などが求められます。
これまで学んだことの集大成であり、自分が何者かを示す機会であり、この壁を突破しない限り、大学を卒業/大学院を修了したことにはなりません。
当ラボでは、アカデミック・ライティングの専門家と、アカデミック・ライティングを学んだ大学院生チューターから、各自が自立的に研究活動を行い、学術的成果をまとめるための、基本的で根本的アドバイスをさせていただきます。
論文執筆は、やるべきことを自分で決め、自分で始め、自分で結ぶという自立的な智――これから社会で生きていくための「背骨」をつくる貴重な機会となります。当ラボを積極的に活用し、真摯に研究することを通じて、現代社会が抱える問題の構造と人々の情動を把握し、新たな社会を構想する力を身につけていってください。

スーパーバイザーより

スーパーバイザー 中野 玲子

ライティング・ラボでは、大学院生チューターとのセッションを通して、学生の論文・レポート作成の支援を行っています。
1回40分のセッションでは、チューターが文章を一方的に添削するのではありません。対話を通して、書き手と一緒に文章を検討・修正します。
チューターに質問され、学生は考えます。そして、その考えを、チューターに伝えます。考え、伝えるという過程を繰り返すことで、学生の考える力・伝える力を鍛えます。
また、独りでも文章が修正できる書き手となれるよう支援します。ライティング・ラボでのセッションを繰り返すことで、学生が自立した書き手へと成長することを目指しています。
ラボの開室日には、少し不安な様子でレポート・論文を持ち込む学生が、大学院生チューターとのセッションを終え、安心して去っていく様子がよく見られます。このような日々のセッションを通し、学生とともにラボも成長し続け、充実した指導をしていきたいと思います。

スーパーバイザー 尹 智鉉

ライティング・ラボの大学院生チューターは、相談者と一緒に文章を検討し、論理的で分かりやすい文章、読み手に言いたいことがきちんと伝わる文章となるようサポートしています。また、レポート・論文の基本的なルールについてもアドバイスを行います。
ライティング・ラボのチューターになるためには、「特殊講義(1)アカデミック・ライティングの方法と実践」を履修する必要がありますが、この講義では、論理的で明快な学術的文章を書くための技能を、実際に文章を書き、直していくことで学んでいます。さらに、講義のなかでもピア活動を行い、読み手の視点を獲得しながら書き手としても成長できるようにしています。
講義とライティング・ラボでのサポート経験を通し、ライティング・ラボの大学院生チューターは自らが自立した書き手として成長するだけでなく、教育指導力の向上・強化につながる経験を積むことができます。

取り組みについて

全学生を対象とした文章の作成支援(セッション)

授業期間中に週4日間、多摩キャンパス2号館5階で、レポート・論文作成のためのセッションを行っています。中央大学に在籍する学生であれば誰でも利用可能です。セッションを担当するのは、アカデミック・ライティング指導の訓練を受けた大学院生チューターです。
利用学生の多くから、セッションが「とても有益だった」または「有益だった」という評価を得ています。「テーマを掘り下げることができた」「曖昧だった問題意識が、話し合うことで整理できた」「自分の頭の中を言語化できた」「自分でわかっていると思っていたことがわかっていなかった」「構成がよくなった」などの感想が寄せられています。

ゼミ担当教員との連携

ゼミ(演習)を担当する教員からの要請に基づき、当該授業においてライティング・ラボの利用の仕方や、有効な活用方法を履修者に対して案内を行なっています。
ライティング・ラボが課外においてアカデミック・ライティングの観点から文章作成の支援を担うことで、担当教員が専門分野の内容に関する指導のウェイトを高め、より効果的な学習指導が実現できるよう目指しています。

大学院生の教育指導力の養成

大学院博士前期課程に全研究科の大学院生が履修可能なオープンドメイン科目(博士後期課程は聴講)として「特殊講義(1) アカデミック・ライティングの方法と実践」を設置し、大学院生自身がアカデミックライティングの技能を修得できる機会を設けています。
また、この授業を履修し、十分にアカデミック・ライティングの技能を修得した大学院生には、ライティング・ラボにおいてチューターとして文章作成支援を行なう機会を提供しています。
こうした機会を通じ、教育指導の実践経験を積むことを可能とし、修了後に教員や研究者となった際に必要な教育指導力の涵養を図っています。

高校・大学院連携

附属高校である中央大学杉並高等学校では、国語科において、3年生を対象とした卒業論文指導を行っています。ここでは、すじ道だてられた構成と体裁をともなった「論理的な文章」の作成を目標としています。
この取り組みに対して、ライティング・ラボは大学院生チューターを派遣し、高校生に対してもアカデミック・ライティングの観点からの論文作成支援を行なっています。

◆専門分野の教育・研究×アカデミック・ライティング

専門知識を修得しただけでは、その「知」を社会の中で活かすことができません。論理的な思考と他者に対して意図することをわかりやすく正確に伝える技術によってはじめて社会において「知」の活用ができるのではないでしょうか。
アカデミック・ライティングを通じて修得した力は、本学で学んだ専門知識や研究成果とあいまって、社会の中で「知」を実際に活かすために必要な力となることを願ってやみません。
本学の建学の精神である「實地應用ノ素ヲ養フ」を具現化していく所存です。