学生サポート

人前で話すのが苦手な学生がいたら・・・

人前で話すのが極端に苦手な学生がいます。人と視線を合わせられず常にうつむいていますし、ディスカッションやプレゼンでは緊張が強すぎて、考えがまとまらなかったり、言葉が出てこなかったりするようです。こうした学生にはどのように対応すれば良いでしょうか?

社交不安障害などの可能性が考えられます。声かけの時に「人前で発表できないようでは就職できないよ」などの否定的な言葉は避けてください。穏やかに「話がしたいと思っていたんだ。少し時間をもらえるかな」などと声をかけてみてください。
話すときは、まずはご自身の好きなこと、学生時代に苦手だったこと(ゼミ発表などで苦労したこと)などを話してみましょう。次に、相手が安心できる話題(好きなことなど)で話を聴いてみると、気持ちもほぐれることが多いです。気持ちがほぐれてきたら「ゼミで困っていることはないかな。発表とかきつくない?」などと聴いてみます。黙ってしまった時は「他の人には話さないので安心して。困ったことや質問があれば、いつでも来てほしい」と伝えます。
発表がきついと話が出た時は「よく話してくれたね」とねぎらいつつ、人前での発表が緊張するのか、発表内容に自信がないのか、周りからどう思われるかが気になるのか、内容を否定されたら困ると思うのかなどを確認します。そして、どう対応してもらうと助かるのか、どの方法が負担感なくできそうか聴きましょう。具体的な対処方法が出てこない時は、例を挙げながら一緒に考えましょう。
対処方法は、こちらに過度の負担にならない範囲でかまいません。事前にプレゼン内容を見せてもらいコメントをする、発表原稿の棒読みで良いと伝える、教室で人がいない時にリハーサルをする、一人が難しい場合はグループで分担して発表してもらう、自分の席に座ったままで発表することを認めるなどです。
こうした学生は周りの学生の視線が気になることも多いので、あらかじめ発表を聞く姿勢について、全体でルールを作っておくと良いでしょう。微笑んで温かい気持ちで聞くこと、できていることは褒め、できないことは非難するのではなく、温かく意見や改善点を述べるなどです。発表は多くの学生にとって緊張することなので失敗しても良いこと、あまり自分を責めなくて良いことを全体で確認しておくことも有効です。
なお、緊張からまったく発表できない人もいます。その時は無理に発表させず、授業終了後に学生相談室に繋いでください。また、発表は原稿を書いて提出するだけで良いとする、原稿や意見は代読してもらうなどの代替の配慮を検討してもらえるとありがたいです。