学生サポート

グループの和を乱す学生への接し方について相談を受けたら・・・

「言いたいことだけ言って勝手に帰ってしまう」「決めた役割を果たさない」「いつも締め切りに間に合わない」。グループの和を乱すAさんへの不満を周りの学生が訴えて来ました。周りの学生やAさんに何と声をかけたらいいでしょうか?

座学では問題がなくても、グループ活動になると、周りとうまくコミュニケーションがとれない学生がいます。当該学生が困っているだけでなく、周りの学生や先生もどう接したらいいか困ることが多いのではないでしょうか。
 その要因は様々です。発達障害があったり、うつ病などの精神疾患にかかっていたり、身体的な不調があったり、友人関係や家庭環境等で大きな問題を抱えていたり。何か気になる学生がいたら、ふだんから様子を気にかけておくことが大切です。
Aさんのふだんの様子はどうでしょうか? 一人でぽつんといるのか、他の友人とは話せているのか。または、急に元気がなくなったように見えることもあるかもしれません。同僚の先生から他の授業での様子も聞くことができると、Aさんの人物像が見えてきます。
Aさん自身に、悩んでいたり、困っていたり、不安や不満に感じていることがないか聴いてみましょう。グループ活動に対する不安や不満が強かったり、何か大きな悩みを抱えていたりするようであれば、学生相談室への相談を勧めてください。
Aさんに困り感がない場合もあります。周りの状況や自分の役割がわかっていない、グループ活動における暗黙のルール(時間を守る、他の人と意見を交換し合うなど)を知らない、などということが考えられます。その場合には、Aさんに個別に自分の役割やグループ活動のルールを教えるようにしてください。その際、感情的になったり、Aさんの人格を傷つけたりしないよう注意しましょう。
 周りの学生が不満を訴えてきたら、まずその訴えを最後まで傾聴し、共感に努めてください。そして、Aさんとどういうやり取りをしたのか、例えば役割はどう決めたのか、締め切りはどう設定したのかなど、学生と一緒に整理していきましょう。整理することで困り感や不満を解決する糸口が見えてきます。Aさん一人を悪者にして終わるのではなく、Aさんとどのように接すればグループ活動がうまくいくのかを考えていきましょう。学生相談室でも一緒に考えることができます。
 グループ活動を行う際は、グループ活動のルールを事前に明示しておくことで、学生同士のトラブルを減らすことができます。