文学部

【新刊紹介】東洋史学専攻 阿部幸信『漢代の天下秩序と国家構造』

2022年12月21日

東洋史学専攻教授・阿部幸信の著書『漢代の天下秩序と国家構造』が刊行されました。

 

内容紹介(「あとがき」より):
 本書は、「天下秩序」「国家秩序」「国家構造」という視点から、漢皇帝を中心とする秩序構造の変遷を跡づけたものである。ここでいう「天下秩序」は漢が諸外国とともに構築する国際秩序を、「国家秩序」は漢の国内の秩序を指す。また国家秩序を形づくる諸要素の中でも、とくに官僚機構を軸とする支配機構(国家機構)の構造を「国家構造」と呼んでいる。
 しかし、これらはいずれも、後世の分析概念にすぎない。「天下」とか「国家」とかいう語が、歴史上一貫して、同じようなかたちで使われてきたわけではもちろんなく、……とくに、ユーラシア東部の「中国」と称せられる地域において、事実上はじめての長期安定的な統一政権をうち立てた漢朝の時代には、その「安定」「統一」が実現せられる過程において、「天下」「国家」の指す範囲・対象も、比較的短い期間に大きくゆれ動いた。その過程や背景を具体的に追うことで、漢の「天下秩序」「国家構造」について新知見を提供するとともに、漢朝が中国史、ひいては世界史において占めた歴史的役割の一端を究明することが、本書の目的である。

▽出版社:研文出版
▽体 裁:A5判上製 352ページ
▽ISBN:978-4-87636-473-2
▽定 価:本体6,500円+税

詳細については、研文出版のホームページをご覧ください: