ドイツ語文学文化専攻

多和田葉子さんの朗読会・講演会が開催されました

2015年11月24日

日 程 : 2015 年11月19日(木) 11:00~12:30

場 所 : 多摩キャンパス 3351教室(文学部3号館低層棟3F)

講演者 : 多和田葉子さん

題 目 : 「ヨーロッパの危機、日本の危機と言葉遊び」

 

 2015年11月19日(木)に、作家・多和田葉子さんの朗読会・講演会が、多摩キャンパス3号館3351教室で開かれました。ベルリンを拠点に世界中で活躍されている多和田さんは、1980年代後半から現在に至るまで、日本語とドイツ語の両言語で創作を続け、芥川賞、シャミッソー賞、ゲーテ・メダル、野間文芸賞など、数々の賞を受賞されています。今回は「ヨーロッパの危機、日本の危機と言葉遊び」という題でお話しくださいました。

 講演は、 ギリシアのユーロ離脱や、ヨーロッパに逃れ来る難民をめぐる昨今の議論を踏まえた、ヨーロッパとその境界についての考察に始まり、日本に目を転じて、東日本大震災から4年余りを経た現在において被災者が置かれた状況についてのお話へと続きました。これらのテーマに関連して朗読されたのは、 夏目漱石、E・T・A・ホフマン、ルートヴィヒ・ティークなどの作品にも登場してきた猫をモチーフとして言葉と遊ぶ、ユーモラスながら、鋭い政治・社会批判を含んだ文章でした。

 多和田さんは講演と朗読の後、来場者からの質問のひとつひとつに丁寧にお答えになり、サイン会でも学生と言葉を交わされていました。中には、ドイツ語の教科書にサインをいただいた学生もいました。

 

 

教科書にサインをいただく学生

講演会終了後の意見交換