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西村 崇 さんからの就活レポート

西村 崇 2010年度卒業
就職先 キッコーマン株式会社

1. いつごろから準備、活動をはじめましたか?

2年の冬に中大主催のインターンシップに2週間程参加しましたが、その後は特に就活らしいことはしていませんでした。本格的に始めたのは、11月の後半からだったと思います。

<インターンについて>

きっかけは興味本位で応募しましたが、実際に参加してみると「社会人」というものを他の学生よりも先に経験でき、就活にも役に立ったと今は感じています。インターンを通じて、具体的な業務内容を知ることができるのはもちろん、「働く」ということに対する具体的なイメージを持つことができるようになります。実際、私の就職活動において、自分に合う業界や業種を見極める上で、そのイメージはとても重要な要素になりました。
また、選考には関係のないインターンでも、人事の方とかかわる時間が多い分、自分のことをよく知ってもらうことができ、自分も会社のことをよく理解できるので、インターン先の企業に就職するということは、ミスマッチの可能性も低いのではないかと思います。

2.学業と両立できましたか? 両立するにはどんな工夫をしましたか?

私の場合、学業に限らず、アルバイトやサークル活動など普段の活動をなるべく制限させないように就活を進めました。その理由は、就活を通して「切り替え」をすることが大切だと考えていたからです。実際に、面接で落ちたときも、普段の活動があることで気持ちの「切り替え」をすることができ、必要以上に落ち込むことなく就活を続けることができました。
工夫というわけではないですが、スケジュール管理をしっかりして、優先順位を意識して行動すれば、就活期間もとても充実した毎日になるはずです!

3.文学部史学科で役だったことは?いかせたことは?

レポートなどで文章を論理的に書く練習をたくさんしてきたので、エントリーシートを書くときにその経験は非常に役に立ちました。また、普段から論理的に物事を考える癖をつけておくことで、面接において、自分の考えをしっかりと相手に伝えることができると思います。

そして、特に史学科で身についたと思われるのが、情報を処理する能力です。西洋史学専攻では、膨大な文献の中から自分の研究に必要な情報を集めるという作業が欠かせません。さらに、その情報を自身の研究としてまとめ、レポートや発表というかたちで相手に伝える作業も必要とされます。このような作業は、就職活動においても大いに役立ちます。なぜなら、現代の就職活動は「情報戦」といえるからです。実際に私も就職活動中は、インターネットや本から様々な情報を得ました。そして、その情報の中から自分に必要なものを選択し、自分なりにまとめたうえでエントリーシートや面接で発揮するというプロセスを何度も踏んできました。そのような経験から、就職活動における情報処理能力の重要性を感じましたし、それは西洋史学の研究にしっかり取り組むことで鍛えられる能力であるとも感じました。また、この高度情報化社会においては、社会人として仕事をしていく上でも、情報処理能力は非常に重要なものであると思います。

この他、情報整理力、提案力などがあげられますが、このような作業は、社会人になってからも大いに役に立つと感じています。例として、メーカーの営業という仕事を見ても、その仕事の基本は「提案」です。相手のニーズを満たすような提案をするためには、情報の収集・分析というものが欠かせません。また、それを自分の提案にまとめ上げ、正確に相手に伝える力も必要です。したがって、西洋史学専攻の研究を通して、歴史に関する専門的な知識だけでなく、社会人として仕事をするための基礎をも身につけることができるのです。
営業だけでなく、人事やマーケティングなど、いずれの職種においても、情報処理力や整理力、提案力というものは社会人として求められるものであり、実際に私自身もそれらの基礎をこの4年間で培うことができたと感じています。

4.自分の就活について自由に書いてください。苦労、良かったこと、気がついたこと。

ただひとつのことについて、誰よりも詳しくなりたい。僕の動機はこの点にありました。そして、何かを“極める”となると、それに最も適した場所が大学院だったわけです。一時期は就職と迷ったのですが、人生は一度きりですし、思い切ってやるなら今しかない、と清水の舞台から飛び降りて進学を決断しました。そうした旨を両親に伝えたところ、ありがたいことに両親もそのような人生のあり方に理解を示してくれたので、いよいよ迷いはなくなりました。ちなみに、日本全国数ある大学院の中から中央大学大学院を選んだのは、ただ学部が中央大学だったから、という理由だけではありません。僕の場合、幸いにも僕の研究テーマを扱う教授が本学にいらっしゃったため、その教授の下で学ぶべく本学を選びました。そして、目標が定まってしまえば、あとは目標に向かってひた走るだけです。とは言え、時間は無限ではありませんから、ただ闇雲に走ったのではいけません。どの道をどう走ればいいのか、これから走る“道”についての情報を集め、そこをどのようなペースで走ってゆくか計画を立てることも大事です。ですから、僕は大学院説明会はもちろんのこと、教授や先輩がたからもいろいろと話を聞き、情報収集に励みました。試験の時期がわかればそこから逆算して計画を立てることができますし、話を聞く中で、何をどう学んでゆけば良いのかもかなりはっきりさせることができました。どのような進路を選択しても、やはり物事を効率良く処理するための計画性というのは常に求められます。そして、具体的な計画を立てるためには、いつ、何を、どう処理すれば良いのかについて多くの情報を得ることが重要です。この点は意識しておくと良いでしょう。また、教授や先輩がたから自分の進学先について話を聞くと、大学院について具体的なイメージが湧き、モチベーションにも繋がりますので、ぜひ現場で生きるいろんな人から話を聞いてみてください。

5. 後輩にエールを。

一番伝えたいのは、「就活に正解はない」ということ。エントリーシートも面接もお手本通りではなく、自分が正しいと思った通りにやることが大切だと思います。そして、自分の頑張れるフィールドを見つけ、その企業に対して本気の想いをぶつければ、きっとそれは伝わるはず!