文学部
BOOK MEETS NEXT 2024「古典の面白さを伝えるには」(文学部共催)開催報告
2024年11月27日
11月23日、中央大学駿河台キャンパスにて「古典の面白さを伝えるには」というテーマのもと、トークショーを開催しました。本イベントは読書推進活動「BOOK MEETS NEXT 2024」の一環です。国文学専攻の中川ゼミと日本史学専攻の宮間ゼミが共同して企画・運営に携わりました。ゲストには古典エッセイストの大塚ひかりさんをお招きし、対談形式でご講演いただきました。
イベント第1部では、現在放映中の大河ドラマ「光る君へ」に対するご所感や、古典文学に親しむようになったきっかけなど、様々なテーマでお話しいただきました。特に私が興味深く拝聴したのは、令和という時代にあえて古典作品を読むことの意味についてです。大塚さんは重要な要素として「自己確認」を挙げておられました。古典作品に人生を投影することで自己アイデンティティを確立できたという、大塚さんご自身の体験談も踏まえて説明してくださいました。古典不要論が嘯かれる昨今において、古典を読む意義を再確認できたことは望外の喜びでした。
第2部では、大塚さんと学生6名のセッションを行いました。主に「古典を知らない人や苦手な人に古典の面白さを伝えるには」という話題で盛り上がりました。常日頃、古典を身近なものにするために尽力なさっている大塚さんならではの貴重なご意見を伺い、今後指導者としての道を歩む学生も大きな学びを得られたようでした。私自身も登壇者の一人として、源氏物語の内容に関する質問をしたところ、思いがけないご意見をいただきました。大塚さんの豊富な知識と枠にとらわれない自由な発想に感銘を受け、現在はより一層研究への熱が高まっています。
イベント全体を通して、古典に興味がない人には古典の面白さを、古典が好きな人には新たな楽しみ方を、それぞれ提供することができたと考えています。笑いが起こる場面が何度もあり、楽しさの中に学びを感じ取っていただけたのではないかと思いました。本イベントが、古典の面白さを広める一助となれたのであれば幸いです。
(報告者 国文学専攻3年 佐藤愛花)
本イベントは、ポプラ社さまにご協力をいただき実施しました。文学部の学生が準備を重ね、大塚さんがそれに応えてくれたことにより、実りの多いイベントになりました。BOOK MEETS NEXT 2024運営員会ならびにご参加いただいたみなさまにも感謝申し上げます。
(文学部 中川照将・宮間純一)