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2021年03月22日

文学部教授 大田美和が「図書新聞」に書評寄稿

文学部教授 大田美和が「図書新聞」第3489号(2021年3月27日号)に、バルバラ・ボイス著、藤川芳郎訳の評伝『パウラ・モーダーゾーン=ベッカー』みすず書房、2020年 の書評を寄稿しました。

 

パウラ・モーダーゾーン=ベッカー(1876-1907)は、ドイツの女性画家です。この書評は、2006年に栃木県立美術館で開催された「パウラ・モーダーゾーン=ベッカー」展での出会いから始めて、女性画家と女性の表象の研究の進展の成果である、この評伝の意義を述べて、一人の人生を通して、その時代と社会を生きることを追体験した充足感に満たされたという読書体験を語っています。

 

この画家の死去にあたって詩人リルケが作った詩「ある女友だちのためのレクイエム」についての著者と訳者の見解については、詩を書く文学研究者の視点からの反論もなされています。

 

また、「初めて裸体の自画像を描いた女性画家」という日本語訳独自の副題について、「この女性画家の芸術や家族という制度に対するラディカルな姿勢に対する注目よりも、女性の裸体への官能的な反応を招いているように思われる」と批判して、日本の出版界の一部に残るフェミニズムへの忌避が働いているとしたら残念であると述べた上で、『マリー・キュリー』や『ヴァネッサ・ベル』など外国のフェミニスト批評の成果を翻訳紹介してきた伝統を持つ、出版社への期待も述べられています。

 

この評伝については、みすず書房のウェブページをごらん下さい。

 

「図書新聞」は、「週刊読書人」と並ぶ日本の二大書評新聞で、中央大学図書館で閲覧できます。

 

バルバラ・ボイス著『パウラ・モーダーゾーン=ベッカー』みすず書房 は、中央大学図書館に所蔵されています。ぜひお読み下さい。