東洋史学専攻

陝西師範大学・于賡哲教授の講演会が行われました

2026年10月19日

2026年10月16日(金)に、中央大学多摩キャンパスにおいて、陝西師範大学歴史文化学院の于賡哲教授による講演会「疑われた華佗――中国古代外科手術の歴史的軌跡」が行われました。
学外からも多くの参加者を得て、充実した講演会となりました。


【講演要旨】
後漢末に外科手術を行ったとされる華佗への評価は、生前の名声、その後の長い懐疑、アヘン戦争後の「再発見」と称揚、という変遷をたどった。開腹を含む外科手術には新石器時代以来の伝統があったが、それはやがて衰え、華佗の死とともに事実上絶えて、外部的・応急的な手術のみが残った。先人の言を墨守し科学的知識を更新しない気風と、麻酔術の喪失は、外科手術の発展を妨げた。結果として、中国医学は内科的療法を中心とするようになり、華佗の術を虚伝とみなす傾向すら生じた。アヘン戦争後、西洋医学によって外科手術の実在を知った当時の中国の人々は、ようやく華佗を再評価するようになったが、これは西洋の文化・言説の文脈の中で民族の自信を語るという、微妙な姿勢のあらわれでもあった。