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教養番組「知の回廊」
52 「Accessing Entertainment - 著作権は誰のために? -」

中央大学 法科大学院 ダン・ローゼン

1)

みなさんこんにちは。中央大学法科大学院のDan Rosenです。
今の時代はinformation age。「情報の時代」と言われています。
これはよく聞かれる言葉ですが、具体的にはどんな意味があると思いますか?
今から約200年前、欧米ではindustrial revolution,「産業革命」がはじまりました。
農業から工業への、産業の変化です。
日本では100年前くらい前の明治維新から、海外からの影響が強くなりました。
60年前は、日本の20世紀の産業革命ですね。
そして現在の「情報革命」。information age。
これらはいったい何が違うと思われますか?
一つは産業の変化です。物よりも知的財産。ソフトウェアに価値がある時代となりました。
もちろん、物作りもまだまだ大切で、日本の自動車産業なども特に元気ですね。
家庭電気商品のメーカーも製品を作って利益を生んでいます。
日本の場合は、情報やコンテンツを楽しむために作った家電製品がとても多いです。
ここ30年間を考えると、有名な商品がビデオテープ・ビデオデッキ。それからportable stereo??まずWalkmanをはじめ、mdプレーヤー、そして携帯電話。
これから普及すると思われる、新しいdvdプレーヤーの規格などなど。。。いろいろな例があります。

このようなメーカーさんの生み出した商品、つまりハードウェアの権利は、もちろんメーカーさんの財産です。
これは簡単にわかることですね。どろぼう以外は誰も電気商品を盗もうとはしません。
でも、家電製品が流している情報はどうでしょう? 盗んだことありますか?
情報は財産だと思いますか? そうだとしたら、だれの財産でしょうか?
その情報が他人のものだとしたら、どんな風に使って、楽しめばいいのでしょうか?。
今回は、このような情報の権利の問題、つまり著作権の問題を、みなさんと一緒に考えていこうと思います。

2) 音楽の著作権について

まず、みなさんにとても馴染みのある、音楽の著作権を見て見ましょう。
音楽のオーナーは誰でしょうか?。音楽はMelodyと歌詞が基本ですね。
従って、最初にMelodyと歌詞の作者が、その財産を持っています。
次に、そのMelodyと歌詞を演奏して、CDに録音する演奏者も財産を持っています。
日本の場合は、音楽の作者の権利を守る代表はJASRACと言う組合です。
日本はおそらく世界中で、アメリカの次に大きなマーケットです。
音楽は、それを作った人の「財産」ですね。
「知的財産」という表現がありますけれど、たぶん日常生活では、その表現をいくら聞いても詳しいことはあまりわからないかもしれません。
その一方で、私たちは毎日、コンテンツに囲まれています。
つまりいろんな情報やエンタテインメントに囲まれているのです。
新しいtechnologyやコンピュータのおかげで、そのエンタテインメントはすぐコピーできてしまいます。
日本でも他の国でも、著作権法が作者の権利と使用者の権利、両者の権利のバランスを調節しています。
ただし、テクノロジーのおかげで、コピーすることがだんだんと簡単になるにつれて、両者が作者の権利を忘れてしまいがちなのではないでしょうか?。
昔は、印刷のコピー機械が発明される前、本をコピーするのは大変でした。手書方法しかなかったからです。印刷機械ができたかららくになったけれど、とても時間がかかりました。コピー機械が出てから簡単になりましたね。
今はdigitalの時代ですから、もっと簡単です。ワン タッチで終わり。その時、自分がどろぼうしているなんて考えている人は、あまりいないと思いませんか?
ハードウェアの場合は絶対に盗んだりしないですよね?
ソフトウェアやコンテンツも、その作者が一生懸命に作り出した、その人の財産なのです。
個人のモラルとバランスが一つの問題なのです。

プロフェッショナルの世界では、お互いの利益のために、このような権利、つまり著作権についてちゃんと考えられています。
例えば、広告会社。
広告を作るためには、いろいろな知的財産が必要なのです。
契約や法律を守らないと、あとで大変なトラブルなってしまいます。
その産業の方に聞いてみましょう。

3)広告会社

広告会社は、その広告に関わる人たちの利益のために著作品を扱います。
個人ではあまりその意識がないようですね。でも商品なのですから、自由にコピーをされてしまったら、作者が自分の財産から利益をとれないのです。
そうならないために、著作権法がいろいろな方法を用意しました。
例えば音楽の製品では、MDdiscやレコーダなどを買う時に値段の一部が作者に行きます。すると一般的な消費者のために個人的なコピーが認められます。
これを「私的録音録画保証金制度」といいます。
しかし実は現在、この制度はインターネットの世界ではなにもないのです。
最近、あらゆるコンテンツをdownloadする人が非常に多いです。
アメリカでは二つの有名な事件がありまして、一つはNapster社。そのサイトにアクセスするとほとんど音楽を交換することができてしまいました。なにも払わないままです。
もちろんこれは裁判で法律違犯と決められました。
次にGrokster社がすこし違うテクノロジを使いましたが、結果は一緒でした。
なにも払わないまま交換できてしまったのです。その問題は最高裁判まで流れて、結局それも法律違犯と決められました。
違犯であるといくら決められても、デジタルのdownloadはとても簡単です。
この違反はストップできるでしょうか?
もし100%ストップできたとしても、本当にそこまですべきでしょうか?
スタンフォード大学のLawrence Lessig先生は、最近、著作権のバランスが悪くなったと思いました。彼は社会的なneedsもあるので、法律のバランスを調節しなければならない思い、別の道を作りました。
この方法を「Creative Commons」といい、日本でも著作権を扱う新しい方法として、取り組みがはじめられています。

4)Creative Commons License

やはりinformationができてから次の人が作り直すことが多いですね。
前の作品から次の作品ができるのです。
今の時代は、個人でも高級な機械を簡単に使えますから、ユーザーが視聴し、消費するだけではなく、自分自身も作者になるケースがとても多いのです。
最近では、YouTubeというインターネットサイトがものすごく人気がありまして、一般の人たちでも、自分の映像作品を乗せることができます。
ただしYouTubeの中では、他人の作品??つまりテレビ番組などをだれかが勝手に乗せてしまうことがあって問題とされています。
社会の進歩を見れば、新しいcreativityが多ければ多いほどいいと思います。
しかしその一方で、もしプロフェッショナルの人たちが、自分の作った作品で利益を得ることができなかったら、新しい作品を作ることができなくなってしまいます。
情報やコンテンツの財産を守ることは、とても大切なことなのです。

5)著作権は誰のために?

著作権は誰のためにあるのでしょうか?
テレビや携帯電話・コンピュータなど、今の時代はエンターテインメントをすぐに手に入れることができてしまいますね。
これから先、作者の利益と社会の利益を、どのようにバランスをとるのが正しいかという問題意識が大切なのです。簡単にはきめられないけれど、みんながお互いに考えないと、どちらにも損害がでてしまうのです。
ですからみんなで考えましょう。著作権はみんなのためにあるのです。