中央大学について

「知性×行動特性」学修プログラムの全学的展開~フェーズⅡ~

【取組概要】

2011年6月に「段階別コンピテンシー」とPDCAサイクルを基盤とした学生のセルフマネジメントサポートシステム「C-compass」を独自に開発・活用し、2012年度からの3年間で、本事業からの支援を受けながら、この「C-compass」と教育課程内外の諸活動を融合した「テーマ別プロジェクト」を両輪とした教育改革を展開してきました(「知性×行動特性」学修プログラム )。
本取組では、学生自身による「学修成果の可視化」を目的としたPDCAサイクル、教職員による「プロジェクトの質的向上」を目的としたPDCAサイクル、「学修プログラムの恒常的発展」を目的としたPDCAサイクルを活用することで、これまでの取組を恒常的に発展・改善していく学修評価システムとして確立します。さらに、この学修評価システムと既存の成績評価システムを有機的に連携し、視覚的には既存の成績原簿にコンピテンシーレベルの目標値・自己評価値等を併記することで、学生への「専門的技術・知識」と「コンピテンシー」の2評価軸の本格的な定着を加速させ、本学での学修成果として明示することを目指します。

【取組実績】

本取組の大きな実績は、学生の行動特性の指標となる「段階別コンピテンシー」7カテゴリー31キーワードを大学独自に開発し、キーワード毎に5段階の評価基準を設定したこと、それらを高める場として、特定のテーマ毎に大学での授業科目や課外行事をグループ化したテーマ別プロジェクト(2018年3月31日現在で12テーマ210の取組)を設定し、学生に提供したことにあります。

同時に本取組は、大学のあらゆる活動を整理し、どの活動が学生にどのような効果をもたらし、学生のどのようなコンピテンシーをどれだけ向上させることに貢献できたのかを可視化する画期的なシステムです。

2017年度前期の学生の「C-compass」活用者は10,949名であり、在籍者の43.9%が活用したものの、4年間継続して活用した学生はごくわずかでした。これは、第Ⅲフェーズに移行するにはまだ絶対的サンプル数が不足している状態といえます。

第Ⅲフェーズとは、「C-compass」にAIを取り入れる段階であり、どの活動を選択しどのレベルまで到達していれば、どの行動特性がどれだけ身につくかを学生に示し、不足しているコンピテンシーを補うためのテーマを学生にフィードバックできる状態を意味します。

この段階に到達するには、膨大な学生の活用実績を収集し、ビッグデータとして解析することが必須であり、サンプル収集には授業における「C-compass」での目標設定や取組、評価の報告を義務化していく必要性があると考えられます。

以上により、第Ⅱフェーズの目標-即ち、本取組における学生のコンピテンシーを向上させる学内システムの入口づくりについては十分なものを構築できたといえますが、今後は、如何にこれを定着させ、第Ⅲフェーズに移行するに足るデータを蓄積できるかが課題になるといえます。