ボランティア

【活動報告】能登半島における復興支援ボランティア 2026夏

 2024年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」に加え、同年9月21日〜23日の「令和6年9月能登半島豪雨」により、被災地域は重ねて甚大な被害を受けています。
 ボランティアセンターでは被災地支援のため、これまで計8回(2024年3月に2回、5月・8月・12月、2025年3月・8月、2026年3月に各1回)にわたり現地へ赴き、ボランティア活動を実施してまいりました。
 今回は定員16名を大きく上回る41名からの参加申し込みがあり、参加者は抽選にて選出し、以下の通り活動を実施しました。

◎目的:被災地支援を模索している本学学生と現地をつなぎ、行政・民間が連携して復旧復 興に取り組む現場を体感し、様々な課題解決に向けた方策等を学ぶ機会を本学学生に提供する。
◎日時:2026年8月29日(土)~31日(月)
◎場所:石川県輪島市、能登町、中能登町
◎内容:初日および最終日は、2026年8月27日の水害で被災した地域において、用水路の水路変更や土砂移動、住宅敷地内の土砂撤去などの復旧支援ならびに雑草取りやビニールシートはがし等の農作業支援に従事した。また、2日目には能登町の川畑農園にて援農作業を実施。

◎参加人数:本学学生16名、教職員1名
◎企画運営:中央大学ボランティアセンター
◎共催:日本財団ボランティアセンター
◎協力団体:株式会社ぶなの森

◎参加学生の声:
・参加当初は、ボランティアとして自分の手で何か大きな成果を成し遂げたい、被災地のために目に見える結果を出したいという焦りや意気込みが強くありました。しかし、実際に現地に入り、想像を絶する土砂の量や、地震と大雨という二重の被害に直面する過酷な状況を目の当たりにするなかで、自分の無力さを痛感するとともに、数日間の短い滞在で劇的な復興を成し遂げることなど到底できないという現実に直面しました。
そのなかで作業を続けるうちに、自分がその場ですべてを解決しようと気負うのではなく、今回自分ができる範囲の仕事を確実にこなし、そこで得た現地の状況や課題、そしてやり残した部分を、次にやってくるボランティアの人たちや支援のバトンへとしっかりと繋いでいくことこそが何よりも大切であると気づかされました。復興支援は一人の力や一回の活動で完結するものではなく、多くの人々の力が途切れることなく連鎖していくことで初めて形になるものだと実感しています。

・今回の活動を終えて、「自分自身が被災したとき、地域のために行動することができるのだろうか」と考えさせられた。今回、私たちは3日間という活動期間と、取り組むべき活動内容がある程度決まった環境の中で活動を行った。そのため、「限られた時間の中で、私たちは私たちのできることを地域のためにしよう」と考え、熱心に活動をすることができたと思う。しかし、もし自分自身が被災し、自分自身の生活を立て直すことだけでも精いっぱいで、終わりのわからない復旧と復興の状況に置かれたとしたら、今回と同じように地域の方を想いながら行動できるかということに自信がない。
 例えば、今回の側溝の土砂出しについても、自分が被災者ならば、自分の家の復旧を何よりも優先すべきだと考え、地域全体のことまで考える余裕がなくなってしまうかもしれない。だからこそ、今回お世話になった地域のみなさん、一緒に活動したお兄さん方をはじめ、被災直後の地域のために継続して活動されている方々の姿を見て、その働きの大きさを強く感じた。今夏の活動は、被災地を支援するだけでなく、有事でも平時でも自分自身がどのような人でありたいかを考える機会にもなった。

・総じて、今回の活動を通して「実際に現地へ行き、自分で体験すること」の価値を強く感じた。現在はインターネットやSNSを通して災害や地方の課題について簡単に知ることができる。しかし、画面越しに情報を得ることと、実際に現地へ行き、泥に触れ、作業をし、現地の人の話を聞くことはまったく異なる経験だった。地方の人手不足や災害復興、NPOと行政の連携などは、これまで授業やニュースで聞いたことのある言葉だった。しかし今回、それぞれの言葉には実際にそこで生活している人がおり、一人ひとりの生活があることを
知った。これまで知識として知っていた社会課題が、自分自身の経験へと変わったことが、今回得られた最も大きな学びの一つだと思う。

・今回の3日間の活動を振り返って強く感じるのは、「ボランティア」という立場や支援のあり方について、自分自身が持つべき姿勢の重要性です。どうしても私たちは「支援する側」「支援される側」という一方向の構図で現場を見てしまいがちですが、実際に現地に入り、農家の方々や被災された住民の方々と触れ合う中で、その境界線は非常に曖昧であることに気づかされました。
被災地の方々は、甚大な被害や二重の苦難に直面しながらも、日々の暮らしや生業を諦めず、前を向いて歩みを進めようとされていました。私たちが泥をかき出し、雑草を抜くという作業はほんの一部の力に過ぎないにもかかわらず、その姿を温かく受け入れ、感謝の言葉をかけてくださる方々の優しさや強さに触れたのは、むしろ私たち自身でした。つまり、私たちは「手伝いに行った」のではなく、懸命に生きる方々の姿から「大切な生き方や、日常の尊さを教えてもらった」というのが本当のところなのだと思います。
災害が起きたとき、ニュースやSNSではどうしても「被害の大きさ」や「絶望的な状況」ばかりがクローズアップされがちです。しかし、現地にはそこに暮らす人々の営みがあり、笑顔があり、明日へ向かう確かな日常があります。だからこそ、私たちがボランティアとして現地に関わったあとも、その地域や人々との繋がりを風化させず、関心を持ち続けること、そして「忘れないこと」が何よりも大切であると感じています。

以上