社会・地域貢献

中央大学文学部と八王子市図書館部との共同研究中間報告会を開催

2019年02月04日

 2019年1月29日(火)、八王子市生涯学習センターにて中央大学文学部と八王子市図書館部との共同研究中間報告会を開催しました。

 この共同研究は、2017年4月に本学と八王子市が締結した包括連携協定に基づき、本学文学部社会情報学専攻の研究チームと八王子市図書館部が、八王子市における図書館整備および図書館関連教育の向上をはかることを目的とし、「読書感想文および図書館利用実態に関する研究」と題して行っております。

 中間報告会では、3名の学生が研究成果を報告しました。

 

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 中間報告会では、まず文学部・小山憲司教授から挨拶があり、「八王子市図書館部のデータ分析を行い、図書館活動へフィードバックすること」と「八王子市が主催する読書感想文の応募作品データを分析し、子供達の読書支援の検討をおこなうこと」という本共同研究の2つのテーマについて説明しました。

 

 研究成果報告としては、3名の学生がそれぞれの研究テーマに対する成果を以下のとおり報告しました。

 

「図書館のデジタルコミュニケーション」

報告者:佐藤 千夏(文学部人文社会学科社会情報学専攻4年)

内容:図書館員同士のコミュニケーションの活性化と情報共有の効率化(デジタル化)を測ることを目的に、社内SNSの導入に関する実験結果を報告した。実際に八王子市の図書館内において、実験用SNSツールによる導入実験を実施し、図書館内でのコミュニケーションを活性化させるためのSNSの活用の実態と課題について明らかにした。

 

「中学生はどのように本を選んでいるのか―八王子市読書感想文コンクール作品を参考に―」

報告者:西澤 美優(文学部人文社会学科社会情報学専攻4年)

内容:2017年度読書感想文全国コンクールおよびインタビューを行い、中学生が何を基準に本を選んでいるのか調査・分析を行った。調査の結果、本の表紙デザインによって手に取る確率が異なったことが分かったほか、タイトル、作家・映画から影響を受ける確率が高いことが分かった。なかでも「本そのもの」と「身近な人の影響」が本選びに関わる要因として強いことから、中学生の読書量を増やす取組みとして、友達やクラス同士で本を紹介し合う機会を増やすことを提案した。

 

「八王子市図書館を対象とした図書館評価のためのデータ分析」

報告者:青木 優大(文学研究科社会情報学専攻博士課程前期課程1年)

内容:図書館パフォーマンス指標を用いて、八王子市図書館の利用実態や他の自治体との相対比較等の分析をおこなった。その中でも本の貸し出し数が減少傾向にある実態とその背景要因の検討や年齢ごとの貸し出し状況の分析を通じて、世代ごとに利用状況に特徴があるということ等を明らかした。また今後、八王子市の図書館利用実態に関する分析を継続し、図書館サービスの向上に資する方策を検討することについても示唆があった。

 

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 3名の発表後は参加者の間で、発表内容や図書館サービスの在り方について、活発な意見交換をおこないました。

 最後に、八王子市図書館部の石黒みどり部長より総括として、それぞれの研究成果に対する所感と共同研究の今後の展開に対する期待が述べられました。

 中央大学と八王子市図書館部では、今後もこの共同研究を継続し、八王子市における読書環境の向上と図書館整備の施策立案に役立つ研究成果の創出を目指していきます。

 

 

八王子市と中央大学との包括連携協定締結について