中国　厦門大学

　自分の目で“中国”を見ることによってその長所も短所も正しく理解することが、幼い頃に来日し中国について多くを知らない私が日本と中国の間に立ち仕事をする日が来た時、避けては通れない道だと思った。準備を重ね、強い覚悟を持ち、臨んだ留学であったが、正直不安や寂しさを感じることも多く、一つ一つの経験に対してやってよかったと心から思えたのはいつも終わってからだった。

　夜遅くまでの図書館での勉強、世界遺産での翻訳体験、日本語学科の学生との飲み会等、暗中模索しながら留学が始まり、自分の無力さを痛感し、それでもあきらめまいと前に進み続けた半年間の留学生活は、もしかしたら楽しいことよりも苦しいことの方が多かったかもしれない。しかし留学を経験していなければ、変化していく時代にさえ気づかず、自分の意見を持たずに周りに流され続けていたはずだ。勇気をだして挑戦したことで見ることのできた世界は、自分自身を見つめ直す機会をくれた。