広報・広聴活動

「共生と分断」「性的少数派」「複合差別」などの事例から「さまざまな共生のあり方」について議論する第30回中央大学学術シンポジウムを3月27日に開催

2024年03月15日

 中央大学研究所合同事務室(政策文化総合研究所)は、2024年3月27日(水)に「人類共生の可能性~社会の多様な差異の超克をめざして~」をテーマに第30回中央大学学術シンポジウムを開催します。「共生と分断」や、インドネシアにおける「性的少数派」、民族差別と女性差別が一体化した「複合差別」などの事例を通して「さまざまな共生のあり方」について議論します。どなたでも事前申し込みおよび参加費不要でご参加いただけます。

公開シンポジウムチラシ.pdf

シンポジウム「人類共生の可能性~社会の多様な差異の超克をめざして~」概要

日 時 2024年3月27日(水)13:30~17:00
会 場 中央大学多摩キャンパスGLOBAL GATEWAY CHUO(グローバル館) 6階604号室
プログラム
内容
※各者による講演の後、シンポジウム形式での意見交換を実施予定
13:45~ 「共生と分断のはざまを生き抜く力~長崎市長の経験をふまえて」 
         田上 富久 氏(長崎地域力研究会代表、前長崎市長)
 
 長崎は、鎖国時代に異文化との交流をいち早く経験した点、また、「被爆地」としての特異な体験をしたという点で2つの特殊性を有しているまちと言える。自治体の長を務める中では、この特殊性だけではなく、共生と分断に関わるさまざまな側面をみてきたように感じる。今回は共生と分断の両面を体感した経験を持つ前長崎市長として、「共生」のあり方や今後の展望について考察する。
14:05~ 「性的少数派のアイデンティティを読み解く」
         Arif Safri 氏(コーラン学研究所、イスラーム大学:インドネシア)

 インドネシアの社会でトランスジェンダーなどの性的少数派が直面する現実を、文化や宗教の視点から解説する。(キーワード:アイデンティティ、トランスジェンダー、 文化、教義化、宗教)
14:30~ 「日本における複合差別の歴史:在日朝鮮人女性に注目して」
         李 里花 氏(中央大学総合政策学部教授)

 グローバル化により多様な人々で構成される現代では排外主義が高まっており、日本でも過去に在日朝鮮人に対する差別が広まりヘイトデモやネット上の誹謗中傷が増加した。これは民族差別と女性差別が一体化した二重の差別であり「複合差別」と指摘されている。今回は日本で活躍した二人の朝鮮人女性舞踊家の歴史を辿りながら、彼女らが直面した差別や不可視化された側面を探求し、日本における複合差別の歴史について解説する。
14:50~ 「寛容性について考える:インドネシアの事例に」
         加藤 久典 研究員(中央大学総合政策学部教授)

 インドネシアは多様な民族や宗教が共存し、歴史的にも著しい多文化性が見られる。共存の重要性が国家形成とその維持には欠かせず、政治的には国家五原則が共通理念で、社会的には相手を受け入れる態度が重要とされる。本発表では、インドネシアにおける社会的少数派がどのように社会に受け入れられているのかを考察する。テロリズム加担者の社会復帰や、イスラーム教義に反するトランスジェンダーのムスリムがどのように社会に存在しているのかについてフィールドワークを通じて考察する。
参加費 無料
事前申込 不要
参考URL https://www.chuo-u.ac.jp/research/institutes/policystudies/event/2024/03/70323/
主 催 第30回中央大学学術シンポジウム「情報文明における共生思想構築に向けての基礎研究」(研究代表者:保坂 俊司研究員(本学国際情報学部教授))
共 催 国際共同研究強化(B)「インドネシアにおける性的少数派とイスラームの関係」(研究代表者:加藤 久典研究員(本学総合政策学部教授))

 

中央大学学術シンポジウムについて

 学術シンポジウムとは、本学附置の研究所の成果を市民や研究者に公表する目的で1980年から始まり、2002年からは3年ごとにプロジェクトチームを組織し、隔年で12月にシンポジウムを開催しています。2023年4月からの3年間は、政策文化総合研究所がプロジェクトを担当しています。

過去に開催したシンポジウム一覧

 ご取材いただける場合は、別紙「取材申込書」を3月25日(月)17時までに中央大学広報室までEmailにてご提出いただけますと幸甚です。

<本件に関するお問い合わせ>                
 中央大学研究所合同事務室(政策文化総合研究所)    
  TEL:042-674-3276                   
  FAX:042-674-3278

<取材に関するお問い合わせ>
 中央大学広報室
  Email:kk-grp[アット]g.chuo-u.ac.jp

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