大学院

【究める vol.121】王 子寧さん(商学研究科 博士前期課程)の論文が Food Quality and Preference誌 に掲載されました

2023年06月08日

商学研究科 博士前期課程に在学中の王 子寧(オウ シネイ)さんと指導教授の朴 宰佑(パク ゼウ)教授の共同執筆による論文が、Food Quality and Preference誌に掲載されました。

Food Quality and Preference 誌は、食品科学の分野における査読付き学術ジャーナルであり、食品の品質、風味、栄養価、食品選好に関する研究を発表しています。Web of ScienceのScience Citation Index Expanded (JIF 6.345)やElsevierのScopus(Cite Score 10.0)といったデータベースにも収録されています。

掲載論文について

著者・タイトル

Wang, Z., & Park, J. (2023). “Human-like” is powerful: The effect of anthropomorphism on psychological closeness and purchase intention in insect food marketing. Food Quality and Preference, 104901.

概要

擬人化されたパッケージ(イメージ)

従来の家畜生産の環境問題や将来の食糧危機に対する解決策として、昆虫食に対する学術的・実践的な関心が高まっています。昆虫食の消費者受容を効果的に向上させる方法についての研究が進められていますが、関連する研究は十分とは言えません。この研究は、製品のプロモーションにおいて最も広く使用されているマーケティング手法の一つである擬人化が、消費者の昆虫食の購買意向にどのように影響するかを検証しました。

2つの研究の結果から、擬人化されたパッケージングが消費者の昆虫食の購買意向を増加させることが示されました。さらに、擬人化の効果は昆虫食への心理的な親近感によって中介されたことも明らかになった。本研究は食物新奇性恐怖の調節効果を示しており、消費者の食物新奇性恐怖が強い場合、心理的な親近感が購買意向に与える影響が弱まることを証明できました。本研究は、擬人化されたパッケージングが昆虫食の購買意向を増加させるための望ましい手法であり、この手法がいつ・どのようにこれらの食品の促進に効果的であるかを明らかにしたことによって、学術や実務に貢献していると考えられます。

掲載にあたって

栄養素の高さ、持続可能性、食文化の多様性などの理由により、昆虫食は最近注目を浴びています。しかしながら、日本を含む多くの国や地域における昆虫食受容の割合は依然として低いままであり、昆虫食受容をいかに高めるかが大きな課題になっています。そのため、朴先生と共に努力してきた成果が国際ジャーナルに掲載され、社会の発展に貢献できたことに、とてもうれしく思います。今後も人々の豊かな生活や持続可能な社会発展に貢献できるよう、研究活動をさらに進めていきたいと考えています。

朴教授からのメッセージ


博士前期課程で定評のある査読付き国際ジャーナルFood Quality and Preferenceに筆頭著者として論文を掲載できたことは大変素晴らしいことであり、指導教員として大変嬉しく思います。今後の研究のさらなる発展を期待しています。