FD(ファカルティ・ディベロップメント)活動

第32回FD・SD講演会を開催しました

2024年03月19日

2024年3月15日(金)に、第32回中央大学FD・SD講演会を実施しました。

今回のテーマは「障害者差別解消法の改正―教育機関が対応すべきこと―」です。

 2024年4月1日より、「改正障害者差別解消法」が施行され、これまで努力義務とされていた「合理的配慮の提供」が大学にとっても法的義務となります。

 法令改正を受け、障害者差別解消法の基本的な事項、法令改正が意味すること、そして教育機関が対応すべきことについて教職員が理解を深め、新年度に向けて適切な準備・対応ができるよう、ダイバーシティセンター主催・FD推進委員会共催にて講演会を実施しました。

 講師には、日本障害法学会理事・ダイバーシティセンター障害学生等支援部会長であり、本学法学部教授の新田秀樹が登壇し、質疑応答も含めて約100分の講演を行いました。学内教職員(兼任講師含む)を対象といたしましたが、大学の教職員のみならず附属校の教職員の参加もあり、総勢150名以上が対面またはオンラインにて参加しました。

 

 講演では、まず障害者差別解消法の内容についての理解を深めるために、法制の見直しや制度の改正の背景などについて紹介。続いて今回の「改正障害者差別解消法」のポイントを、主に「合理的配慮」の点からご解説いただきました。

 講演の後半では、中央大学で2016年に策定された「中央大学における障害学生支援に関するガイドライン」 で示されている合理的配慮の例や学内の相談窓口・手続きなどをあらためて確認しました。

 同時に、ガイドラインはあくまでも原則であること、実際の配慮提供にあたっては、既定・一律の対応策を用意すれば良いわけではなく、個別のケースごとに、配慮する側・受ける側双方の建設的な対話が大切であること、さらに、個人情報の取扱いに留意したうえで、関係部署間の情報共有と連携が大切であることなどについて解説がなされました。

 

参加者からは事後アンケートにおいて、下記のような感想・意見がよせられました。

 

●対話を重ね、配慮の方法を見出していくのが重要と感じました。一方で、同じようなケースが学内で生じる場合は、その対応はある程度統一していく方が、配慮を受ける学生(等)・対応する教職員双方にとって生きやすい、配慮しやすいのではないかとも感じたので、ノウハウの蓄積・共有があればよいとも感じました。

●今回のような制度概略の説明に加え、他の組織の具体的事例や対応事例(失敗例)があるとより対応の役に立ったのではないかと思う。

●タイムリーな企画でありがたかった。

●法令の制定経緯や逐条解説等、概要を端的に理解することができて良かったです。

●「こうしてほしい」という希望をどこまで受け入れるかの判断が難しいと感じていましたが、「障害者でない者との比較において同等の機会の提供を受けるものであること」という観点をご教授いただき、立ち返る基準としてわかりやすいと思いました。