FD(ファカルティ・ディベロップメント)活動

第29回FD・SD講演会を開催しました。

2023年12月19日

12月18日(月)に、第29回中央大学FD・SD講演会を実施しました。

 今回は研究戦略会議との共催による開催となりました。テーマは「研究・教育に関する国の政策決定過程とこれからの動き~政策の背後にある考え方を理解し、中央大学の未来を拓く~」です。

 大学の事業計画策定においては、中長期的視点および短期的視点で大学を取り巻く研究・教育政策や動向の内容、背景を理解することが重要です。本講演会では元文部科学省の科学技術・学術総括官を務め、筑波大学の理事・副学長として大学現場の事業計画にも携わった勝野頼彦氏(本学URA統括)を講師として、本学大学を取り巻く外部環境がどのような考えから、どのような検討過程を経て生じたものかを俯瞰的に、体系的に考える機会として設定しました。当日は学内教職員が対面またはオンライン形式にて約80名が参加しました。

講師を務めた勝野URA統括

 話題提供として、勝野氏から研究・教育に関する政策形成やその推進の基本的な構図が示されると共に、近年または現在各省庁や団体から示されている科学技術政策・高等教育政策の変遷やその経緯、ねらい等に関して、勝野氏の省庁ならびに国立大学における経験からわかりやすく解説がなされました。特に本学が着目するべきキーワードについては政策立案の背景と共に解説がなされ、教職員は常に各省庁による研究・高等教育政策の動向にアンテナを張る重要性が示唆されました。

 後半には2024年度の概算要求や今年度補正予算の動向や重要度についても解説がなされ、大学への戦略的な支援事業へ積極的にアプローチをかけていくことや、大学の立ち位置を見定めたうえで、どの政策に対して大学が取り組んでいくかについて、体系的に考えていく必要があることが示唆されました。

 質疑応答の時間においては、本学研究推進支援本部長の加藤俊一副学長も含め、フロアからの質疑応答や意見も踏まえながら、少子化が進む未来において人材輩出を担う大学がどう一人ひとりの能力を開発していくか、教育の質を高めていくかが問われていること、各省庁と同様に大学も戦略的な視点をもって目指す大学像を確立していくことが言及されました。

 

参加者からは事後アンケートにおいて、

 

・国の政策立案の流れがこれほどわかりやすく解説されたことはないので、非常に腹落ちする内容でした。

・情報量が多かったですが、国の政策立案の年次の流れなど基本的なことから、具体的な施策への見解まで言及され、とても興味深くまた危機感をもって拝聴しました。法人・教学の執行部から一般教職員まで広く認識されるべきお話が多いと感じました。

・国に合わせて大学が政策を打つことが必ずしも正解だとは考えておりませんが、国策を踏まえつつ、大学が進むべき道を各人が見定め、選択していくためには国策への理解は必要に感じています。その意味で、本日の講演は大変有意義でありましたし、多くの教職員が「大学人として」拝聴するべき内容であったとも感じるところです。

 

といった声が寄せられました。

 

FD推進委員会では、学内の各部署との連携も密にしながら大学のFDならびにSD活動をより推進するため、今後も高等教育に関する講演会や研修会などを実施していきます。